あらすじ
表裏のない葉はなぜ存在する?「どっちもどっち」
碧い花を咲かせる葉のない新種「碧い花の新種」
ミョウガの花は美しい「透き通る」
花の装いは皮1枚「色づく」
ネギの葉の表はどこに? 「中空になる」
スイカの縞と種の位置に関する神話「表面の縞から見分ける」
根は皮を脱ぎながら地中を突き進む「先端に抱く」etc.
多種多様な植物たち。
世の中には、その千差万別の楽しさに気づいていない人も多い。それどころか、いろいろな植物がぎっしりとくらす豊かな森を見ても、ただ緑一色の塊にしか見えない、という人までいる。
しかしそれはあまりにもったいない!
葉の進化と形態を研究する植物学者・塚谷裕一が、日常の中で出合った特徴的なすがたの植物を、軽妙な文章と写真で綴るボタニカル・フォトエッセイ。
そのすがたの理由を推測したり、観察したり、顕微鏡で調べたり・・・。
その先には、植物の奥深さやしたたかな生態、無駄に思えてしまう謎もあって――。
皮膚科専門誌「Visual Dermatology」(学研)で創刊号から現在まで続く人気連載を単行本化!250編以上の中から厳選して収録。
■内容
まえがき
第一章 葉
どっちもどっち/分泌する/ダニを飼う/捕まえる/新芽の紅/白いハンカチ/穴があく/息をする/つるりとする/尖ってへこむ/凸凹する/中空になる/きらめく/他人のそら似/葉ではわからない/痕が残る/わくらば/角が取れる/まだらをつくる/防寒着を着る
第二章 花
河津/糸を引く/移ろう/変形/変化咲き/海面下で/透き通る/輝く/極限/広がるレース/色づく/黒い花/温める/
タシロ氏/世界最大に咲く/蒼に咲く/碧い新種
第三章 果実、種子
育つ/袋になる/ひび割れる/表面の縞から見分ける/遅い銀杏/すれ違い/新旧のひっつき虫/くっつく/粒々/鳥をあざむく/色付ける
第四章 茎、枝、幹
頂端を欠く/へばりつく/ちりばめられる/幹に咲く/住まわせる/剥がれる/乗り出す/皮だけで生きる/垂れ下がる/張り出す
第五章 根
張り出し広がる/かごを編む/先端に抱く/突き出す/化ける
あとがき
植物索引
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
植物学の研究者である著者が、身近にある植物から世界最大の花などについて素人でも興味が持てるような内容をわかりやすく解説している。まだ解明されていないと記されることも多く興味がわいた。写真もとてもきれいだった。
Posted by ブクログ
2025年出版。身近だったり、全く実物を目にする機会の無いものだったりだが、興味深い、植物に関するおはなし。61歳の博士の著書で、文体は「昭和初期?」と感じられる堅さがある。が、章を進めると面白くなってくる。やたら学術的になったり、専門用語が頻出したりといったことは無い。写真も多く、美しくて楽しい。何気にエッセイ的な要素も差し込まれていて飽きない。