あらすじ
副知事になった作家、3年に及ぶ格闘の記録
2007年6月、石原慎太郎・東京都知事からの「特命」は突然だった。
東京が国との間に抱える様々な問題を解決すべく、突破口となる役割を託された作家は、都庁の中で、何を見て何を感じ、どう動いてきたか。
作家の想像力が行政に与えた影響とは?
都庁で考えた「この国のゆくえ」とは?
就任から3年、永田町・霞が関との戦いから都職員との触れ合い、東京発の政策提言に至るまで、縦横無尽に綴る。
「東京都は昔から伏魔殿と呼ばれた。そんな形容詞でいかにもおどろおどろしく語るだけなら、何も説明したことにはならない」(プロローグより)
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Posted by ブクログ
”本を読ま習慣が廃れると思考力が衰える。”この部分同意見。このことは、もっと多くの人が認識すべきと日頃から強く感じています。周りにも結構いらっしゃいます。正直、なまじお歳をお召しだと本当に困ります・・・。ただ、若いときの読書はスポーツ同様筋肉がつくが、30歳を過ぎてからの読書はただの情報にすぎないとも記載あり。もうすぐ40歳に到達しようとする私には少々がっかりです(10代30代に比較すると20代は読書が少なめだったのを後悔しているのは事実ですが)。その他、都で休日にボランティア活動を予定していたら休日手当が支給されそうになっていたというエピソードが興味深いです。サクッと1時間もあれば読めます。
Posted by ブクログ
著者が東京都副知事時代の成長戦略が語られている。一番印象に残ったのは活字離れ対策。外国に売れるすばらしい技術があっても、対話ができなければビジネスにならない。論理的な対話技術が必要である。
「活字離れ対策とは、読書力・対話力・言語力・歴史認識、その全体をいかに再構築するかということ。(本文より)」
(論理的か否か)
1.フィンランドの小学校で
相手の言うことが分からなければ、おかしいとか間違っていると攻撃する前に、どういうことなのか?どうしてそう考えたか?教えて下さい、というべき。分かり合えない状態から自分と相手との間に理解を形成してゆくコミュニケーションが対話なのだ。(北川達夫氏)
2.東ドイツのビジネス現場で
交渉が日本に不利に進むのは、外国語での交渉というハンディではなく、日本側に交渉の組み立てや展開をどうすればよいか、という論理がなかったからだと気付く。国語に言語技術の指導が必要なのだ。(三森ゆりか氏)