あらすじ
やさしいほうの自分でありつづける
画期的論考。
「やさしいは性格ではありません。
自分と他人の間のコントロールの問題です」
現象学を専門とする哲学者が
やさしいの内実にせまります。
◎なぜ「やさしい」はつづかないのに、
「嫌い」はつづく?
◎咄嗟ならやさしくできるのに、
関係が深い人ほどやさしいが困難な理由
「やさしい」の明確な定義が手に入り、
思考と言動が変わります。
読んだらやさしいがつづく確率が高まる本です。
★本書で提示する「やさしい」の定義
①コントロール権を手放し、相手にゆだねること(ソフトな意味でのやさしさ)
②その結果、起こることの責任は引き受けること(ハードな意味でのやさしさ)
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Posted by ブクログ
分かりやすくやさしい文章で、やさしいが続かないということを記載してくれています。
人に対して沸き起こってしまう悪意や苛立ち、それが心の中に起こってしまうこと、やさしい気持ちで許せないことについて悩んでいましたが、そういう自分の状態は決して自分の本来の性質のせいではなく、周りの環境や心の余裕などの影響があると言われて、振り返ってみると確かに納得できる部分がありました。やさしくあるために、自分を責めるのではなく、客観的に見つめ直して心にもっと余裕を持てるよう、自分自身に優しくしていきたいとそう思われてくれた本でした。
Posted by ブクログ
やさしい=痩せるが語源、とは恥ずかしながら初めて知った。自分を痩せさせて、すり減らして与えるのがやさしいの語源であるということ。
やさしいがいかに続けることが困難であるか、困難である理由について詳しく書かれている本書であるが、読んだこと自体は後悔は全く無いものの、
個人的にはほう……!!!それは知らなかった!!!はひとつも無かったかな。
自分で自然と気づいてしまってた、
睡眠/食欲(性欲)/お金 が満足とはいかないまでも、不満が無ければ大抵のことは経験値で優しくなれるということ。
本当にこれなんだよな~とは改めて思った。
Posted by ブクログ
やさしさをつづけることがなぜ困難なのかを、「やさしさ」を定義しそれがつづかないとはどういうことなのかを論理的に紐解いた本。自身が人にやさしくできないとき、「今私はこの人のコントロール権が自分にあるべきだと考えている、コントロールをしようとしている」と客観的に認知するだけでも、少し己の行動を変えることができそうな気がする。
Posted by ブクログ
やさしさが続かないことについて、定義や文化的背景を用いて丁寧に説明した本です。
人に優しくできないことを解決はしませんが、理由は何となくわかるようになると思います。
以下は個人的なキーワードです。
やさしさは続かないもの。
やさしさや悪意はコントロールの問題。やさしさはコントロールを相手に委ねる、悪意はコントロールを相手から奪うこと。
やさしさは、コントロールを相手に委ねるだけでなく、その責任を自分が引き受けること。苦しい。
身近な人にやさしくするのが難しいのは、その後の相手との関係に責任を持つのが苦しいから。
やさしさはアンパンマンの顔そのもの。余裕があれば顔をあげることができるが、余裕がなければ顔はあげられない。
余裕が大切。ゆっくりした方がいい。
Posted by ブクログ
少し冗長に感じる部分もあったが、「時間面での余裕」には納得
・部屋でひとりでぼーっとする何も考えないでいる時間
・やさしくなれない可能性が高い時期は人とのコンタクトを避けておく
・10分でも20分でも、ひとりになって、スマホをおいて、テレビを消して、何にもコントロールされない時間を体験
・何もしない時間=贅沢な時間
・どう過ごしていいかわからず、不安や焦り→それもOK。自分自身に注意や思考が向けられている時間(瞑想の簡易版)