【感想・ネタバレ】虚空遍歴(下)のレビュー

あらすじ

江戸で行き詰った冲也は、浄瑠璃の本場、大阪で一本立ちしようと決意し江戸をあとにするが、上方でも無惨な失敗に終り、次第に深酒にひたるようになる。冲也はさらに北陸の金沢へと遍歴を続けるのだが……。おのれの人生を芸道との孤独な苦闘に賭けて悔いることのなかった男を通し、「人間の真価はなにを為したかではなく、何を為そうとしたかだ」という著者の人間観を呈示した長編。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公中藤冲也は、結局新しい浄瑠璃を仕上げる、という大望を果たせず、気力を使い切り、世を去る。

冲也は失敗したのか、その人生は無意味だったのか、
果たして、世に名を残すことが人生の意味なのか。
そうではない。冲也は生きることを全うした。
そして、その価値は誰にも分からない。自分にしか分からない。
作中では、それをおけいというもう一人の自分の目線から語っている。
人生とはそういうもの。

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2013年04月15日

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