【感想・ネタバレ】盗んで食べて吐いてものレビュー

あらすじ

どうかあなたに、希望の光がさしますように。

「太ったら、食べちゃダメなの」。幼いころに聞いた母の言葉をずっと忘れられないでいる早織。

早織は小学校6年生ごろから体重が増えはじめ、体型を何よりも重視する母は彼女の食事量を厳しく制限した。お菓子はダメ、お代わりはダメ。でも、もっと食べたい、もっと痩せたい。

早織は食べて吐くを繰り返すようになり、吐くための食料を手に入れるため、食べ物を万引きするようになってしまう。結婚をして夫と娘と仲良く暮らしながらも、彼女は万引きをやめられないでいた。

そんなある日、早織は妹からの電話を受ける。それはずっと避けていた母の命が、もう長くないと告げるものだった――。

母の呪縛。痩せたいという願い。間違いだとは分かっているのに、今日も彼女は正解を選べない。

既刊続々実写ドラマ化、『殺した夫が帰ってきました』『塀の中の美容室』で大注目の著者が描く新境地の傑作小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

摂食障害と窃盗症。平穏な共働きの夫娘との生活の陰にあった女性の症状、やがて明るみに出て二度目の裁判で実刑判決に至りその生活も大きく変容して…出所して病院に繋がり、一筋中では行かない中でも懸命に一歩一歩を歩んでいく。かつての自分によく似た女子高生との出会いと、彼女との関わりによる自らの修復。通底する自分の母への複雑な心情とその修復。そして最後は、一度離婚と受刑で断絶した娘との関係性を修復していく。これらを克明に描いている。大変読み応えがあって、読後感はあたたかくて、とてもよかった。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025/07/04予約1
拒食から過食、嘔吐までは想像できたが万引き、窃盗症まで。心の緩みが万引きに繋がる、など聞くが窃盗症という病気がある事を知らなかった。自分でコントロールできず、買い物に一人で行かないが解決法だなんて。どうせ吐くものを買うのはもったいない、という歪んだ認知に至る人生、辛かっただろうな。表紙の素敵なお皿はそんな意味があったのか。
ラストは救いが見えた。彼女にしかできない支援の仕方、辛い過去も内包して同じ人々を助ける、なかなかできることではない。
読んでよかった。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

題材
・摂食障害×窃盗症

テーマ
・人は表面だけでは判断できない

誰が何をする話なのか
・主人公が病気を抱えつつも再起する話

最も伝えたかったこと
・題材について

何が新しいのか
=題材

キャッチコピーは何か
『わたしもあなたもこの物語と無縁ではいられない』

その他(心に残ったことなど)
・もう盗まないでくれと祈りながらページを捲り、また盗んで実刑判決、とても辛かった
・トイレで吐いて詰まらないのかが終始気になった、詰まりを直すような描写はなかったと思う
・ラストはやや尻すぼみに感じた、実のところ、佐藤正午の熟柿と重なる部分があり、比べてしまった

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2025年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過食嘔吐と窃盗症に悩まされる女性の話。
依存症の怖さと、ジリジリと家族や人生が壊れていく怖さをひしひしと書かれており、胸の苦しさを感じながら読み進めていった。
それでも世話をかける妹、離婚をするも気にかけてくれている元夫、絶縁同然の娘、大切な人が苦労をしている時に誰になり得るだろうか。
もっと依存症の怖さを重々しく描写したところも見たいと思った。
最後のエピローグ、娘と孫と一緒に誕生日ケーキと大好きなカップでパーティ、心がじーんとなったわ…

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2025年11月09日

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