【感想・ネタバレ】青の炎のレビュー

あらすじ

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かった。読み進めていくうちに櫛森君に感情移入してしまって、どうかこの殺人がバレませんようにと願ってしまう。そして、この櫛森君が頭もキレていいやつ過ぎて、幸せな人生を歩んでほしいと思わせられながら読んでいくと、展開がどんどんと切なくなっていく。本当に切なすぎた。

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2026年09月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

賢く家族思いの青年が、燃えるような青の炎を滾らせ、冷酷な犯罪に手を染めていく。第二の犯罪に手を伸ばしたとき、もう彼は戻ることはできないということを突きつけられるようで、読んでいて苦しかった。
秀一よりは人生を生きてきた自分からすると、もっとこうすればよかったのにと、色々と思いを巡らせては悔しくなる。だが、家族と学校以外にほとんど社会との接点を持たない、これくらいの年齢の子だからこそ、こういう選択を取ってしまうのかもしれない。
親心としては、子が死ぬこと以上に辛いことはないし、子の罪は代わりに自分が償ってあげたい、極刑を言い渡されるならば代わりに自分が罰を受けたい、くらいの気持ちになるのだと思う。それが子ども側からすれば、そんな親心を本当の意味で理解するのは難しいのだろう。
だからこそ秀一は、最後にあの選択をしてしまったのだろうか。
少年法の年齢引き下げ、廃止を求める声が大きくなっている今、何も考えず本当にその流れに任せて声をあげていいのか、考えてしまう。

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2026年09月10日

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ネタバレ

どこまでも孤独な闘いで、救いがなくて苦しかった……
「もっとこういう方法で助けを求めれば……」なんて大人の目線では思ってしまう場面もあるけど、それは客観的な読者だから言えることで(今とは違う時代の話だし)
義父を殺しても何も好転しない、むしろ新たな苦しみと殺意に巻き取られてしまう様子が本当につらくて苦しかった。

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2026年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人視点+緻密な心理描写で没入感が凄くて、なんかもう、疲れましたーーー!(笑)
いや、それだけ作品に引き込まれたということで、作者さん凄いのですが!!!

義父がいる家の中の緊張感、犯行を練るシーン、実行するシーン、事情聴取時の焦燥や実行後の苦悩……。
本を読んでいるだけなのに気が張り、頭も気持ちもへとへとに疲れていたのですが、早く見届けて(わたしも)楽になりたい…の一心で、夢中になって読み切りました。

決して許されることではないけど、誰にも頼ることが出来ない中、一人で家族を守るしかなかったことは、やりきれなく切なかったです。

最後、巻き込まれた運ちゃんへの同情が勝ってしまい、没入感があっさり引いてしまったので☆4ですが、巻き込まないやり方だったら☆5付けてました(笑)
お前、あれだけ、抱えた苦悩を、見ず知らずの人に背負わすな…!! と思ってしまったのだけが少し残念。

※追記 (5/11)
と、思ったんですが、あれから考えて解釈が変わり、主人公のプライドが高く視野も狭い、利己的で幼稚な面を、ラストでああゆう形で表したのかな、と。
家庭にいくら事情があろうと、家族の為と言ってもそれは建前であり、殺人は自己中的なもので計画的に実行したことに対しては同情の余地はないのである、ことの表現かと感じ直したので、一つの表現の形か、とすっきりしました。

きっと運ちゃんは法定速度で走ってて、自転車が突然方向転換したことを周りの車が証明してくれる…ことを信じて。それでも心に傷は負うだろうけど……。
この家族に『あなたたちを守る為にやったんです』と事件のことを話しても『そんなことは望んでなかった、もっと気持ちを話してほしかった』と返ってくる気がしますね、独りよがりな面も忘れてはいけない。

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2026年05月10日

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1/3ほど読んだところで、突き動かされるように、秀一と同じ風を浴びて雨に打たれ134号線を踏み締めたくなって、湘南へ急行。
雨の朝、学生と共に藤沢から江ノ電に乗り込む。小糠雨の中、極楽寺の切通しを歩く。鎌倉を散策する。晴天の134号線をサーファ横目に歩き、鎌倉学園前駅で江ノ電に手を振る。車窓から鵠沼を眺め、ハートトゥハートや秀一の家の辺りがどこかを想像する。
山月記やこころなどの高校の教科書に載っていた作品と秀一の気持ちがリンクするところも憎い演出で郷愁に駆られた。
徹頭徹尾、秀一の気持ちが痛いほどよくわかる。人は殺してないけど、デジャヴくらいよくわかる。
自転車と人馬一体となったような感覚、若さゆえの全能感、憂鬱さ、嘘が真実のようにスルスルと出てくる様、家族を心から心配していても大人同様に扱い頼ってもらえないもどかしさ、過去のどの時点に戻ってやり直せばいいのかと無為な夢想を繰返して現実逃避をしないと保てない精神状態、笑ってても心の片隅に重くのしかかる影…そういった歳を経て振り返ると青春の1ページとも思えた感情たちが実感を伴って溢れてくるようだった。
印象的だったのは、
李徴が、おれの中の人間の心は獣としての習慣の中にすっかり埋もれて消えてしまうだろう。と言っているのと、石岡の殺害を躊躇いなく思い浮かべてしまう自分に驚きながらも早々に決断をする様や、ロードレーサーと人馬一体となって疾走する感覚と李徴が虎に変わって力が漲り力強く駆ける様の対比、大門の瞋りの炎は自分自身を焼き尽くすから瞋りを持たないという考え、恋人と過ごす蕩けるような甘い快感の中にもどす黒い暗雲が残る感覚…あげだしたらキリがないくらい、心に残ったシーンが多かった。
「こころ」は、私も秀一同様に、殺したわけでもないのに気に病みすぎと思っていた口だったが、改めて読むと先生の気持ちがわかる気がした。長く会ってなかった友人の自死を知り、自分に出来たことがなかったのかとひどく落ち込んだ。それが、自分の悪意が引き金だとしたら、直接手を下していなくとも、やはり相当に辛いだろうと読みながら考えていた。改めて、こころを読み直すきっかけをもらえたことにも感謝している。
倒叙推理小説として、というよりは、青春小説として読んだ。今まで知らなかったことを後悔し、出逢えたことを感謝した一冊

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2026年05月03日

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ネタバレ

犯人目線で物語が語られるいわゆる倒叙ミステリー。
秀一が義父の殺害を決めてから実行、そしてその後に至るまで、彼が終始苛まれていた孤独感や恐怖心が痛いほど伝わってくるような、すさまじい心理描写に圧倒された。
人が人を殺すことがどういうことか、その重さや怖さ、生々しさがダイレクトに感じられる圧倒的な文章だった。
最初から最期まで、「家族のため」だった秀一の行動を正しくなかったと簡単に片付けることはできない。切なくて、やりきれないけれど、本当に素晴らしかったし読んで良かったと思える作品だった。

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2026年04月18日

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 本作品は倒叙ミステリーで、犯人の視点、内面に焦点を当てる。本作は、かつて母親と結婚した血のつながらない父親が、突然、主人公の家に居候することとなった。それが原因で、徐々に家庭環境が壊れ始めた。それに耐え切れなかった主人公は、家庭崩壊する前に殺人を決意する。緻密な計画と幾たびのシミュレーションの末、ついに義父の殺人に成功した。しかし、殺人を実行した当時、主人公のあとを追った腐れ縁の友人に怪しまれた。そのうえ、金銭面でいざこざな関係を持ったこともあり、証拠隠滅として、その友人の殺害も計画した。こちらも殺害に成功したが、2人を殺害したことで、主人公は悪夢を見たかのように、うなされる日々が続く。その後、警察が、義父の死因が心臓麻痺ではなく、他殺だということを掴んだ。それにより、主人公が容疑者として逮捕されることになるが、最終的に、自殺を選び物語は終了する。
 本作の解説にあるように、ドストエフスキー『罪と罰』と似た展開だと指摘されるが、物語の結末は対照的である。主人公の最期について、明確な描写はなかったが、一人で葛藤した末、自死を選択した。誰にも救いを求めず、殺人という罪を抱えながら生涯を終える。

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2026年08月02日

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ネタバレ

男子高校生が主人公。
母と妹の家族を守りたい気持ちが伝わってくるからこそ、彼に犯罪者になってほしくないと祈りながら読み進める。

たまに出てくる学校での普通の高校生の会話にホッとする。

どうして、働かない・アル中・お金をむしり取る(元)父親に他の家族が我慢した生活を強いられて、弱者が犠牲にならなければいけないのか。
例えばいじめられた方やDV被害者が転校や引越しを余儀なくされたり、被害者側の精神的・金銭的負担が大きいことが納得いかない。

頼んだわけではないのに、警察に対して主人公のアリバイを偽証した友達。いい友達に恵まれてるのだから、これからもっと高校生活を楽しんでほしかった。犯罪を犯した以上、叶わぬ願いではあるけれど、母と妹と平穏な生活を送ってほしかった。
最後まで家族のためを思っての主人公の行動が辛かった。


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2026年07月07日

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ネタバレ

読書習慣をつけようキャンペーン7冊目。

主人公の秀一は、オタク気質なところがありながら、スポーツもできて頭も良く、ユーモアもある。普通にかなりモテるタイプだと思う。そんな17歳の少年が、愛する家族を守るために殺人を計画し、実行してしまう。
-ゴリゴリネタバレなので、知りたくない人はここから読まないでください-

特に印象に残ったのは、曽根を殺した後になって、実は癌だったと知るところ。殺さなくても待っていれば死んでいたかもしれないという皮肉が重い。

作中で何度か登場する『山月記』の、人間が虎になっていく話も秀一の姿と重なった。そして大門のおじいちゃんの、怒りの炎をコントロールできない者は、いつかその炎に自分自身も飲み込まれてしまうという言葉。家族を守るために燃やした炎が、結果的に秀一自身の人生を飲み込んでしまった。

一方、母親としては友子にも思うところがあった。彼女にも事情はあっただろうが、もっと早く曽根を子供たちから遠ざけるべきだったのではないか。本来、大人が解決すべき問題によって、子供がここまで追い詰められてしまったことが悲しい。

ミステリーとして面白かったのは、刑事の事件解明がまさにパズルのようだったこと。現場検証や解剖などでピースを見つけ、それをクルクル回したり、場所を変えたりしながら、すべての辻褄が合うところにはめていく。

解説を読んで、この作品が「倒叙推理小説」というジャンルだと知った。犯人も犯行も最初からわかっているからこそ、犯人の思考や心理を深く知ることができ、刑事がどうやって真相に迫るのかを楽しめる。推理小説にもこんなにいろいろな種類があることを学べたのは大きな収穫だった。

また、『容疑者Xの献身』にも通じるが、自分の欲ではなく、愛する人のために罪を犯す物語に私は惹かれるのかもしれない。もちろん犯罪を肯定するわけではないが、その行動に至る動機を理解できることで、物語への納得感や満足度が高くなる気がする。

今回の一冊で、ミステリーの楽しみ方がまた一つ広がった。犯人を当てるだけでなく、犯人の心理を知り、捜査の過程を追い、人間の行動の理由を考える。これからもいろいろなタイプの推理小説を読んで、自分がどんな謎や物語に惹かれるのかを探っていきたい。

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2026年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすいので退屈する事なく読めたが、トリック 、動機 とも平凡で最後どの様に終わるのかにだけ興味があったが、それも、、、

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2026年05月01日

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