【感想・ネタバレ】青の炎のレビュー

あらすじ

櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人目線で物語が語られるいわゆる倒叙ミステリー。
秀一が義父の殺害を決めてから実行、そしてその後に至るまで、彼が終始苛まれていた孤独感や恐怖心が痛いほど伝わってくるような、すさまじい心理描写に圧倒された。
人が人を殺すことがどういうことか、その重さや怖さ、生々しさがダイレクトに感じられる圧倒的な文章だった。
最初から最期まで、「家族のため」だった秀一の行動を正しくなかったと簡単に片付けることはできない。切なくて、やりきれないけれど、本当に素晴らしかったし読んで良かったと思える作品だった。

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2026年04月18日

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ネタバレ

ラストの自殺が現実だったら心を痛めたけど、小説だから、綺麗に終わった!って感じた。誰も傷つけないためには自殺しか道がなかった。解説を読んで私も同じこと感じたって嬉しくなった。
ただ、主人公の考え方がまだ若いね。高校生だねって感じ。

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2026年04月05日

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ネタバレ

加害者の視点からストーリーが進んでいくため、犯罪が明るみに出ないか、ハラハラしながら読み進められた。自分勝手な犯罪ではなく、ごく普通の高校生が家族のためを思っての犯罪であり、特にラストは胸が痛んだ。ミステリーのルールとして犯罪は暴かれるものであり、しかし加害者の家族に苦しみを味わわせないためにも、最善のラストなのかもしれなかった。怒りの炎はいつか自分自身を焼き尽くす、という言葉が心に沁みた。

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2026年03月21日

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ネタバレ

痛かった。辛かった。青かった。
細かい描写が多くて読むのに時間がかかったけど、それすら主人公の青さと一生懸命さを描いていたのかなと。視野が狭いという言葉は使いたくない、そのときはそれが正解だったと思うから。でも生きていてほしかった。

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

倒叙ミステリー面白すぎる!
 物語は犯人である主人公目線で進むため、どんどん追い詰められていく様が目を離せず、読んでいて緊迫感が増していく。
 家族を守る主人公の姿。殺人を犯して、焦り苦しむ気持ちがひしひしと伝わってきて辛かった。
倒叙ミステリーの真骨頂だと思う。

ラストは本当に切なく悲しすぎる、、、
 悲しい選択なんだけど、犯行を知った家族や友人たちの寄り添い、何よりも彼女の最後の言葉には救われたのだと思う。だからこそ主人公は決意したのだろう。意表を突く結末には心が揺さぶられた…
 悲しすぎる選択だったけど、主人公の正義を受け入れよう!

きっとみんなの中にも宿る。青の炎

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2025年12月27日

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ネタバレ

巻末の解説にもある様に本作は倒叙推理小説である。ブクロブの過去評価を一瞥しても自分は倒叙推理が好きなのだと思う。確かに刑事コロンボや古畑任三郎を好んで良く見てました。
主人公の秀一ほど物事が明快に分析、理解出来ないがその才覚など拓也は羨ましかったと思います。プリッツやスティンガー凄い作戦名!
しかしこんな天才もプリッツ後の血圧計を見逃すなど伏線沢山あり、山本警部補との心理戦もハラハラしながら読みました。
紀子みたいな恋人も羨ましい。鍵を託しても半年経ったら貸私書箱開いちゃうんじゃ?などと考えながら右にハンドル切った後どうなったのか。考えさせられます。

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2025年10月06日

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ネタバレ

クズ親父から家族を守るために殺して、それを強請られたからかつての友人も殺して……最後には自分の犯行がバレると家族に迷惑がかかるからと自ら命を断ってしまった。だったら、どうしたらよかったんだよ?!としか言えない終わり方。
主人公:秀一が死ぬ前学校で紀子と言葉を交わすシーン。紀子は秀一への恋心から異変に気付いたり邪魔だとも思ったけど、柊一が殺人を犯したことを知っても嘘の証言をしてくれると言って泣いてくれたいい子だった。けれど、彼女が信じたから秀一が家族を守るために自殺に踏み切ったとも言える。
自殺する日、「お兄ちゃん、お昼には帰ってくるんだよね?」「ああ、昼飯はみんな一緒に食べよう」という妹との会話が最後になった、何気ない会話の悲しいシーン。
父親が諸悪の根源なのに、仲の良い妹も母もかわいそうで……。
クズを殺したのにこんなに報われないのかと、後味の悪く悲しい話だった。どう考えても秀一は悪くないだろ。本当はお前みたいなやつが生きるべきだった。
来世は幸せになれ。ちゃんと報われて幸せになってくれ。

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2026年04月08日

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ネタバレ

1日で読破
ノンストップの面白さがあった 最高!
いわゆるミステリーのどんでん返しはなかったが
犯人が主観の作品はあまり読んだことがなかった
古畑任三郎以来かも笑

曾根を殺すまでがピークかな
いつどうやって実行に移すのかを考えながら読むのが楽しかった
高校2年生でこのトリックは凄すぎる
親友だった拓也は殺さないと思ってた
上手く丸め込むのかなーと

この作品、曾根と拓也以外、基本的に良い人ばかりなんだよね。故に、エンディング後のことを考えてしまうと‥遥香には幸せになって貰いたい

ラスト、自殺という形で幕をひいたのは意外だった
家族を守る為という信念から考えれば納得はできたけど
通して読んで思い浮かんだのは、コードギアスのルルーシュ

⚫︎最近、刑事事件をみて思ったこと
衝動的な犯行よりも、計画的な犯行のほうが罪が重い。明確な殺意があるから罪として重くなる。←確かにそうかもしれない
自殺しようとして結果的に赤の他人を数人巻き込んで殺すことと、強盗殺人を犯し衝動的に1人殺すこと。判決は強盗殺人の方が遥かに重い刑となった。被告人の態度も考慮されているが、少し納得いかない部分は確かにある
事実と感情論と刑罰の重さ。直近のことだったので、読みながら少し思うところがあった。

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2026年02月25日

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ネタバレ

『黒い家』があまりに怖かったので遠ざけていた作家だが、本作の評判から実はずっと読みたかった。
愛する家族を地獄に突き落とす曾根を警察も誰も守ってくれない。ならば、自分で殺すと決意した秀一。怒りは最も熱い青の炎と化した。
孤独な完全犯罪と孤独な終わり。ただ家族を守りたかった。

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2026年02月06日

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ネタバレ

3.5
途中まで紀子うぜぇぇぇぇだったけど、最後はうるっときた。大門...ゲイツ......泣
一番かわいそうなのは友子だなあ。自分の煮え切らない対応が息子を殺人に走らせた上、死なせてしまったのだから。
一児の母としてつらい作品でした。

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2026年04月06日

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ネタバレ

高校生の秀一は離婚後も家に居座り続ける曽根から、母と妹を守るために、完全犯罪を企てる。『新世界より』から気になっていた貴志さんの作品。被害者でもあり加害者でもある秀一の不安定な心情が痛々しかった。秀一は家族を守りたい一心で犯行に及んだわけで、曽根は誰がどう見ても必要とされていない人間。紀子との距離感も、結末も、切ない。

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2026年03月24日

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ネタバレ

由比ヶ浜にある高校生、秀一が交通事故で亡くなった後に母親が選んだ義父のせいで運命の歯車が壊されてしまう話。でも義父はガンだったり、妹が義父側の連れ子だったりと普通じゃありえないような環境で、本当にこんなことがあるんだろうかという思いと、犯罪者側の視点で描かれた物語に惹かれた。途中の恋の描写や謎のお酒好きが高校生活のイメージしにくさがあったが、尋常じゃない精神状況が思わされて、さすが黒い家の貴志祐介さんだと感じた。

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2026年02月26日

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ネタバレ

怒りについての対比がおもしろい。
赤の炎は突発的で温度が低い怒り。殺人で言えば衝動的。量刑も軽い。
対して青の炎は内側でたぎる凄まじい怒り。計画的殺人がこれにあたる。殺人の計画を立てる過程で何度も正気に戻る瞬間はあるだろうが、それでも実行に向かえる確固たる意志。
本主人公は、貴志祐介の他作品で描かれるようなサイコキラーではなく、ごく普通の感覚を持っている高校生のように見える。それでも殺人に漕ぎ出そうとする強い復讐心も際立っていたし、『山月記』の虎に準えて人殺しになってしまった自身への嘆きもひしひしと伝わってきてよかった。

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2026年01月05日

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