【感想・ネタバレ】新しい市場のつくりかたのレビュー

あらすじ

戦いのフィールドを変えよう!
先の見えない日本企業。技術やスペック競争、値引き合戦で疲弊してしまっている。ここから脱却するには、戦いのフィールドを新しく変えて、「新しい市場」をつくらなければならない。
今までは「技術=ものづくり」に傾斜した、いわば「文明」重視の議論が多かったが、ここでの提案は「文化」の創造にある。顧客のニーズは大切だが、それだけでは成り立たない。問題を発見し、これまでにないライフスタイルを提案して、市場を作る。そして、次世代のための幸せな社会を作っていく。その可能性は、さまざまな条件に恵まれている大企業だけでなく、町の中小企業にもあふれている。
本書では、経営学の研究者として、主としてものづくりの現場を歩き、新市場の創造に成功した企業を多く見てきた著者が、経営学をベースに新しいビジネスの戦い方、企画発想のヒントを説いたものである。
古今東西の「余談」と取材で稼いだ事例をベースに、抽象的な経営学の議論をわかりやすく伝える。話し口調の奔放な筆致、数字や横文字は入れない。350ページを超えるボリュームながら、前提知識なしでも一気に読める面白さ。ビジネスのヒントが詰まった、気鋭の経営学者による、日本発の新しい経営書がここにある。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2021年。コロナ禍で生活スタイルが一変した現在に読む。2012年には書かれた本であったが再認識させられることが多かった。

・軍事用のジャイロをクルーズ船に活用出来た
・日本の大企業は失敗を恐れて技術は発展するが製品化のチャレンジが出来ない

これら提示されている事を見事解決してビジネスにしたのがmakuakeで、それが今大活況だ。(途中)

特に印象に残ったのは
・(株)フットマーク:水泳帽がなぜ全国の学校で使用されているか?
・フットマーク社が「介護」という言葉を作った
・ハーレダビッドソンが日本の高速道路で二輪車が走れるように法律を改めさせた

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2021年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

職場の上司に勧められて読んだ本。
わかりやすくて2時間程度でざっと読めた。

かつて大成功を収めた大企業にありがちな、「高度な技術をどうお客様に売っていくか」という考えを否定している。
商品の価値を創造するには、生活文化、価値観からまるごと開発することが必要。

すでに取り上げられている課題に対してどう解決するかを考えている時点でだめなんだ。誰も気づいていない、潜んでいる課題を見つける。そのためには、「ここが不便だな、もっとこうなればいいのに」という感情を大切にする。

「どんな技術が有ればいいか」よりは、「どんな暮らしをしたいか、どんな世の中になって欲しいか」を考えることが新しい市場を作ることにつながる。

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2020年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

某対談記事で作者のお話がとても面白くて読んでみた。
長かった。タイトルほど硬い本でもなく、読みやすいのだけど、やはり興味がない分野で、自分の仕事にも直接生きるわけでもないからかな。
でもドキリとする箇所がいろいろあって、読んで良かった。日常の目線か変わるかも。
水泳帽の話と前世のカルマと考えて介護医療用品の改革が遅れるという話が面白かった。

市場が創造されるのは、生活をこんなふうに変化させたいという文化の話。

市場で流通するどんな商品も、それは誰かの幸せを実現するということが前提。

商品の価値ルーツを真っ向から考えようとすると、どうしても話が宗教論に似通ってきます。何に価値を認めるか、という基準を突き詰めると、そこには科学とか技術とかを越えた人間の観念、まさに価値判断についての議論にならざるをえない。

それを問題と思う意識自体が人間による発明なのです。つまり、問題とは発明されるべき対象です。いつかどこかの誰かがそれを問題として設定しなければ、いつまで経ってもその問題は世界のどこにも存在しない。

生活という行為自体が一つのものづくり、製品開発であるわけです。言ってしまえば、消費することというのも「ヒトの暮らしよう」、あるいは「生態という製品」の開発行為である。

どういう世界が望ましくて、自分はそれにどうやって今の世界を近づけていきたいのか、そのために自分は何をしていくのか、そのツールとしてどんな商品を自分は開発するのか、という意識なくして何かしらの新しい価値を創造できるものでしょうか。

知らない人と最後に仲良くなったのはいつですか?

希望とはあるとは言えないし、ないとも言えない。それは道のようなものである。地上にもともと道はない。歩く人が多くなれば、それが道なのだ。(魯迅「故郷」)

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2014年01月29日

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