【感想・ネタバレ】2050 老人大国の現実 超高齢化・人口減少社会での社会システムデザインを考えるのレビュー

あらすじ

2050年には貧困高齢者が1000万人を超える。「持続的な成長」はもうありえない――。
2025年には団塊の世代が、2050年には団塊ジュニア世代が後期高齢期(75歳以上)に入り終える。このままでは、実質GDPは現在より4割落ち込み、国税収入のほとんどを貧しい高齢者の生活保護で使い切るようになる。国家の役割を限定し、国が提供するサービス、国家と個人の関係を見直さなければ、社会保障制度の破綻は避けられない。
本書では「経済成長すれば何とかなる」といった根拠のない楽観論を排するとともに、「経済成長が期待できない超高齢化・人口減少社会のもとではどのような社会保障システムが新たに構築可能であるのか」を大胆に提言する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

強烈な本です。

 年金問題を取り上げた記事はよく見かけますが、この本では、超高齢化・人口減少社会となる日本がどのような姿になるかを予想します。節目でいうと、団塊の世代が後期高齢者になる2030年、団塊ジュニアが後期高齢者になる2050年(老齢者割合のピーク)、人口構成が安定する2080年。

 1.年金 受給年齢を75歳に引き上げても現在ある積立金は2030年、早ければ2020年代後半には枯渇する。

 2.介護保険 現状でも半額は国と地方公共団体が負担しているが老齢者の絶対数の増加により現在の公的部門の負担額は7.9兆円から19兆円まで増加。

 3.生活保護 このあと、資産形成できずに老齢を迎える層が激増する。老齢貧困層は1000万人に迫ると思われ、生活保護給付だけで現在の3兆円から20兆円まで増加する。

 4.医療保険 自己負担が最も軽く、一番医療費を使う後期高齢者が激増することから政府見通しですら、2010年の29兆円から2030年には41兆円に国庫負担が増える見込み。

 これらをすべて消費税や、それぞれの保険料率引上げで帳尻を合わせるのは不可能。

 今でも国の予算の半分に満たない税収は、2050年にGDPが今の60%に落ちることを考えれば年20兆円がせいぜい。とにかく財源がない。

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2013年01月08日

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