あらすじ
他の星から流れ着いた《妖精》は従順で遠慮深く、なぐさめ上手でほめ上手、ペットとしては最適だった。半官半民の配給会社もでき、たちまち普及した。しかし、会社がその使命を終え、社史編集の仕事を残すだけとなった時、過去の記録を調べていた老社員の頭を一つの疑念がよぎった……諷刺と戦慄の表題作など、ショート・ショートの傑作35編を収録した夢と笑いの楽しい宝石箱。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
福の神
暗示
アフターサービス
沈滞の時代
ある戦い
おみやげを持って
指導
おそるべき事態
夏の夜
三角関係
マッチ
妖精配給会社
恋がたき
作るべきか
ハナ研究所
ひとつの装置
宝船
銀色のボンベ
遠大な計画
逃走
すばらしい星
分工場
ごきげん保険
責任者
遺品
春の寓話
輸送中
幸運への作戦
友だち
豪華な生活
宇宙の関所
求人難
ボタン星からの贈り物
天使と勲章
終末の日
Posted by ブクログ
妖精配給会社…自分に甘い言葉ばかりかけてくる妖精はスマホのFacebookやInstagram等の「いいね」に近い点があり、ゾッとする。
「自分」のみに意識を集中してしまうと世界は崩壊してしまうと当時から警鐘を鳴らしていた星氏は本当にすごい。
Posted by ブクログ
1つ1つの話がすごく短く読みやすいのに、どれも印象に残るお話ばかりで、読み応えがありました。
宇宙や近未来のお話が多く、想像が膨らんで面白いです。
バッドエンドはほぼありませんが、少しモヤッとした感情が残るところも、余韻に浸れて良きです。
「ひとつの装置」、「銀色のボンベ」、「遺品」が特にお気に入りです。
Posted by ブクログ
“ショートショートの神様”と言われる星さん。小中学生の頃、その読みやすさからよく読んでいた。近未来的な世界観の中でクスッと笑えるようなブラックユーモアや諷刺の効いた作品が多いけれど、一番記憶に残っているのが「ひとつの装置」。久々に読みたくなって再読。
ある高名な博士が巨額の国家予算と私財のすべてを投げ打って作ったひとつの装置。中央にあるボタンを押すと胴体についた一本の腕が動きボタンを元に戻す、ただそれだけ。博士曰く何もしないけれど人間的な装置だという。
ネタバレになってしまうけれど、この装置は、核ミサイルを伴う戦争によって人類が滅亡する可能性を危惧した博士が、その葬送のためだけに作ったもの。
初めて読んだのは多分小学校高学年の頃。そのラストに子どもながら衝撃を受けた覚えがある。
ここ最近毎日報じられるロシアによるウクライナ侵攻のニュース。核兵器の使用も取り沙汰される今、その”押すべからざるボタン”が押されないことを心から願う
Posted by ブクログ
【見えなくても、確かにあるもの】
僕らには見えないものがある。
たとえば、細菌などは肉眼で見て取る事はできない。
僕らには聞こえないものがある。
犬や鳥だけが感じられる音がこの日常には溢れている。
僕らには見る事が許されてない、花や、星や、生き物などが沢山あるんだろう。
そのあるけど見えないものに実は僕らは大きな影響を受けて生きているのかもしれない。
星さんの本には見えない星がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。
見えなくても、確かに感じられるはずだ。