【感想・ネタバレ】最高裁に告ぐのレビュー

あらすじ

ツイッターを止めるか,裁判官を辞めるか──SNS上での投稿が原因で,異例の「分限裁判」の当事者となった現職判事は,何を考え,何と闘っていたのか? 続出する不可思議な判決,ずさんな手続,自信のない判事の増加……自らの体験を機に,時代に逆行する裁判所に警鐘を鳴らし,司法の未来を問いかける.渾身の書き下ろし.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は東京高裁判事の職にあった著者が、最高裁の分限裁判で戒告処分を受けるまでの事情を第1・2部で、最高裁の変貌や組織防衛に走る現状に対する危機感を第3・4部で記述されている。
裁判官の独立ないし表現の自由が尊重されるべきことは論を待たないが、元来民主的コントロールの及びにくい裁判官に対する信頼を白ブリーフ判事と呼ばれることで庶民目線と同じだなどと錯覚する幼稚さは気持ち悪い。
芸人が裸になることで笑いを取ろうとするのは職業であって(好きな芸風ではないが)裁判官が同様な芸風をアピールするのはフォロワー数を増やすためかもしれないが、どうも勘違いしているとしか思えない。
またツイッターでの裁判に関する記事も正直単なる思い付き(所詮ツイッターとはそう言うものだと思うが)を載せたにすぎないが、正直言って取り上げるほどの事件かと思うし、戒告処分にするのもやりすぎとも思う。
数少ない分限裁判の一方当事者の言い分をよく岩波書店が出版したものだなと感心した。
これ以降の分限裁判や弾劾裁判も決着したことから本作の続編を期待したい。

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2024年05月26日

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