あらすじ
二つの暗殺組織の衝突に巻き込まれた中学生、高塚永児と小松喜多見。一度はその追撃を逃れた二人に、再び執拗な組織の捜索が迫る。送り込まれた凄腕の暗殺者「字」から、二人が生き延びる方法はただひとつ。自らの命を狙う同級生と手を組むこと――。謎に満ちた物語の中に、リアルで切ない中学生の殺し屋たちを描く傑作エンターテインメント!
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Posted by ブクログ
面白い!!
時々寝食を忘れて読み耽る本に出会うけれど、この本はまさしくそれ。
ギョッとするような惨い描写もあるのですが、
嬉々として読み進めてしまう自分が恐ろしくなってきた…(笑)
1巻では謎が多かった「孤児院」や「塾」の様子が少しずつ見えてきました。
あまりにも現実離れした世界。そしておそらく想像以上に恐ろしい世界。
彼らは一体何で繋がっているんだろう。愛情?信頼?それとも力?
阿坂、会長等主人公をとりまくキャラも、皆一癖も二癖もありますね~。
表と裏の顔を使い分ける二人。そして自覚はないながらも永児も…?
彼がいつ覚醒するのかと、ドキドキしっぱなしです。
続きが早く読みたい!!
Posted by ブクログ
容赦ねえ。高塚くんと喜多見さんの初々しい交流やまさかのお母さん快復フラグに和んでたら何この逃げ場のない死亡フラグ。もう手遅れですって描写されててコレ次巻お葬式から始まってたら立ち直れないんですけど主にお母さんが!!
心の支えがいっぺんになくなった高塚くんが阿坂と院をぶっ潰すとかは……ないな! 向山さんがそんな安直な展開をするはずがないな! 次巻はきっと解毒剤を求めて戦う話だよね俺信じてる!!
まあ高塚くんの強みの一つはあくまで学校がテリトリーなことなので、学校で刺客を撃退するってセオリーは(少なくとも最終巻くらいまでは)続くと思うんだけど。阿坂さんがふつーにデレててときめいた(おい)。アズミちゃんも好きそうな雰囲気で、次巻ふつうに阿坂か会長に殺されそうで怖い(さめざめ)
シスターの描写に惚れ惚れ。会わないでいる間は怖いんだけど、実際会うととっても優しい感じがするって一番怖い人物描写だと思う。ラスボスの風格ばっちりで対決が今から楽しみです。
繰り返しになりますが、次巻冒頭からお葬式とか始まりませんよーに!!(祈り)
Posted by ブクログ
まだ物語は完結していません。2巻の舞台が「第22回市内中学合唱コンクール」です。
この物語は、二つの暗殺組織の衝突に巻き込まれた中学生の話です。
巻き込まれたのは、五倉山中学校の3年6組の高塚永児と小松喜多見。一方、巻き込んだ組織の殺し屋も、十代です。孤児の身の上になったばかりに、歴史の狭間で暗殺を請け負ってきた極秘組織に、凄腕の殺し屋として育てられてしまいました。その殺し屋たちも、五倉山中学に転校してきます。
高塚永児は、いつも頭に寝癖が残ってる普通の中3男子です。隣りの席の小松喜多見に、片想い中。喜多見を守りたくて、永児は、人を殺してしまいます。何人も。その度に、心の中に黒い水がひたひたと湧きあがってきます。自分は心のスイッチを切ってしまって、もうとっくに頭の中がおかしくなってしまっているのかもしれないと、どうにかなりそうです。でも喜多美を守りたくて。守るには殺すしかない凄絶な死闘で。
一面が黒い水で覆われる中、何かに助けを求めたくて。でも何にもなくて。どこを見てもいやなことばかり、救いのないことばかり。真っ暗で。お前に喜多見を好きになる資格なんてない。どうせ喜多見も殺される。みんな死ぬんだ。生きてるものはみんな死ぬんだ。だったら、おまえも死んじゃえよ。心が凍えそうになったとき、ほんのささやかなものが小さな光になりました。友達が書いた笑える絵や、友達と飲んだジュース、みんなと歌った歌。どれも全部、ほたるみたいに小さな光で。でも、その小さな光が、闇の中の小さなほたるの群れになって、永児は、救われます。
喜多美も苦しくて。自分を守るために、高塚くんが人を殺した。「来るな」って叫んで人を殺した。自分を守るために、あんな姿になった。
殺し屋たちは十代ですが、そのためだけに育てられた生粋の殺し屋です。そこになんの疑いも持ってない、はずだったのですが、五倉山中学校にいるうちに、色んな感情が、自分ではコントロールできないわけのわからない気持ちが、芽吹いて、止まらなくなってきます。殺さなければ自分が始末されるのに、そんなの馬鹿みたいなはずなのに。その気持ちをなんと呼べばいいのかもわからないまま、います。
こんな合唱コンクールは、有り得ないけれど、合唱コンクールでしか生まれない様々な気持ちが、ものすごくリアルに物語の中にあって、ぐいぐいひきこまれていきます。