あらすじ
3月11日14時46分。地震発生後、私は官邸地下の危機管理センターへ直行した。被災者救助に各方面が動き出す中、「福島第一原発、冷却機能停止」の報せが届く。その後、事故は拡大の一途をたどった。――このままでは国が崩壊する。いつしか私は、原子炉すべてが制御不能に陥り、首都圏を含む東日本の数千万人が避難する最悪のシミュレーションをしていた……。原発の有事に対応できない法制度、日本の構造的な諸問題が表面化する中、首相として何をどう決断したか。最高責任者の苦悩と覚悟を綴った歴史的証言。
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[総理の言]未曾有の被害を引き起こした東日本大震災とそれに伴う福島原発問題の対応に当たった元首相が、当時の動きを回想した一冊です。また、脱原発を始めとする原子力、エネルギー政策に対する見解についても筆が及んでいます。著者は、第94代内閣総理大臣の菅直人。
福島原発問題の対応に当たって、当時の総理の問題意識が那辺にあったのかがわかり興味深い。いわゆる「理系総理」ならではの着眼点があったことを本書により知るだけでも、事故対応の際に管氏が首相の座にあったというのは、それだけで何かしらを意味するものであると再認識させられます。原子力政策に関する管氏の主張は既に多く出回っていますが、本書を読むとどのようにしてその主張に至ったかを知ることができ、その点も興味深かったです。
とある福島原発事故関連の書籍の中で、管首相は対応を平時モードから有事モードにしたという指摘があったのですが、管氏がまさに震災及び事故の発生時点から有事モードに入っていたことがわかります。また、その有事モードの中で、下記のように首相権限について無制限とも言える考え方を有していたというのは、いわゆる管氏が「市民政治家」と呼ばれていたことを思うと正直驚かされました。
〜異例ではあるが、国の危機とも言うべき緊急事態が発生した時には、総理大臣はあらゆる権限を行使し、危機回避に全力を挙げるべき責任を負っていると私は考える。〜
それにしても管氏が繰り返し述べることになる「外国から侵略される」という考え方は、どのようにして想起されるに至ったのだろう☆5つ
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時の総理大臣の証言。
事故直後の混乱の中、収束に向けて緊迫した状況が伝わってくる。
それにしても、加藤紘一氏の仲介が実って、谷垣総裁とのサシの会談が行われていたら、入閣での協力もありえたかと思うと、残念でならない。さぞや、その後の無益な政局は煩わしかっただろうと思う。
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ご本人の弁明や都合のいい解釈が含まれているでしょうから、割り引いて見なければいけないところがあるものの、当時の首相が記録に残すこと自体は一定の評価をしたいです。
現在の日本の危機管理体制の問題点が浮かび上がっていて、その点は大変興味深かったです。分厚い報告書はちょっと読み辛いという方は、まずこの本を手がかりにしてみるのもいいかもしれません。
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3.11東日本大震災時に首相だった菅直人の直筆本です。特に地震発生時から一週間は内閣のバタバタした状況や東電とのやり取りも「事実」として臨場感たっぷりに描かれていて(言い訳じみた表現も多々ありますが…)物凄く引き込まれました。一国家の最高責任者としての行動、考えに触れられる一冊です。原発再稼働問題についても色々考えされられました。
また、決死の覚悟で支援にあたられた自衛隊、警察、消防士の皆さまや、ライフラインの寸断された中で尽力された地方公共団体の職員の皆さまには同じ公務員として敬意を表します。
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震災当時は受け身で報道を見ていたが、当時の総理大臣が何を考えて動いていたかがほんの少しだけでも垣間見れる書籍。
事故の当事者意識の有無と、原発推進是非。
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2020/12/28
コロナ戦争の2020年
振り返ると、安倍・菅自民党政権は管政権以下だった
危機に直面して初めて真価がわかる
逃げずに、国民を守る管直人首相が遙かに偉大
最長政権の安倍首相は現地に全く顔を見せず
自分の意見も表さず
途中で逃げた
2020/12/17菅直人
福島原発事故 総理大臣として
最悪のシナリオ メルトダウン
半径250キロの避難 5千万人日本沈没
覚悟
時間が解決はない
撤退の選択肢はあり得ない
もはや戦争
原発の本当のコストは?
ダメ総理の烙印を押されてしまった
理系総理として一定の基礎知識はあるが、
組織能力が不十分だった
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信任を失って退陣した首相の回顧録がこんなに早い時期に出版され、一般の人が読むことができるとは、良い社会だと思います。本人の主観による記述であるにしても、充分に歴史的な史料になりえるものですから、あとは我々がそこから何を学び取るか、おきてしまった事故に対して、せめて教訓となって後世に活かし、二度と同じ過ちを繰り返さないことを願います。
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福島原発事故に対する総理大臣としての対応を時系列的にまとめたもの。一人の目で見たこと、感じたことが書かれているので、自分を弁護するような文面も見られるけど、当時の緊迫感はよく伝わってきた。”命を懸けて”とか”必死に”という言葉が頻繁に出てくるが、これほどあてはまる場面もないと思う。東京から、テレビを見ていただけの私でも、大震災からの1週間はホントに怖かったし、日本がつぶれるのではないかと感じていた。おそらく戦後最大の日本の危機の中、かなりの幸運があったとはいえ、なんとか日本を守ってくれた(と、私は思う。)菅さんに、ご苦労様と言いたい。
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管元首相の回顧録。
3.11からの動きを当事者目線で語る。
当時の様子がとても良くわかる書き方だった。
もちろん、かなりのフィルターとバイアスを通した意見と味方だろうが、管さんとしても最大限の努力は払っていたことがわかった。
特に、東電撤退、注水、ベント開放あたりはよく決断したと思う。
SPEEDIEの使用、爆発的事象という言い方、避難区域の順次拡大等、かなりの批判もあるがその裏でも政府の考えも存在していたことも理解できた。
同時にやはり、初動対応の遅れは情報系統を早くに確立できなかったこと、信頼出来るブレーンを集結させれなかったことに尽きるのかな、と思った。
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選挙の時だけ訪れる知人がやってきた、「生活の改善」を提案してきたと、信じる党の話をする。政治に無関心でないだけ、私より素敵な人だけど、「生活の改善」とは、「生活」が存在しての話だとこの本は、教えてくれる。今度の選挙には投票するよ。
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映画Fukushima 50を鑑賞後、
菅元首相サイドの視点が気になり購入。
貴重な経験を追体験させて頂ける本が
好物な私としては、かなり好み。
行動の意図や
実際の報道についての政府サイドの視点
考えが知れたことは、とても良いお気持ち。
在るべきところに専門家がいないこと、
情報伝達の不良など、
身近な所でもよくある問題に
今一度、自分の職業や普段の行動を省みる良い機会となった。
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東日本大震災発生当時、総理大臣だった菅直人さんの著作。民主党政権、取り分け菅さんは大災害の最中に感情的になり現場を混乱させたというようなイメージがあった。映画Fukushima50でも酷い描かれようだったし、菅さん視点で見た震災に興味があり本書を手に取った。
原子力事故が起きることはもともと想定されていない(政府が事故を想定しているという話になれば原発建設に障害となるため)。未曾有の事態を収束するための組織も整備されていない、政府が一民間企業に指示できることも法的に限られている。また現場の状況が目まぐるしく変化するが、その正しい情報がなかなか総理に入ってこないという中で、出来る限りの努力があったという誠実さが伝わった。
東電上層部の説明者が技術的な内容を殆ど理解しておらず苛立ったという記述があるが、それは分かる…と思った。
菅さんは、チェルノブイリ規模の放射能汚染にならずに済んだのは「運」だと振り返る。そうなのかもしれない。
これが別の総理だったら…自民党政権だったら…もっと上手くやれたのか?結果は誰でもさほど変わらないのでは無いかと感じた。
菅さんは震災以降、これまでの考えを改め「脱原発」へと方針変換したそう。事故当時の日本を背負っていた当事者だからこそ出来ることや強い思いがあるのだと思う。菅さんのイメージが少し変わった。
ひとつの物事を色々な視点から捉えることはこれからも続けていきたい、読後改めてそんな風に感じた。
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「政治家の行動についての評価は最終的には歴史に委ねるしかない」
という菅直人。
地震、津波、そして原発のメルトダウンの時の総理大臣。
その行動を、詳細に書いている。
多分、自民党の総理では、書けないだろうなと思う。
そういう意味では立派だが、「総理大臣」としてどうあるべきか?
という視点で見ていると、ふーむ。表層的すぎるような気がする。
どこが、一番大切なところか?
という戦略的な思考が、全くない。
市民運動家出身であるがゆえに「現場主義」をいうが、
どこが、クリチカルポイントなのかが見えていないような気がする。
「メルトダウン」している現実を、いいごまかしている。
安全神話。「心配しないで」という姿勢を崩していない。
まぁ。どうしたらいいのか、全くわからないのだろうね。
情報が来ないので、セカンドオピニオンとして、
出身校の原子力研究者を集めるなんて、本筋が違う。
確かに、「戦争状態」であるが、深い決断ができない。
明らかに、戦争に負けているのだろう。
何が問題だったのか、きちんと総括する必要があるが、
総括しきれていない。整理能力がなく、叙述がダラダラしている。
それに、言い訳がましい。
そして、脱原発に舵をとるのが、またしても表層的。
困ったもんだ。
平成の日本の劣化を考える上で、いい題材である。
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総理大臣の視点からみた福島原発事故。想定外の事態が起きるとどういうことが起きるのか。マネージメントの点から示唆に富んでいた。
改めて原発事故は未曾有の大災害だったのだと思った。
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批判もあるけれど、復興はともかくとして、事故対応は、他の総理大臣だったらもっとまずかったのでは、と思うときもあった。しかしそれも、みな何らかの「情報」によるもので、たとえば斑目元原子力安全委員長の「証言」という「情報」にあたれば、菅氏は完全に悪者である。一方、ヘリからの放水を無駄だ、無知だ、という声もあったけど、あれを持って決意が高まった、という言い方もできる。というわけで、一面的にだけものをみてはいけない、という気持ちで読む。
あちこちに配慮しながら、という面も見え隠れするけれど、それはよしとして。最後に、野田政権が原発ゼロ政策を決定したことに触れ、1年以内にあるであろう衆院選挙は大事だ、と述べていた。結果として菅氏の脱原発はまったくの白紙になったのだけど、その前に、同じ民主党政権が引っ込めたこともわすれてはならない。
あらためて、民主党という党の実態のなさを証明してしまった一冊なのかも。
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細野さんの本と比べると、感情が伝わってこないというか原発事故の表面だけをなぞったような薄い内容のように感じました。
この本を読んで、その場その場での菅元総理の対応は間違ってなかったように見えました。しかし、ことさらその正しさを強調するわけでも、苦悩を語るわけでもないためこの本を読んでも菅さんという人がどういう人なのか結局ピンときませんでした。淡々としすぎていて、息づかいが感じられない感じ。自分で文章を書かれてるのでしょうか? 感想文でもレポートでもないような……半端な印象。もっと、あのとき何をどう感じて判断したのか、菅さんの心の内を知りたかったです。
記者会見を見てもわかることですが、あまり言葉が巧みでない、言葉が足りない方のようなので文章で気持ちを伝えるのもあまり得意ではなかったのかもしれません。
Posted by ブクログ
自己弁護的であることは否めないが、事故当時の首相である菅氏が本書を書いた意義はあると思う。驚かされるのは平和ボケし、危機管理が全く出来ていなかったこと。これは菅氏だけの責任ではなく、これまでの政権の責任が大きいと思う。
Posted by ブクログ
福島第一原発事故の時の菅さんの対応がベストだったのかは分からない。でも、やっぱりたった一回の事故で国を破滅させ、何十年も広大な範囲に立ちいる事さえできなくなるようなリスクを抱えるべきではないだろう。原発がないと本当に電力は不足するのだろうか。もし不足するとしても、むしろそれは止むを得ないのではないかという気すらする。