あらすじ
『永遠の仔』『悼む人』……感動を送り続ける著書の進化、一大エンターテインメント誕生!
ビートルズが日本を訪れてコンサートを開いた一九六六年。昭和四一年。日本の片隅で、或るおぞましい事件が起きた。私にとっては、忘れがたい……というより、いまなお当時の光景といい、匂いといい、感触といい、生々しい記憶で胸が焼かれるような想いがする事件である。加えて、あの悲しみに満ちた出来事には、表向き解決した内容――すなわち、裁判になったり、新聞記事になったりした事実とは、また別の驚くべき真相がある。たとえば被害者の数は、公表された数よりも、はるかに多かった。――「プロローグ」より
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Posted by ブクログ
ビートルズが日本を訪れた昭和41年(1996年)、平和村と改名することになった中部地方の寒村“尽忠村”で起きた連続事件。村出身の若手女優「華井乃愛(滝山さおり)」に同行した流しのギター弾きの探偵「鯨庭行也<イサニワユキヤ>」が事件の謎を解く。その裏にはさおりの父親、敗戦の日本のetc.が関わる。 作者が昭和51年(1976年)16歳秋に感銘した映画『犬神家の一族』のような、怪しく残酷でありながら美しく流麗でどこか陽性な雰囲気をイメージして書いたとのこと…なんとなく頷ける。探偵の知人?となる警視庁広報部警部補「国生良夫」が過去を語るようにして書かれているのがワトソンぽい。謎解き感は微妙だけどレトロ感が心地良いかも。
Posted by ブクログ
天童荒太先生の既刊の他の物語とは少し違う雰囲気にとまどいながらも読み進めるうちに引き込まれ、全く予測ができない展開にドキドキ。
平和村殺人事件は戦争があったから起こってしまった。現代日本人には理解することが難しい戦争に対する考え方…過去に広島の平和記念資料館に行ったことも思い出し、胸が痛くなりました。
巻末に筆者あとがきや謝辞があるのは先生方の作品に対する思いに触れることが出来るので嬉しい。
本作も天童先生の謝辞があり、また鯨庭行也の物語を読めそうなことを書かれていたので楽しみに待ってます。