【感想・ネタバレ】だいじょうぶ3組のレビュー

あらすじ

松浦西小学校に5年3組の担任としてやってきたのは、手と足がない先生、赤尾慎之介。「フツーって何だろう」「一番を目指す意味って?」――個性豊かな28人の子どもたちと赤尾先生は、幾つもの“事件”を通して、大切なことに気づいていく。三年間の教員生活から生まれた著者初の小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これは、小説なのでしょうか?

乙武くんが、小学校の先生をしていたと聞いていたので…
その時の経験を書いた本かな?と、思っていました。

読みだすと…主人公は「赤尾慎之介」
五体不満足の新任の先生が、5年3組の担任になって…
というお話。

すごく面白いですし、泣けます。
でも、小説を読んでいるような文体。
読みやすくて、一気に読んでしまいました。


中1の長女も読んでいましたね。
「感動したよね~」と、彼女に感想を聞くと…
「こんな先生いないし~」
「先生そんなにかかわらなくてもいいかな。もっと放っておいて」
「転校する子を、あんなに盛大に送ってあげないし」

そうね~去年、長女のクラスで上履き無くなる事件あったが、
解決してなかったよね…。
勉強出来る子が、水泳出来なくても、放って置かれるわね…。
大人は、こういう先生いると素敵ね~と、感動するけど…
子どもは、実体験からあまりにも、かけ離れ…
サメテしまうのかしら?
でも…熱心に読んでいたわよね、彼女。

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2020年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昨年末より、ひょんなことから乙武くんをツイッターでフォローするようになった。たぶん、大野更紗さんとの対談を読んで以来だと思う。個人的に大野さんの「困ってる人」を読んで感銘を受け、それ以来なんにもできないけど、気持ちだけは常に応援していて、その動向をやっぱりフォローしているのだが。

乙武くんに話を戻すが、彼はまさに同世代で、その存在を知ったとき、
正直ほんとに衝撃的だったのを覚えている。
(「紀子は、今」の白井のり子さんの映画を観たときくらいの衝撃。
いや、それ以上だったかも。)

わたしだけじゃないと思う。
いろんな意味ですごい人が現れたと思った。

それでも、これがわたしの性悪なところだろうが、あまりに素晴らしすぎて逆に、当時は引いた。その言動だったり、行動だったり。
だから、一応「五体不満足」も読んだはずだが、彼がどんな言葉であの本を結んでいるのかも、正直思い出せないでいる。それくらい丁寧に彼の著書も読まないでしまった。
唯一覚えているのはなぜか、彼のお母さんが、なかなか会わせてくれないわが子にようやく会わせてもらったときに、その姿を見てすぐに言い放ったというひとこと「わぁ、かわいい」なんてすごいお母さんなんだと思った。これも衝撃だったが。その件しか覚えていないなんて・・・

あれから程なくして、しばらくメディアで彼の姿を見ることがなかったが、最近またちょこちょこ姿を見るようになったのは、どうやら小説を書いたこと、それも自身が教師として3年勤めていたこと、さらにはそれが映画化になったからだということを知った。

折りしもフォローをはじめたのと同じ頃だったと思う。
若かりし頃に自分が抱いていた気持ちが変化したのは、乙武くんの毎日発信する「ことば」からだったり、そこから知ることができた活動だったり。特に彼が「保育所運営」に携わっていると知ってからは。自身も2児の父になっていたと知った以上に。

あの頃どこかで、その同世代に、あまりに「聖職者」のような心の持ち主で、わたしのような人間にはまぶしすぎるくらいだと感じていたがは、当人はというと、あの頃と何も変わらず、しかももっと成長して経験と行動を積んでいることを知ったとき、諦めず前を向き進んできた人にしかできない道を、見たような気がした。自分もある程度挫折と成長を繰り返し、その中で今どうも人生の停滞期を抜け出せずにいるからこそ、ようやく彼のすごさを心から尊敬できるのかもしれない。

そんな彼の小説の内容が、かつて形は違うけど「こども」と向き合う仕事をしていたわたしにとって、「教師」として子供たちと関わり、成長していくその物語を、映画化になるというのも後押しして、読んでみようと思ったのは、今の自分には意外だったが、これもタイミングなんだろうな。
読んでよかったし、これまたよく泣けた。こんなに泣ける話だったとは。

個人的に助手役の国分くんは、わたしもイメージぴったりだと思います。
そのイメージでずっと読み進めてしまった。

あとがきに書いてあることもわたしには印象的で、
これはあくまで「小説」。事実は決して同じような結末にはならない、という乙武くんの学校での経験が、少なからずわかるだけに、せめて物語の中ではハッピーエンドにしてくれた彼の優しさが伝わってくるようだった。
実際の教育現場は、そんなに甘くない。きれいごとだけではすまないことのほうが断然多い。でもそれは、ここに表現する必要はないものね。
わたしもそれでいいと思う。

「子供たちはあまりにも純粋で、白いものを黒だと教えたら、黒だと信じてしまいかねません。毎日ある種の怖さをもって、教壇に立っていた。だからこそ全身全霊でぶつかっていった。」というあとがきでの乙武くんのコメントが印象的なのと同時に、すごく共感できたし、ここでもやっぱり彼の人柄のよさを感じた。

数少ない乙武先生に受け持ってもらった生徒さんが、どんな影響を受けて、どんな大人になったのか、その後も個人的には知りたくなる。

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2013年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生まれつき両腕と両脚がない乙武洋匡さんの、自身の小学校教師の体験を小説にした作品。

重度障害を克服して社会参加してきた青年が、その経験を教師として子供達に伝えていくということは、とても大きな教育的効果があることだろう。
現実の教室でも、牛乳瓶のフタも開けられない先生を助けたりする中で、生徒同士お互いが苦手な部分を自然と助け合うようになったそうだ。
(もちろん、学校設備・サポートする先生・保護者の理解などが整っていたからこそ、うまく出来たのだろうけど。)

もしかしたら小説としては、典型的な学校もの感動ストーリーなのかもしれないけど、乙武さん自身の経験で書かれているということが、彼の苦労を想像させてリアリティを与え、感動の度合いを強くしてくれているのだと思う。

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2013年12月21日

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