あらすじ
松浦西小学校に5年3組の担任としてやってきたのは、手と足がない先生、赤尾慎之介。「フツーって何だろう」「一番を目指す意味って?」――個性豊かな28人の子どもたちと赤尾先生は、幾つもの“事件”を通して、大切なことに気づいていく。三年間の教員生活から生まれた著者初の小説。
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Posted by ブクログ
5年3組の担任としてやってきたのは、手と足がない先生、赤尾慎之介。ぼくも彼のような先生に出会うことができたらなと読んでいてそう思いました。
僕はこの小説を読んでいたとき、自分の小学校5年生のことを思い出していました。前にも何度か書いたことがあるので詳しいことは省きますが、このときのことを思い出すと、僕は口の中に何度となく金臭い味がしますので、正直、できることなら封印したいものなのですが…。
それはさておいて、この小説は乙武さん自身による小学校の教員体験がその土台となったもので、手足がなく、車椅子に乗った教師、赤尾慎之介と彼が受け持つ28人のクラスの生徒との心の交流を描いた本です。
ずっと読みたい読みたいとは思っていたんですけれど、延ばし延ばしになっていて、ついさっき読み終えたところです。赤尾慎之介の教師としてのやり方は決してスマートではないんですけれど、もしも、もしも僕が彼のクラスの生徒だったら、ここまでひねくれてはいなかっただろうな、なんて読んだあとに考えてしまいました。
特に、僕が読んでいて好きだった箇所は、水泳が苦手な「教授」に対して、手足のない赤尾が5メートルを泳ぐと宣言して、実際にやりきってしまうところで、自身も幼いころからプールが苦手だったと言いながら、生徒のためになりたいという一心で、泳ぎきるところが読んでいていいなぁ、なんて思ってしまいました。
僕が今後もきっと、小学校5・6年生のときの同窓会には決して顔を出さないと心に固く誓っていますけれど、できることならこんな先生に出会えたらよかったなと、少しないものねだりをしている自分もいます。そんなことを僕に思わせる小説でした。
※追記
本書は2012年10月16日、講談社より『だいじょうぶ3組 (講談社文庫)』として文庫化、同12日に新書化されました。
Posted by ブクログ
これは、小説なのでしょうか?
乙武くんが、小学校の先生をしていたと聞いていたので…
その時の経験を書いた本かな?と、思っていました。
読みだすと…主人公は「赤尾慎之介」
五体不満足の新任の先生が、5年3組の担任になって…
というお話。
すごく面白いですし、泣けます。
でも、小説を読んでいるような文体。
読みやすくて、一気に読んでしまいました。
中1の長女も読んでいましたね。
「感動したよね~」と、彼女に感想を聞くと…
「こんな先生いないし~」
「先生そんなにかかわらなくてもいいかな。もっと放っておいて」
「転校する子を、あんなに盛大に送ってあげないし」
そうね~去年、長女のクラスで上履き無くなる事件あったが、
解決してなかったよね…。
勉強出来る子が、水泳出来なくても、放って置かれるわね…。
大人は、こういう先生いると素敵ね~と、感動するけど…
子どもは、実体験からあまりにも、かけ離れ…
サメテしまうのかしら?
でも…熱心に読んでいたわよね、彼女。
Posted by ブクログ
危険です。
泣きます。
先生って会社で言えば社長みたいなので、クラスの社長。それを20代の早い段階から、尚且つ一人一人の成長を考えながらやるなんて凄い。物凄い部下に試されるのは会社も学校も変わらないんだな。まだまだ先生になるには未熟だなぁ。
Posted by ブクログ
子供に勧めたい
乙武洋匡さんの教師体験をもとにした小説
実体験をもとにしたエピソードもあるそうで、本当に学校の先生って大変そうです…。
「ナンバーワン」のエピソードは、以前からモヤモヤと感じていたことなので、読んでスッキリしました。
赤尾先生の障害も含めた「フツー」については、子供のうちにこういう事を感じることって大事。そういう意味では生徒も先生も含めたコンクルージョン教育をすすめて欲しいです。
映画化にあたっての国分さんとの対談が面白かった。
Posted by ブクログ
これはめちゃくちゃおもしろかった。文句なしで五つ星です。
乙武洋匡さんの初の小説。半分フィクション、半分ノンフィクション、というところでしょうか。
本書においては、生徒とのひとつひとつのエピソードがハッピーエンドで終わっているけど、実際に先生をやっていたときはそこまで甘いものでもなかった、と巻末の対談でおっしゃっていました。
乙武さんもそう言うている通り、この小説の物語は純粋すぎて、いい話すぎて、ちょっとありえへんやろーというように思ってしまうのですが、それでも感動してしまう。ひとにやさしくなれそう。
ほんまに、教育的な要素にあふれた作品です。映画も観たい。
Posted by ブクログ
昨年末より、ひょんなことから乙武くんをツイッターでフォローするようになった。たぶん、大野更紗さんとの対談を読んで以来だと思う。個人的に大野さんの「困ってる人」を読んで感銘を受け、それ以来なんにもできないけど、気持ちだけは常に応援していて、その動向をやっぱりフォローしているのだが。
乙武くんに話を戻すが、彼はまさに同世代で、その存在を知ったとき、
正直ほんとに衝撃的だったのを覚えている。
(「紀子は、今」の白井のり子さんの映画を観たときくらいの衝撃。
いや、それ以上だったかも。)
わたしだけじゃないと思う。
いろんな意味ですごい人が現れたと思った。
それでも、これがわたしの性悪なところだろうが、あまりに素晴らしすぎて逆に、当時は引いた。その言動だったり、行動だったり。
だから、一応「五体不満足」も読んだはずだが、彼がどんな言葉であの本を結んでいるのかも、正直思い出せないでいる。それくらい丁寧に彼の著書も読まないでしまった。
唯一覚えているのはなぜか、彼のお母さんが、なかなか会わせてくれないわが子にようやく会わせてもらったときに、その姿を見てすぐに言い放ったというひとこと「わぁ、かわいい」なんてすごいお母さんなんだと思った。これも衝撃だったが。その件しか覚えていないなんて・・・
あれから程なくして、しばらくメディアで彼の姿を見ることがなかったが、最近またちょこちょこ姿を見るようになったのは、どうやら小説を書いたこと、それも自身が教師として3年勤めていたこと、さらにはそれが映画化になったからだということを知った。
折りしもフォローをはじめたのと同じ頃だったと思う。
若かりし頃に自分が抱いていた気持ちが変化したのは、乙武くんの毎日発信する「ことば」からだったり、そこから知ることができた活動だったり。特に彼が「保育所運営」に携わっていると知ってからは。自身も2児の父になっていたと知った以上に。
あの頃どこかで、その同世代に、あまりに「聖職者」のような心の持ち主で、わたしのような人間にはまぶしすぎるくらいだと感じていたがは、当人はというと、あの頃と何も変わらず、しかももっと成長して経験と行動を積んでいることを知ったとき、諦めず前を向き進んできた人にしかできない道を、見たような気がした。自分もある程度挫折と成長を繰り返し、その中で今どうも人生の停滞期を抜け出せずにいるからこそ、ようやく彼のすごさを心から尊敬できるのかもしれない。
そんな彼の小説の内容が、かつて形は違うけど「こども」と向き合う仕事をしていたわたしにとって、「教師」として子供たちと関わり、成長していくその物語を、映画化になるというのも後押しして、読んでみようと思ったのは、今の自分には意外だったが、これもタイミングなんだろうな。
読んでよかったし、これまたよく泣けた。こんなに泣ける話だったとは。
個人的に助手役の国分くんは、わたしもイメージぴったりだと思います。
そのイメージでずっと読み進めてしまった。
あとがきに書いてあることもわたしには印象的で、
これはあくまで「小説」。事実は決して同じような結末にはならない、という乙武くんの学校での経験が、少なからずわかるだけに、せめて物語の中ではハッピーエンドにしてくれた彼の優しさが伝わってくるようだった。
実際の教育現場は、そんなに甘くない。きれいごとだけではすまないことのほうが断然多い。でもそれは、ここに表現する必要はないものね。
わたしもそれでいいと思う。
「子供たちはあまりにも純粋で、白いものを黒だと教えたら、黒だと信じてしまいかねません。毎日ある種の怖さをもって、教壇に立っていた。だからこそ全身全霊でぶつかっていった。」というあとがきでの乙武くんのコメントが印象的なのと同時に、すごく共感できたし、ここでもやっぱり彼の人柄のよさを感じた。
数少ない乙武先生に受け持ってもらった生徒さんが、どんな影響を受けて、どんな大人になったのか、その後も個人的には知りたくなる。
Posted by ブクログ
三回くらい泣かされた。
幸二が転校するところ、『フツー』とは何かをみんなで考えて向き合うところ、慎吾の複雑な気持ち、みんなで高尾山に赤尾先生を連れていこうと校長にに直談判をしにいくところ、康平の100m走…
実際自分が5年生の頃はもっとあざとくて、この本に出てくるような純真無垢な小学生ではなかった気がするし、実際どうなんだろうかと思った部分があった。
でもこの本は乙武さんの実体験に基づいて書かれているようなので、実際にあったんだろうな。
自分が小学生の時、こんな先生はひとりでもいただろうか。
あんまり覚えていないけど、当時見えていなかっただけで、担任の先生たちは色んなことに苦悩しながらクラスを持っていたんだろうなと思った。
対純粋な小学生だからこそ、先生という立場の人間は、その子達の人生に多大な影響を与える。
それが怖くて、私は塾講師のバイトすらも出来ない。こんな人間が誰かに大きな悪い影響を与えて、その子が幸せな人生を歩めなかったらどうしよう、と。
今大学の友人や知り合いで、いざとなったとき職に困らないようにと教職を取るものが多数いる。
きっと彼等なりにそれなりの志もあるとは思うが、でも赤尾先生のようにきちんと向き合えるんだろうか。
もがきながらも、そのときそのときでやってしまった!ということから目を逸らさず、歩み寄っていく覚悟があるんだろうか。
人の思いが、人を動かす。
こういう話が大好きです。ちょっと現実味に欠けるところはあったし、理想かもしれないけど、小学生相手だからこそ通じることもあるんだろうな。
Posted by ブクログ
母親からとても良かったとすすめられ読んでみました。読みやすくどんどん読めてしまうのだけど、一章一章子供たちの想いや先生の気持ちが伝わって、久しぶりにじっくり読み入りました。
みんなちがって みんないい
心に響きました。
子供が高学年になったらすすめてみようと思います。
Posted by ブクログ
『五体不満足』の著者、乙武さんによるフィクション小説となります。
実際に小学校の教師もやられていたとことで、
その実体験に基づく教育への造詣の深さも感じられる、素敵な一冊でした。
「結果的に一番になることが重要だとは思っていない。
でも、一番になろうと努力することは大事なんじゃないかな。」
子供のうちに挫折を知る必要があると、仰っています。
あくまで教育は機会の均等であって結果の均等ではないと、、おおいに同感です。
何かと問題が指摘される「ゆとり教育」の本質は、経験重視型であったとのことですが、
結果論で見れば、その「結果の均等」のみに拘泥してたのではないでしょうか。
結果に平等を求めたがゆえに、失敗が許されない、多様性を認めない、
それが故に自身の考えを涵養できないような、そんな個性のない画一化された教育。
ここまで来ると、もはや「教育」と言える内容でもないと思います。
その失敗の原因がどこにあったのか、担い手である教師の質も含めて、
きっちりとした分析がほしいところですが、、さて。
これを推し進めていた日教組のヒトビトにとっては、責任のある専門職ではなく、
ただの労働従事者でいる事ができて、楽園だったのでしょうけど、、閑話休題。
「人間は挫折をくりかえすことで学んでいく」
子供のうちに失敗を重ねて、自身の適正や興味を培っていく、
教師はその自立するまでの伴走者であって、恣意的な導き手ではない、、と思います。
なおこちらですが、小学校高学年であれば読めるように、ふりがなが多めです。
来春映画にもなるとのことで、、これは是非見に行きたいです。
Posted by ブクログ
こちらも子どもが借りた本のまた借り。
先生と生徒の話は、いつも感情が入ってしまうのでいつも温かい気持ちになりますが、これは特に。
乙武さんの実体験をベースに書かれた小説だけれど、本当にすごい。いつも明るい乙武さんだけれど、先生になられてお子様達を成長させて、本当にすごい。
ナンバーワンの話とオンリーワンの話、両方あり、また今日も元気もらえた本でした。
Posted by ブクログ
乙武さんの教員時代を小説化したもの。
ノンフィクションではないので、話がドラマチックになっている部分もあると思いますが、子供たちの純粋さに感動するシーンがいくつもありました。
みんなが笑顔の3組、というテーマが深くて。自分や仲の良い人だけでなく、みんなが笑顔になるにはどうしたらよいか?を考えるクラス。
大人の私にも響く言葉でした。
Posted by ブクログ
わざと小説にしたんですね。違う方が良かった気もしますが、これもこれで泣ける部分もあって…。本当によかったです。
私も先生のクラスになりたかった…!
と、思ってしまいました‼︎
すごく素晴らしい先生。
フツーとは何か。ナンバーワンとオンリーワン。
だいじょうぶ、と言い続けた先生。
感動です。
Posted by ブクログ
赤尾先生の一生懸命さ、生徒それぞれが成長している姿、どちらも同じように切磋琢磨しているようで、
応援したくなる。
色を名前に使ったと言うエピソードから分かるように、色んな人が居てもだいじょうぶ!!だと思える学校になって欲しい。
実際の乙武さんが担任教師となった生徒のその後を見てみたい気がしてくる。
Posted by ブクログ
これほんまにノンフィクション?!
と思わずにはいられない、実話。
生徒と真っ向から熱く向かい合うことで
乙武さんも生徒とともに成長していったんだろうなあ
映画化もされたようなので観てみたいところ
Posted by ブクログ
20130313
私が言うのもおこがましいが、小説家としてはまだまだ荒い。
でも、面白さ、文章の読みやすさは抜群!
私は乙武さんの本は好き。
小説の話に戻るが、ノンフィクションを元にしているからか、ひねりや繋がりが薄い。
あれ?ん?という感じがなかった。
乙武さんが男だからか、男児の話が多かった。
男の友情、葛藤が伝わってきた。
男児っていいな。
Posted by ブクログ
乙武氏自身の教師生活を基に描かれたおはなしで、映画化をきっかけに手にとってみた。
ひとつひとつのエピソードが心にグッときて、忘れかけてたけど、子どもには子どもの社会があるってことを思い出させてくれた。
春から二年生になる長女も、小学校に入って、どんどん自分の世界を広げて行き、色々な人間関係を築いているのを感じ、母として戸惑うことや不安もしばしば。
学校生活で感じる、楽しいこと、嬉しいこと、悔しいこと、恥ずかしいこと、悲しいこと…プラスの感情もマイナスの感情もどれも成長で欠かすことができないものだから、いっぱいいっぱい経験してほしいな。
だいじょうぶだよ。と声をかけてくれる赤尾先生みたいな先生、そして、かけがえのない仲間にどうか出会えますように。
Posted by ブクログ
乙武先生のお話。
実話をベースにした小説。
こんな先生だったらいいなって思うし
改めて障害とかについて考えるし
そして何より普通に泣ける。
この「普通」って何気なく使ってるけど
とかも考えたりする。
Posted by ブクログ
初任の時のまっすぐな気持ちを思い出しました。今の学校事情のことをしっかりと書いているので、「うんうん」とうなずきながら、読んでました。
乙武さんでなく、子どもたちに焦点をあてて書いている小説なので、一人の現役教師として共感できる部分や、涙を流す部分があって、ステキだなぁと思いました。
教師のステキな部分にスポットライトが当たった作品。この裏には、本には書けないたくさんのことを、きっと体験されたのだと思います。
一年目を思い出しました。
Posted by ブクログ
ノンフィクションにするか、フィクションにするか悩んだという。
ハッピーエンドにもっていけたんで、小説にしてよかったのかな。
実際はいいことばかりじゃなかったと思う。
五体不満足とか五体満足とかは関係ない。
この人のバイタリティには頭が下がる。
Posted by ブクログ
とっても読みやすくてあっという間に読めました。
忘れていた当たり前のことを思い出させてくれるような本でした。
読み終わる頃には5年3組の子供たちが大好きになっていました。
Posted by ブクログ
乙武さんが自身の小学校教員経験をもとに書いた小説。困ってる人がいたら助けるとか、みんなちがってみんないいとか、大人になると忘れがちな気がした。ちょうど彼自身にもいろいろあったから、レビュー荒れっぷりが凄いけど。有名人は大変だ。
Posted by ブクログ
読んでいてぐっとくるところたくさん。良いのだけど、さっくりというか、良いお話だけに文章力がもったいない感じが。でも内容はよかったし、映画もよかった。
Posted by ブクログ
乙武さんが教員をしていた時の体験を元にした半分ノンフィクションのお話し
障害の有無がきっかけになってるエピソードもあるけど
そればっかりというわけでもない
自分の障害(特徴?)を十分に理解しているところと、全く気にしていないところのバランス感覚が優れているんだろうなぁと思う
ネットではイタリアンレストランの出来事以来めっきり株を下げたけど
この人単体としてはブレない生き方をしてるのでしょう
あとがきでも書いているけど、自分の教員体験をノンフィクションとフィクションのどっちで書くかという選択肢で、フィクションを選んだのはある意味で正解と思う
事実は小説よりも奇なりとは言うけど、やはりこれ系のものはハッピーエンドで終わって欲しいと期待する部分もありますからねぇ
Posted by ブクログ
映画の前に読んでおいた。
教師の仕事は実際にこんなにうまくいくのかなぁって思う所も多々ある。
でも、子供を思う気持ち、こんな先生がいたらいいなぁ〜って思うね。
Posted by ブクログ
生まれつき両腕と両脚がない乙武洋匡さんの、自身の小学校教師の体験を小説にした作品。
重度障害を克服して社会参加してきた青年が、その経験を教師として子供達に伝えていくということは、とても大きな教育的効果があることだろう。
現実の教室でも、牛乳瓶のフタも開けられない先生を助けたりする中で、生徒同士お互いが苦手な部分を自然と助け合うようになったそうだ。
(もちろん、学校設備・サポートする先生・保護者の理解などが整っていたからこそ、うまく出来たのだろうけど。)
もしかしたら小説としては、典型的な学校もの感動ストーリーなのかもしれないけど、乙武さん自身の経験で書かれているということが、彼の苦労を想像させてリアリティを与え、感動の度合いを強くしてくれているのだと思う。