あらすじ
高校生のレッドは、キャンピングカーで友人3人、お目付け役の大学生2人と春休みの旅行に出かけていた。だが人里離れた場所で車がパンク。携帯の電波は届かない。そして何者かに狙撃され、残りのタイヤと燃料タンクを撃ち抜かれてしまう。午前零時、サイドミラーにかけられたトランシーバーで、狙撃者から連絡が。その人物は6人のうちのひとりが秘密をかかえている、命が惜しければそれを明かせと要求してきた。制限時間は夜明けまで。閉ざされた空間で展開される極限の探り合いと謎解き。『自由研究には向かない殺人』の著者の新たな傑作!/解説=大矢博子
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Posted by ブクログ
閉じ込められ系サスペンスミステリーの傑作。
アメリカサイズのでっかい(31フィート、ほぼ9.5メートルの全長て)キャンピングカーに閉じ込められた、大学生2名高校生4名、何者かにタイヤ4本とガソリンタンクをライフルで狙撃されて立往生してしまう。犯人の要求は「6人のうち誰かが持っている秘密を明かせ」
閉じ込められて、いきなり全員の疑心暗鬼に持っていかず、まずは逃げ口を徹底的に排除していくんやけど、その中でリーダー格の大学生オリヴァーの無能さと危うさを徹底的に書き上げていく。
俺も大概組織のリーダーに向いてない(会社でも趣味でもやってみたことはあるが、都度迷惑をかけてきた思い出しかないトホホ)タイプだが、そんな俺だから言うが、こいつはもう筋金入り。ようこんなキャラクター作れたなぁと、それだけでこの本読む値打ちあるぞいうくらいのクソ役。
で、このリーダーはクソなだけで絶対犯人ではないと早いうちから分かって、その後徹底的に他のみんなの安全とか謎解きとか、そういうのを邪魔してまわり、おまけに読者の謎解きまで邪魔しにかかるという無茶苦茶ぶり。
こいつのおかげで仕掛けが紛れまくって、ラストの驚きが一層際立ってくる。オリヴァーの数少ない、というか唯一の貢献やったな。
才能がないヤツはリーダーしたらアカンし、才能ない自覚がなくて自信とプライドだけがあるヤツがリーダーしてもたら、周囲に不幸しかもたらさない。ほんま気を付けないとね
Posted by ブクログ
1歩外に出たら殺されるシチュエーション、なぜか犯人に自分たちの行動が筒抜けになってる、が積み重なって追い詰められてく様子がめちゃリアルだった。
どんどん追い詰められて、精神的に参ってきて、疑心暗鬼になって、半狂乱になる人もいて、何が正解で何が間違いか分からなくなる状況。心拍数上がりまくりでずっと読んでた。
細切れで読んでたけど、絶対これは一気読みするべきだった。心拍数が収まるとスリリングさが半減しちゃう気がする。
最初はただただ脱出劇たと思ったけど、過去に対する後悔や懺悔がとめどなくでてきて、罪の意識の話だな、と思った。親が殺されたのが自分のせいだと思ってしまってる主人公、痛々しくて可哀想だった。悪いのはどう考えても犯人なのに。
頼れるリーダーだったオリヴァーが、追い詰められてどんどん独裁的になってきて、いくら追い詰められたとはいえ、イライラした。これはもう将来モラハラ男決定。人の話は聞かない、自分の考えがいつでも何でも正しいと思ってる、とりあえず怒鳴り散らかす。人の本性って怖い。
マディのすべてを知った上でレッドに寄り添う心情を考えたら泣けてくる。自分の親が親友の親を殺すなんてよく誰にも言わずに自分の心の中だけにとどめて過ごせたな、と思う。
Posted by ブクログ
感想がいきなりネタバレで申し訳ないけど、あーよかった〜ってエンド。
よかった、このエンドでよかったよ〜
なんか、読みながら小規模ながら構成が「方舟」に似てるなーって思って、途中からドキドキしてたから。
え、もしかしてこれ?ってね。
小規模な、方舟。
これはキャラクターの数だけじゃないし、場所でもない。
構成がね、コンパクト。脇見をせずにまっすぐ進むし主人公も最初から最後まで正しくひとり。
ただし、そのドッキリ度はなかなかのもの。
ジグザグジグ。
こんな感じで物語が揺れる。
最後の最後が犯人からのメールってのが、うーん。
主人公の反応が見たかったな、と思ったんだけど、それは余韻を残したってことなんだろうか。
Posted by ブクログ
面白かった。
が、前回の三部作同様重い…
これでYA(ヤングアダルト)小説とは。
予想しつつ読み進めていて、役割ごとに目星をつけてた人物は当たってたけど、予想外なとこもあったし、それぞれの人物の役割がうまくおさまってる感じがした。
とても厚い本で、正直事件が起きるまでは少し集中できなかったけど、事件が起きた後は一気読みだった。
ずっと主人公目線のリアルタイムで物語が進み、過去のシーンになったり、別地点の話は一切なし。
それがスリリングで読むのをやめられなかった。
最後、悪い奴は捕まったけど、スカッとハッピーエンド!とは思えなかった。
物語のラストとしての評価ではなく、胸糞な登場人物がどこまでもクソだったこととか、主人公と幼馴染のこの先とか、胸に重くのしかかる読後感だった。
Posted by ブクログ
キャンピングカーに閉じ込められるんだけど、結構長い間、皆冗談が言えるくらい余裕ある感じ、欧米人はこうなのか?でも途中、ついに死人が出るあたりから、シリアスな展開となって、オリヴァー劇場開幕!自分一番な奴。でも恋人からの「実は別れたかった」みたいな事言われたあたりからカッコ悪い真っしぐら!後半は彼が冷静だったらなんともなかっただろうにね。好きな一節「オリヴァーが一歩近づいてきたので、すかさずレッドも距離を詰めた。もうどうでもいい、ふたりとも正気を失っているんだから、こんなダンスくらいどうってことない」最高!
Posted by ブクログ
夜明けまでに誰かがを読み終えてまず強く感じたのは、この作品が単なるサスペンスの枠に収まらない、人間の内面に鋭く切り込む物語であるということだ。極限状況に置かれた若者たちの心理が丁寧かつ容赦なく描かれ、読者はその息苦しさと緊張感を追体験することになる。
とりわけ印象的なのは、オリヴァーという存在だ。物語の中では重要な役割を担いながらも、「もし現実にこんな人物が身近にいたら」と想像すると、思わず身構えてしまうような不穏さと危うさを内包している。その言動や価値観は、決して理解不能ではないからこそ余計に恐ろしい。誰の中にも潜みうる歪みや弱さを象徴しているようであり、読後にも強い余韻を残す。
しかし、そうした“嫌悪感すら伴うリアリティ”こそが、本作の大きな魅力でもある。登場人物たちは決して理想化された存在ではなく、矛盾や利己心、恐怖に揺れ動く等身大の人間として描かれている。そのため、物語の展開一つひとつが重く、そして切実に響く。単なる犯人探しではなく、「人はどこまで他者を信じられるのか」という根源的な問いが、静かに、しかし確実に胸に迫ってくる。
また、巧みに張り巡らされた伏線と、それが収束していく終盤の構成も見事だ。緊張感を保ったまま加速していく展開は読者を一気に引き込み、気づけばページをめくる手が止まらなくなる。そして迎える結末は決して軽やかなものではないが、その苦さゆえに深い余韻と考察の余地を残してくれる。
本作は、「面白い」という一言では片付けられない、読後に長く心に残る作品である。オリヴァーのような存在に対する違和感や恐怖を抱きながらも、それを単なる拒絶で終わらせず、人間という存在そのものに思いを巡らせたくなる――そんな重厚な読書体験を与えてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
銃がある国ならではの閉じ込めサスペンス。誰もが言いたくないこと、秘密を隠して生きている。生死に関わるようなことはなくとも、後悔していること、恥ずかしいこと、トラウマ。その秘密を言わないと生きて脱出できない。でも、殺されるような秘密って?
レッドがあの後どう考えたのかやっぱり知りたいかも。
Posted by ブクログ
物語が進み出すのがかなり後になってからなので、そこに行きつくまでが長くて長くて……
何度も心が折れかけた。
主人公のレッドが何度も「この秘密だけはバレちゃいけない」っていうのがそういう理由だったのか〜と、衝撃はあったけどとにかく前置きが長すぎて気持ち半減だった。
「自由研究には〜」シリーズの方がストーリーの進むテンポは良かったと思う。
結末はなんだか後味悪いというか、一気にみんなの人生が狂ってしまったなぁというかんじ。
オリヴァーは海外作品特有の嫌な白人て感じでめちゃくちゃイライラしながら読んだけど、思わぬ結末で因果応報とはこういうことかと。
今回の件で一番しっぺ返しをくらってるなぁ。
マディとレッドの友情もどうなるのか、、
気まずいどころじゃないと思うし。
アーサーとは再会するのだろうか、、?
レッドはきっと警察には言わないと思うけど、アーサーとの関係を続けることもなさそうだなぁ。
普通に出会ってたらいい恋愛をできただろうに…
ほんと、一夜でこんなに人生が変わることがあるんだなぁ…と思わされた作品でした。