【感想・ネタバレ】「選べない」はなぜ起こる?のレビュー

あらすじ

人は今、沢山の商品から最高の1品を選びたいわけじゃない。
「選択疲れ」から解放されたいのだ。

私たちのまわりには、
モノやサービス、情報、体験、人が、大量にあふれています。

今日着る服、今夜の飲食店、サブスクでどの動画を観るか、週末どこへ行くか、誰と会うか。
比べて、迷って、後回しにして、決めきれない。
そんな「選択疲れ」が、広がっています。

だから、せっかく作った「良いもの」や「役に立つサービス」が
選ばれずにスルーされてしまう場面が、確実に増えているのです。

いま、求められているのは、
クオリティの高さよりも、「迷わず選べること」。
「これを選べば間違いない」「自分に合っている」と、すっと決められる安心感です。

本書は、元・電通プランナーとして生活者の“選ぶ瞬間”を分析し続けてきた著者が、
これまでの知見を凝縮した1冊。
商品やサービスはもちろん、誰とつながるか・どう関わるかといった人間関係も含め、
私たちが「なぜ選べなくなっているのか」を、マーケティング・心理・社会の視点からひもとき、
「どうすれば選ばれるのか」を構造的に考えます。

「あなたが明確な意思を持ち、明確な未来像を打ち出し、
失敗すら包み隠さず伝えることで、
お客さんは『これしかない』と迷いなく選ぶことができる。」

“選ばれる”とは、優れていることよりも、「決めやすくすること」なのです。

・良い商品なのに、なぜか売れない
・がんばって発信しているのに、手応えがない
・選ばれない理由がわからない

そんな違和感を抱えるマーケター、営業、企画職、クリエイター、店主、PR担当……
“選ばれる”を仕事にしている人へ。視点が変わる1冊です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

◆かつて「沢山の中から選べることは」豊かさの象徴だった。
今は物が溢れすぎている。
コンビニでお茶を選ぶとき、どれを選んでもある程度の味は保証されてるという状況なのに、ほうじ茶、麦茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、紅茶。さらにそれぞれのメーカーやブランドの違い。糖分や、添加物の有無、健康促進か、温かいか冷たいかと、判断材料が際限なく増えてきていて、選択肢が多い。お茶選ぶだけなのにその中の1つを選ぶためにどれだけ考えさせるのか。

日常の些細な選択も、人生最大の決断も、何かを選ぶとき、事前に口コミや評判をチェックするのが当たり前になった。

裏を返せば、それだけ膨大や情報を処理しなければならなくなった。徐々に「選ぶこと」が「煩わしいこと」に変わり始めている。

◆選ばれるハードル
選択肢が増え続けると、どれを選んでも満足できない気がしてしまう。「もっと良い選択肢があるのでは?」という後悔が生まれやすい。

◆選択するときの思考
人々は沢山の選択肢の中から最高の1品を選びたいわけではない。「選ぶストレス」から解放されたいのだ。

◆現代のマーケティング
最大の脅威は同業他社ではなく「情報競合」だ。世界で生成、取得、複製、消費されるデータを比較すると、2010年から2020年にかけて32倍に増加している。

消費者は日々凄まじいほどの情報を吟味し、選択しなくてはいけなくなった。

そんな情報の海から自分を見つけてもらうには目立つしかないと、あらゆる個人や企業は目立つための情報を発信してきた。

しかし、結局その情報も消費者からすると判断材料になってしまって、選択するのが億劫になってしまい、結局いつものやつを選んでしまう。

選ばれるための情報が、選ばれない原因になってしまうのだ。

◆目立ちたい奴らの中で目立つには
例えばお店のPOP。

消費者に商品を気づいて欲しいから目立つための目立つ色、赤色のPOPを作成して、所狭しと並べる。

しかしそんな赤いPOPだらけの商品棚でも、消費者は気づかずに通り過ぎてしまうのだ。

赤は単体では目立つが、赤だらけの中から1つだけを見つけることはできない。

目立つためには、競合他社ではない、他の情報が何を発信しているかを相対的に見る必要がある。

本当に目立たせないなら、絶対的な赤ではない。赤の中で目立つ色、緑色をPOPにするのが正解だ。

会議では目立たなかった緑色単体も、赤の中に紛れると目立つことができる。

◆目立つとは
絶対的な特性ではなく、周囲との関係性の中で生まれる相対的な現象なのだ

◆売上を伸ばすなら選択肢を減らす
「お客さんを選ぶストレスから解放してあげること」が生存戦略となる。

「これを選べば間違いない」という安心感や「自分にはこれがあっている」という納得感を、短時間で提供できる仕組みが必要だ。

例えば、「最初はこれから」といった、入門編を用意し借りすることで検討のハードルを下げられる。

◆共感は不要
「全ての人が共感できること」というのは、大多数のあるあると言い換えられる。全ての人に好かれようとすると、エゴがなく、特筆すべき点もないありがちな物が出来上がってしまう。

例えば、町の小さな書店が「本で一人一人の明日が輝く」とビジョンを設定したとき、これはビッグワードのオンパレードだ。誰がこの言葉を見て「自分のことだ」と思うだろうか。広い範囲に目の広い網を投げたら、確かに見てもらう人は増えるだろうが、そんな網に誰も引っかからない。

それよりも「本で女性ならではなのモヤモヤをスッキリさせる」や「本をきっかけに起業する人が地域から年間100人生まれる」などと表現した方が「実現したい未来像」として明確で、応援してくれる人は増えるだろう。

万人の共感はいらない。狭い範囲でも目が細かい網ならば刺さった人は応援してくれる。

◆失敗は資産
現代では「他人によく思われたいから失敗を隠す」のではなく「他人によく思われたいから失敗を晒す」という発想に切り替える必要がある。

失敗の後悔は、あなたのブランドに「人間味」という強力な特性を与える。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ティッシュは店頭で目立つためにデザインされている。
店頭で目立たなければ売れない。逆を言ったのがプライベートブランド、無印。

飲食店のコンセプト化は初回訪問のきっかけとしてはいいが、飽きられやすい。
SNSで、行っていないのに行ったつもりになる。

現代では節約したいのは時間。
選択肢と判断材料のインフレーションが、選ぶ意識も変えている。

選択疲れの結果、いつもの、先延ばし、他社依存、になる。
選択肢が多いと、もっといい選択があるのでは、と不安になる。
ビジョンファーストでファンを作る。・

出会いはいまや作業になった。出会いのインフレ化。

自分にとって、納得できる選択を考える=最適解でなくてもいいと考える。違いこそが自分らしさ。
たまに外れても面白い。

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2025年11月27日

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