あらすじ
人は今、沢山の商品から最高の1品を選びたいわけじゃない。
「選択疲れ」から解放されたいのだ。
私たちのまわりには、
モノやサービス、情報、体験、人が、大量にあふれています。
今日着る服、今夜の飲食店、サブスクでどの動画を観るか、週末どこへ行くか、誰と会うか。
比べて、迷って、後回しにして、決めきれない。
そんな「選択疲れ」が、広がっています。
だから、せっかく作った「良いもの」や「役に立つサービス」が
選ばれずにスルーされてしまう場面が、確実に増えているのです。
いま、求められているのは、
クオリティの高さよりも、「迷わず選べること」。
「これを選べば間違いない」「自分に合っている」と、すっと決められる安心感です。
本書は、元・電通プランナーとして生活者の“選ぶ瞬間”を分析し続けてきた著者が、
これまでの知見を凝縮した1冊。
商品やサービスはもちろん、誰とつながるか・どう関わるかといった人間関係も含め、
私たちが「なぜ選べなくなっているのか」を、マーケティング・心理・社会の視点からひもとき、
「どうすれば選ばれるのか」を構造的に考えます。
「あなたが明確な意思を持ち、明確な未来像を打ち出し、
失敗すら包み隠さず伝えることで、
お客さんは『これしかない』と迷いなく選ぶことができる。」
“選ばれる”とは、優れていることよりも、「決めやすくすること」なのです。
・良い商品なのに、なぜか売れない
・がんばって発信しているのに、手応えがない
・選ばれない理由がわからない
そんな違和感を抱えるマーケター、営業、企画職、クリエイター、店主、PR担当……
“選ばれる”を仕事にしている人へ。視点が変わる1冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごかったです。今は選択疲れの時代だそうです。情報がありすぎたり、何が正解なんだろうと考え込んでしまったりと理由は様々ですが。だから選ばないという選択をする人も多い そうです。
そんな中で印象的だったのは、世の中の評価は低いけど 自分の評価が高いのがあたり。世の中の評価も自分の評価も高いのは当たりではなく 当たり前、という話です。特に世の中の評価は高いけど 自分の評価は低いのはハズレというのは納得です。
あと 別の本でも読みましたが 人の目は気にせず やりたいことをする、人間関係も自分で選ぶというのは そうなのかなと思いました。
Posted by ブクログ
選択肢も判断材料も一昔前に比べて大幅に増えてしまった現代の問題点がわかりやすく分析されており、仕事だけでなく日常生活においても役立つ知識を増やすことができました!
特に印象に残っているのは、最適解と納得解の違い、当たりと当たり前の違いです。
口コミや世間の評価を気にしすぎず、あえて見ないという勇気を持って、セレンディピティを引き当てられる人生にしたいです(^O^)
Posted by ブクログ
最高
今まさに自分が悩んでたことでした。
あまり難しい単語を並べてるわけでもなくて、でも内容は深くて、私の現実を再定義していただいた気分でした。
読みやすくて、イッキ読みしちゃいました。
本の中で指摘されちゃいますが、この高評価レビューを見て読むのもいいですよ♪笑
Posted by ブクログ
情報がありふれてる時代たがらこそ、自分の価値観で判断できてるだろうかと改めて考える本。欲しいもの、食べたいもの、出会う人、選択する前にネットの情報から他の人の評価を調べて、評価の高いもの選択する。ハズレも少ないが、自分の価値観も薄れてる。
時には情報を捨てて、自分の価値観と向き合って選ぶ事も大切。ハズレたって、それも楽しめばいい。
情報や選択肢が多い時代たがらこそ、何故それを選ぶのか自分の価値観を大事にする時代。
そんな事を考えた一冊
Posted by ブクログ
とても共感できる内容。選択肢が多すぎて選べなくて、結局いつもの商品を買ってしまうのは失敗したくないからなんだな。他の人の評価から離れて、自分が良いと思うものを選べるようになりたいと思う。
Posted by ブクログ
◆かつて「沢山の中から選べることは」豊かさの象徴だった。
今は物が溢れすぎている。
コンビニでお茶を選ぶとき、どれを選んでもある程度の味は保証されてるという状況なのに、ほうじ茶、麦茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、紅茶。さらにそれぞれのメーカーやブランドの違い。糖分や、添加物の有無、健康促進か、温かいか冷たいかと、判断材料が際限なく増えてきていて、選択肢が多い。お茶選ぶだけなのにその中の1つを選ぶためにどれだけ考えさせるのか。
日常の些細な選択も、人生最大の決断も、何かを選ぶとき、事前に口コミや評判をチェックするのが当たり前になった。
裏を返せば、それだけ膨大や情報を処理しなければならなくなった。徐々に「選ぶこと」が「煩わしいこと」に変わり始めている。
◆選ばれるハードル
選択肢が増え続けると、どれを選んでも満足できない気がしてしまう。「もっと良い選択肢があるのでは?」という後悔が生まれやすい。
◆選択するときの思考
人々は沢山の選択肢の中から最高の1品を選びたいわけではない。「選ぶストレス」から解放されたいのだ。
◆現代のマーケティング
最大の脅威は同業他社ではなく「情報競合」だ。世界で生成、取得、複製、消費されるデータを比較すると、2010年から2020年にかけて32倍に増加している。
消費者は日々凄まじいほどの情報を吟味し、選択しなくてはいけなくなった。
そんな情報の海から自分を見つけてもらうには目立つしかないと、あらゆる個人や企業は目立つための情報を発信してきた。
しかし、結局その情報も消費者からすると判断材料になってしまって、選択するのが億劫になってしまい、結局いつものやつを選んでしまう。
選ばれるための情報が、選ばれない原因になってしまうのだ。
◆目立ちたい奴らの中で目立つには
例えばお店のPOP。
消費者に商品を気づいて欲しいから目立つための目立つ色、赤色のPOPを作成して、所狭しと並べる。
しかしそんな赤いPOPだらけの商品棚でも、消費者は気づかずに通り過ぎてしまうのだ。
赤は単体では目立つが、赤だらけの中から1つだけを見つけることはできない。
目立つためには、競合他社ではない、他の情報が何を発信しているかを相対的に見る必要がある。
本当に目立たせないなら、絶対的な赤ではない。赤の中で目立つ色、緑色をPOPにするのが正解だ。
会議では目立たなかった緑色単体も、赤の中に紛れると目立つことができる。
◆目立つとは
絶対的な特性ではなく、周囲との関係性の中で生まれる相対的な現象なのだ
◆売上を伸ばすなら選択肢を減らす
「お客さんを選ぶストレスから解放してあげること」が生存戦略となる。
「これを選べば間違いない」という安心感や「自分にはこれがあっている」という納得感を、短時間で提供できる仕組みが必要だ。
例えば、「最初はこれから」といった、入門編を用意し借りすることで検討のハードルを下げられる。
◆共感は不要
「全ての人が共感できること」というのは、大多数のあるあると言い換えられる。全ての人に好かれようとすると、エゴがなく、特筆すべき点もないありがちな物が出来上がってしまう。
例えば、町の小さな書店が「本で一人一人の明日が輝く」とビジョンを設定したとき、これはビッグワードのオンパレードだ。誰がこの言葉を見て「自分のことだ」と思うだろうか。広い範囲に目の広い網を投げたら、確かに見てもらう人は増えるだろうが、そんな網に誰も引っかからない。
それよりも「本で女性ならではなのモヤモヤをスッキリさせる」や「本をきっかけに起業する人が地域から年間100人生まれる」などと表現した方が「実現したい未来像」として明確で、応援してくれる人は増えるだろう。
万人の共感はいらない。狭い範囲でも目が細かい網ならば刺さった人は応援してくれる。
◆失敗は資産
現代では「他人によく思われたいから失敗を隠す」のではなく「他人によく思われたいから失敗を晒す」という発想に切り替える必要がある。
失敗の後悔は、あなたのブランドに「人間味」という強力な特性を与える。
Posted by ブクログ
ティッシュは店頭で目立つためにデザインされている。
店頭で目立たなければ売れない。逆を言ったのがプライベートブランド、無印。
飲食店のコンセプト化は初回訪問のきっかけとしてはいいが、飽きられやすい。
SNSで、行っていないのに行ったつもりになる。
現代では節約したいのは時間。
選択肢と判断材料のインフレーションが、選ぶ意識も変えている。
選択疲れの結果、いつもの、先延ばし、他社依存、になる。
選択肢が多いと、もっといい選択があるのでは、と不安になる。
ビジョンファーストでファンを作る。・
出会いはいまや作業になった。出会いのインフレ化。
自分にとって、納得できる選択を考える=最適解でなくてもいいと考える。違いこそが自分らしさ。
たまに外れても面白い。
Posted by ブクログ
普段の選択であまり冒険しない自分にとって、第4章の最後の一文、「自分の意思で自分を裏切る行為が、未来の自分の選択肢を広げることにつながるだろう。」はとても刺さった。
ものやサービスを選ぶということだけでなく、人間関係に関しても言及されている。ちょうど人間関係を見直さないといけないタイミングにこれを読めたのはセレンディピティかもしれない。
Posted by ブクログ
すごく共感できる。
色々調べられるからこそ、本来メリットだった選べるが、逆に重荷になる…日常でも思い当たる節しかない。
それこそ、人とご飯に行く時に「何でもいいよ〜」というのも同じ心理だよな…と責められない気持ちになった。