あらすじ
少壮の日本人女性研究者が、ハーバード大学で日本史を大人気講座に変貌させた。歴史の授業に映画作りや「タイムトラベル」などの斬新な手法を導入。著者の熱に感化され、学生たちはいつしか「レディ・サムライ」の世界にのめり込んでいく──。「日本史は書き換えられなければならない」という強い使命感のもと東部の有名大学に乗り込み、「思い出に残る教授」賞にも選ばれた著者が記す「若き歴史学者のアメリカ」。
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Posted by ブクログ
日本人の理系出身の若い女性が2年前からハーバード大学で日本史を教え、それが人気授業に!この本は3点から興味深い。①ティーチング・アワード受賞、ベストドレッサー賞、「思い出に残る教授」選出など、著者のアメリカン・ドリームを体現したサクセス物語として痛快。②ハーバード学生による教員評価の指標がオープンなこと。③そして日本史を米国人にどのように楽しく、深く教えているかということ。著者自身が書いているように彼らにとっては日本史を学ぶことが最終目的ではなく、「日常見たこと、感じたことを表現することの練習!」という授業なのです。日本で史学を学ぶ多くの学生にとっても同じことが言えるのでは・・・。「ミリオネア」を捩ったグループ発表、過去の京都へのタイムトラベル経験記述の試験、課題が日本史の映画作成、また著者の着物姿での講義など、授業は楽しさ満喫の模様です。①Instructor Overall 総合的に見てこの先生としてどうだったか
②Effective Lecture or Presentation レクチャーやプレゼンはどうかという授業の進め方
③Accessible Outside class クラス時間以外で時間を作ってくれたか
④Generates Enthusiasm Participation 好奇心や元気を与える役割を果たしたか
⑤Facillitates Discussion & Encourages 学生に議論を促すように努力したか
⑥Gives Useful Feedback 宿題へのフィードバックの質
⑦Returns Assignments In Timely Fashion 先生が宿題の採点をして返却に要する時間が適切だったか
「思い出・・・」で卒業アルバムに書いたショートメッセージがカッコよすぎるほどです。「No proof needed; your possibilities are ∞. 証明などいらない。あなたの可能性は無限大」
「Lady Samurai」という授業名から分かるように、秀吉の妻の手紙などから武士階級の女性の考え方を考えると言う内容には納得です。米国でも「サムライ」への関心の強さは、良く伝わってきました。
Posted by ブクログ
他のハーバードの教授に比べたらはるかに若い一人の日本人女性が、受講生がもっぱら少ないのが当たり前だった日本史のクラスを独自に編み出した授業スタイルで、人気講座にまで変貌させているという事実に驚き、しかもそれをいとも簡単に、また臆することなく成し遂げてしまった著者にただただ感服。彼女こそ彼女が提唱するところのLady Samuraiなのかもしれない。