あらすじ
少壮の日本人女性研究者が、ハーバード大学で日本史を大人気講座に変貌させた。歴史の授業に映画作りや「タイムトラベル」などの斬新な手法を導入。著者の熱に感化され、学生たちはいつしか「レディ・サムライ」の世界にのめり込んでいく──。「日本史は書き換えられなければならない」という強い使命感のもと東部の有名大学に乗り込み、「思い出に残る教授」賞にも選ばれた著者が記す「若き歴史学者のアメリカ」。
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Posted by ブクログ
著者のように、海外で活躍して、素晴らしい実績を残されている方のお話は元気をもらえる。
著者自身がものすごく優秀な方だけれども、ご自身ではどうにもできない差別も経験され、苦労をされた上での成功体験の話なので、小説を読んでいるような魅力的な内容だった。
Posted by ブクログ
日本史を高校時代にただの暗記物として距離をおいてしまった自分に取って、動きのある日本史は新鮮だった。日本史の講義は概要しか書かれていないが、それでも女性を含めたサムライ史というのは視点的に面白かった。アクティブラーニングは、日本の歴史教育でも取り入れてほしいと思う。音楽とお絵かきと動きを取り入れた斬新的なティーチングスタイルは、自身の生活でも応用してみたい。
Posted by ブクログ
読みやすく、元気の出る本です!
深いのに陽気で、視野が明るく広がります。
世界史の一部として、海を越え時を越えていく日本史。
サムライ・ウーマンの香水とセットにして、誰かにプレゼントしたい!
著者の方と少しだけ言葉を交わしたことがあります。とても素敵でした。
大好きな本です。
Posted by ブクログ
ハーバード大で日本史?しかも若い女性の教授?
最初この本を手に取った時には頭の中にいくつも「?」が浮かびました。一読してみて感じることは「熱血」。工夫を続けること、新しい視点を持つことで自分の道を切り開いていくことの重要性です。
世界から俊英の集まるハーバード大学。そこでひょんなことから日本史を受け持つことになった北川さん。もともとの専攻は数学と生命科学。
日本史を教える教授の下、アルバイトで助手になったことがきっかけで疑問を持つ。「日本史の教え方はこれでいいのか?」そこから教授たちの推薦をもらい、転科したうえで大学院に通い直し、ダメ元で応募したハーバード大で中世日本史を教えることになった。
カリキュラムを考える中で、「従来の男性だけがでてくる日本史でいいのか」という発想から「Lady Samurai」というカリキュラムを思いつく。
また「Kyoto」という別のカリキュラムも作成した。信長=秀吉=家康が活躍した100年を切り取り、その時代に京都がどうのような役割を果たしたかをダイナミックに教えた。「Kyoto」のテストは、「あなたは何年の京都に行って誰にインタビューをしたいか:その時の歴史的な背景を交えて述べよ。」…面白そうな課題です。興味を持って授業を聞いた学生なら熱中してレポートを書くことでしょう。
ハーバード大は学生がひと時に取れる科目数が限られます。日本史は教養科目的な扱いですのでそれまでは受講する学生数はひと桁。それが数十人になり…3期目には250人の受講数にまで増加した、と。
大学で教える日本史など、聞いただけでつまらなさそうですが教え方、指導の仕方で全く違うアウトプットが出てきたのです。
「大学の授業を面白くするもの、それは『準備』」と北川さん。
夢中になって読み切りました。
Posted by ブクログ
大学のとき、もっとちゃんと勉強しておけばよかったと思った。もう一度、大学に行きたいと思った。子供たちが、こんな先生に出会えるといいなと思った。「白熱」感が、とてもよく伝わってきて、一気に読み終えました。
Posted by ブクログ
海外の大学で教えられる日本史は、それ自身がいわば外交官的役割をもっている、とはその通りだと思う
日本とはどんな国で、世界の人々にどんな見方をしてほしいのかを確固たるものとする為に歴史は学ぶべきだ
初めは日本史に興味を持ってもらえず履修者が少なかった授業も工夫を重ねて、抽選が必要になるほどの人気授業に
海外の人たちに日本を語る彼女もLady Samurai
Posted by ブクログ
物事は準備がすべて。そして自分が楽しむこと。
北川さんのすごいのは勉強熱心で多忙なのに複数の趣味に使う時間を惜しまないところ。自分自身が何事にも全力投球して楽しんでいるからこそそれが生徒にも伝わるのだろう。
それにしてもハーバードの学生の熱心なのにびっくり。賢いだけじゃなくてみんな個性的で好奇心旺盛なんだね。そしてこのような授業で他者との協力や個性の表現方法をどんどん学んだら鬼に金棒じゃないですか。そういう人たちが世界を作っていくエリートになるんだね。1ミリくらい見習いたいものだ…。
Posted by ブクログ
後になるほど盛り上がる内容であった。この上もない臨場感に溢れた授業手法に圧倒された。歴史に対する視点が斬新であり、学生を巻き込むことにも長けており、逸材であることが伝わって来た。ただ残念だったのは、第1章の出来であった。なぜかこの章だけは表現方法が異なっていて違和感を覚えた。編集者がもっと添削しておけば、さらに良かったのではないか。
Posted by ブクログ
大学時代は理系だったのにも関わらず、ひょうんなことからハーバード大学で日本史を教えることになった著者の一冊。
歴史論としてではなく、アメリカ大学の話としてとても面白かった。
Posted by ブクログ
カナダの大学で数学を専攻し、大学院で日本史を専攻したのち、ハーバード大で数学史と日本史を教えている日本人の女性。と、経歴を書き連ねるだけでも「異色中の異色」な存在な著者が、ハーバード大の日本史の講義で大ブレイクし、大学を代表する教員の1人として認知されるに至ったサクセス・ストーリーを記した本。SamuraiやNinjaといった、ステレオタイプな知識しか持たない学生を飽きさせることなく主体的に講義に参加させ、最終的には、特定のトピック(具体的には、「戦国大名の妻」と「京都の街の変遷史」)に関して日本人よりも遥かに深い理解を修得させる。その手法には脱帽させられるとともに、ひたすらポジティブ指向でアクティブに活動する筆者のパワーにも圧倒された。
Posted by ブクログ
日本史の中の女性、という視点から歴史を見るという発想は面白いと思いました。
自分がいかにすごいかという自慢話が大半を占めているような気もしましたが、外国の地で、おそらく現地の人にとってはあまり関心もなかっただろう日本史という授業を受け持ち、人気を博しているというのは確かにすごいことなのだと思います。
Posted by ブクログ
歴史教育をどう生かしていくのか?というヒントが隠されていると思う。たしかに、歴史物として期待した人が酷評するのはわからないでもないが、そもそもこの薄さの本に何を???と。
アクティブラーニングの手法は大学だけではなくもっと幅広く取り入れていくべきものと思う。
Posted by ブクログ
こういう人がいたんだ、という素朴な驚き。
日本人ながら英語でも思考しているというところでだいぶぶっ飛んでいる感じはあるし、日本史の捉え方も人とは違うからこそこの講座を生み出せたのだとは思うけど、単なるエンタテインメントにとどまらずにハーバードでこれだけの人気を誇るのは実力ということでしょう。
分野は違ってもこうやって活躍する人は応援したいですね。
Posted by ブクログ
日本人の理系出身の若い女性が2年前からハーバード大学で日本史を教え、それが人気授業に!この本は3点から興味深い。①ティーチング・アワード受賞、ベストドレッサー賞、「思い出に残る教授」選出など、著者のアメリカン・ドリームを体現したサクセス物語として痛快。②ハーバード学生による教員評価の指標がオープンなこと。③そして日本史を米国人にどのように楽しく、深く教えているかということ。著者自身が書いているように彼らにとっては日本史を学ぶことが最終目的ではなく、「日常見たこと、感じたことを表現することの練習!」という授業なのです。日本で史学を学ぶ多くの学生にとっても同じことが言えるのでは・・・。「ミリオネア」を捩ったグループ発表、過去の京都へのタイムトラベル経験記述の試験、課題が日本史の映画作成、また著者の着物姿での講義など、授業は楽しさ満喫の模様です。①Instructor Overall 総合的に見てこの先生としてどうだったか
②Effective Lecture or Presentation レクチャーやプレゼンはどうかという授業の進め方
③Accessible Outside class クラス時間以外で時間を作ってくれたか
④Generates Enthusiasm Participation 好奇心や元気を与える役割を果たしたか
⑤Facillitates Discussion & Encourages 学生に議論を促すように努力したか
⑥Gives Useful Feedback 宿題へのフィードバックの質
⑦Returns Assignments In Timely Fashion 先生が宿題の採点をして返却に要する時間が適切だったか
「思い出・・・」で卒業アルバムに書いたショートメッセージがカッコよすぎるほどです。「No proof needed; your possibilities are ∞. 証明などいらない。あなたの可能性は無限大」
「Lady Samurai」という授業名から分かるように、秀吉の妻の手紙などから武士階級の女性の考え方を考えると言う内容には納得です。米国でも「サムライ」への関心の強さは、良く伝わってきました。
Posted by ブクログ
大学の研究生活、勉強した日々に思い入れの強い人は読むときっと感動する。ハーバード大学のシステムがとても合理的で羨ましい。
先輩が下級生を教える。先生はあらゆる面で学生に評価される。どんどん前に出て行く姿勢は、学生の頃私に欠けていたものだ。
著者の北川さんも、自分の夢、やりたいことを強く持っていて、情熱のある人だと感じた。すごい。
研究、学問はすでにある問題の解決を目指すという点もあるが、問題提起が重要なんだと改めて感じた。
Posted by ブクログ
ずいぶん前から積読になっていた1冊。
期待以上に面白かった。
まず、天下のハーバード大学でさえ日本史講義内容のレベルの低さに驚かされる。人気の無さはクラス受講者が毎年数名レベルだったという事実からもわかるが、そんな筆者もそもそもカナダのブリティッシュ・コロンビア大学の理系大学院生だった・・そこでたまたま手伝った日本史を教える教授の勧めで日本史に進路を変更し、ハーバード大学のサマースクールで受講した「日本史、サムライ」の内容に違和感を持った作者は・・このあたりの経緯も面白い。
筆者が終始、巡り合う運命に逆らわず、それを目いっぱい楽しもうとする姿勢に好感が持てる。
本書は、「教科書で読めばわかる内容をわざわざ教室で教える意味はない」、「外国人が日本を知るきっかけとなる大学での日本史講義をもっと充実させれば、優れた民間外交の一助となる」など潜在的に教育のもつ大切な意味を改めて気づかせてくれる。
教育にかかわる人で未読の方は、新しい発見があるかも。
Posted by ブクログ
外国人に教える日本史という点では意味のある学説であり論点かなと。著者の優れているところはひとえに教育者としての面だろう。題材が日本史だっただけであり、数学だろうが生物だろうが法学であっても人気の授業になったと思う。教えるという観点では非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
この方のエネルギーには圧倒されるものがある
日本史の考え方としては、自分は必ずしも頷けるわけではないが、ハーバード大学で東アジアの国の歴史に興味をもたせ、人気のあるクラスにしたという意味で素晴らしいと思う。
Posted by ブクログ
痛快!
『歴史に、センター試験の暗記教科、就職活動には意味がない文系科目というレッテルを貼るのではなく、生活の一部として位置付けてほしい』。なぜなら、『日本人としてのアイデンティティーを作るのに日本の歴史を知ることが重要』だから。
学生の頃の日本史って、重箱の隅をつつくような問題でただひたすら暗記力を試されるような授業、試験で、本当につまらなかった。
歴史の史実である点と点がつながって線になり面となる面白さに四十路を越えてから気付いたけれど、北川先生はそれを立体的に捉えていた!!
なるほどな~とニヤニヤしながら読んでしまいました。
例えば。
北川先生が教える1542年から1642年、”この100年の中にある一定期間を選んでタイムトラベルした経験を書きなさい”…なんて楽しい問題なんでしょ!!
信長、秀吉、家康に会いたければ信長が没する1582年までに行かなければならない。そんな風に自分の中に歴史を取り込んで、自分なりに構築する作業がたまらなく楽しく思える・・そんな私にとって、読むほどに頭の中がスッキリ整理されていく、そんな爽快感を感じさせてくれる内容でした。
日本の歴史を、もっと知らねば!!
Posted by ブクログ
なんかこんなパワー溢れる人がいるんだ、とまずそのことにビックリ。その溢れるパワーが前面に出て「え、これ自慢話の本?」と思わなくもなかったけど。『Lady Samurai』の授業はそれほど興味沸かなかったけれど(それほど目新しい視点になるのかなあ?)(アメリカの大学で日本人以外の学生相手だからこそ、なんじゃないかしらん)、『KYOTO』のクラスは面白そう。しかしPCを駆使して(駆使しなければならない)今の大学生はスゴイな、とワープロがせいぜいだった時代のかつての大学生は思うのでした。
Posted by ブクログ
他のハーバードの教授に比べたらはるかに若い一人の日本人女性が、受講生がもっぱら少ないのが当たり前だった日本史のクラスを独自に編み出した授業スタイルで、人気講座にまで変貌させているという事実に驚き、しかもそれをいとも簡単に、また臆することなく成し遂げてしまった著者にただただ感服。彼女こそ彼女が提唱するところのLady Samuraiなのかもしれない。
Posted by ブクログ
著者が打ち出した「レディ・サムライ」の世界や、ハーバードの授業内容など、興味深い内容で面白かったが、この厚さの新書に全部詰めると一つ一つが物足りない感じです。
タイトル買いしてしまった私が言うのもなんですが、この内容だったらタイトルは別のものだった方が良かったと思います。
ハーバードの学生の知的好奇心の旺盛さを見ると、読んでいる方も何か勉強したくなりました。
Posted by ブクログ
通史的な日本史解釈というより、一つの単元として日本史を切り出して加工するその視点と扱い方がとても面白い。
マニアックな教授のハーバードでの「SAMURAI」講義に違和感を覚え、武力でもただ耐えるだけでもない政治への女性の関わりを示した「LADY SAMURAI」。最も変化の激しかった100年の京都の歴史を扱い、ポッドキャストから映像、映画製作まで行う「KYOTO」。
日本史は必須の教養単元でなく、それでアジアの歴史を調べるなら、中国の方が今の社会では重要度が高い。だから。
・実際、学生たちはこのクラスで、京都や他の国の古都を旅する機会に役立つ知識をたくわえて満足しているわけではありません。むしろ、日常でみたことや感じたこと、まったく新しいことを聞いた時に、それをこの日本史のクラスの時のように「自分の一部として表現できるようになること」の練習をしているようなものです。
・大学では、個々人が好きな科目を好きなだけ勉強できる。それだけに個人作業にばかり追われ、自分の優秀さをアピールすることに夢中になる。しかし、そんなことは大学を出たら出来るはずがない。他人の意見を聞いて、力を合わせて考えてみること。他人と自分の両方を信じること。それこそが社会では役立つ。だから、私は自分のクラスでは他のクラスとは違ってグループワークを課す、と説明した。
・一番上が、総合的に見てこの先生は先生としてどうだったか、の評価。2番目が、レクチャーやプレゼンがどうだったか、という授業の進め方の評価。3番目が、クラスの時間以外で先生が時間をつくってくれたかの評価。授業時間以外の学生との交流、メールの返信や教授室での会話がこの評価の対象になります。4番目が、先生が好奇心や元気を与える役割を果たしたかどうか。5番目が、先生が学生に議論を促すよう努力したか、学生の積極的な授業参加に配慮したかの評価。6番目が、先生からもらった宿題へのフィードバックの質の評価。そして一番下が、先生が宿題の採点をして返すのに要する時間が適切だったか、の評価です。先生の仕事ぶりが全般的に評価されており、先生が怠けられないように、よく考えられた質問だとおもいませんか。
・できれば読者の皆さんも京都の地図を書いてみてください。京都にお出かけになったことがある方は、初めに京都駅を起点として、京都で訪ねられたことのある場所を書き入れられたことでしょう。京都にお住まいの方は、ご自宅や学校、職場を書き入れられたと思います。このように、地図というのは、その場所が自分とどう関係するのかをあらわす媒体です。
Posted by ブクログ
Lady Samurai素晴らしい!
著者の北川智子さんに会いたい、授業を受けてみたい、と強く感じた。
No proof needed; your possibilities are ∞.
証明必要なし、あなたの可能性は無限大だ!
Posted by 読むコレ
もともと理系志望の女子大生がひょんなことから日本史を専攻し、あれよあれよとハーバード大学の日本史講師に、、。どんな授業してるのか気になるところだが、日本史の話というよりもハーバード大学の自由闊達な授業の風景が中心のお話。大学版アメリカンドリームと言ったところか、経歴が浅くとも良い授業をすればどんどん抜擢される、そういう風土は日本では真似できないんだろうなあ。
自慢と主張
本当に、自慢と主張だけの中身でした。おそらくクラスのほうはハーバード生の環境であれば面白いのでしょうが、あまり中身のある表現もなく、自分がこうしたらこうなった、ばっかりです。