あらすじ
ニート問題から財政赤字、平成不況まで、いかにももっともらしい議論がメディアを飛び交っている。じつは国民的「常識」の中にも、根拠のない“ダメ議論”が紛れ込んでいる。そうした、人をその気にさせる怪しい議論を、どのようにして見抜くか。そのための五つのチェックポイントを紹介し、実例も交えながら、ダメな議論の見抜き方を伝授する。論理思考を上手に用い、真に有用な情報を手にするための知的技法の書である。
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Posted by ブクログ
書いてあることは、すごーく真っ当であり、基本的なことです。
ここに書かれているチェックポイントを意識していれば、日々流れ込んでくるニュースや感情に任せた支離滅裂な意見、一見すると破綻してなさそうだけど実はトンデモないことを主張している意見などに惑わされずに、事実を突き止めていくことができるようにはなると思います。
ただ、主張されているポイントそのものには、目新しさを感じませんでした。それは、この本で挙げられているチェックポイントが古くなったという訳ではありません。
むしろ、ここ数年で急増した感がある「デマに惑わされないようにするには」「政府が主張するデータはどこで改竄され、政府に都合のよいように加工されているか」「発表されている事実は、本当に事実なのか」などといった論調の、様々な書籍やブログに触れてきたことで、この本で主張されていたポイントが、自分にとってはもはや「意識して身につけなければならない視点」では無くなった、ということだと思います。
逆に言うと、そういった視点からニュースや報道、政府発表などを疑う習慣を持っていない人にとっては、この本は入門としてはかなり好いのではないかとも思います。
「自分は出てきた情報を鵜呑みにする傾向があるなー」という自覚があるなら、手に取ってみる価値はあります。痩せると報道されただけでトマトジュースを買い占めるようなタイプの人なら、是非読むべきだと思う。