あらすじ
羞恥心がない、すぐキレる等近頃あぶない人が増えている。しかし、われわれの脳は、本来かなりあぶないものである。脳は働き者で精密だが、その分実に繊細で、構造も機能も、微妙なバランスの上に成り立っている。ひとつ間違えば、取り返しのつかないことも起こる。その一方で、適切に育み、うまく扱えば、人生を成功と幸福に導いてくれるものとなる。身近な話題をもとに脳科学の知見を敷衍、「あぶない脳」から浮かび上がる、武器としての脳科学。
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Posted by ブクログ
脳科学者 澤口 俊之先生の脳を身近に感じることのできる書。
もともとは「ちくま」(2000年1月号〜2001年9月号)連載の「ちょっとあぶない脳」より抜粋した17編に2編を加え,
大幅に加筆・修正し編集したもので2004年の新書。
いくつもの脳科学的知見をもとに、僕らの身の回りの様々な事象の解説を分かりやすくされているエッセー的脳科学書。
かなり不真面目に書いておられるがゆえに、読みやすく、笑いながら読める。
時には、やり過ぎというくらいな表現、木村●哉や某宗教団体をディスってたりするので、心配してしまうほど(笑)!
そして、毎度ながら自虐ネタも多い!
いたる所にアイロニー(皮肉)の効いた脳科学解説書でありながら、生活の知恵にもなるという奇書!
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【内容(「BOOK」データベースより)】
近頃あぶない人が増えている。大人も子どももすぐキレる。羞恥心がない。他人の迷惑を顧みない。自分の正義が世界の正義だと勘違いしている。しかし、われわれの脳は、本来かなりあぶないのである。脳は働き者で精密だが、その分実に繊細で、構造も機能も、微妙なバランスの上に成り立っている。ひとつ間違えば、取り返しのつかないことも起こる。その一方で、適切に育み、うまく扱えば、人生を豊かにしてくれる(はずだ)。身近な話題をもとに脳科学の知見を敷衍、「あぶない脳」から浮かび上がる、武器としての脳科学。
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【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
沢口/俊之
1959年東京都生まれ。北海道大学理学部卒。京都大学大学院理学研究科修了。米国エール大学医学部神経生物学科ポスドク、京大霊長類研究所助手、北大文学部助教授を経て、現在、北大医学研究科高次脳機能学分野教授。専門は認知神経科学、霊長類学。思考や自我のベースであるワーキングメモリに照準し、前頭連合野を中心とした研究を展開している
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【目次】
第1章 精密にして危うい脳
・まずは、ニューロンの話
・脳を操る脳
ほか
第2章 愛と性の脳進化
・ケッコンは幸福剤
・だから、もてたい!!
ほか
第3章 脳教育の必然
・「心の無理論」が社会を滅ぼす
・「条件付け」教育の危険
ほか
第4章 理不尽な脳
・犯罪に向かう脳
・ちぐはぐな行為と脳損傷
ほか
第5章 もっと深まる脳
・ヒトはなぜ働くのか
・脳が視る「死後の世界」
ほか
あとがき
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Posted by ブクログ
脳の構造は、思ったよりもデリケートなんだなと思った。使い方一つでよくなれば、も危なくもなる。最近、ニューヨークのエンパイアステートビル付近で、上司に恨みを持ったアメリカ人が射殺したり、日本でも、駅構内でナイフを使い突然、切りつけたりと脳が暴走している人がいる。単に熱さが原因とは思えない。
今回の本は、あの「ホンマでっかTV!」に出演している澤口先生が書いている。あぶない脳の持ち主(?)だけに、あぶない脳が良く分かるということか。澤口先生の場合、よい方向に使ったおかげで、今があると言える。
脳は、思い込む癖があると述べられている。脳は、つじつまあわせが得意だとある。情報のコピペが得意な点は、マスコミと同じだ。情報の恣意的な切り貼りで、事件を大きくしたり、「失言」と証する発言を都合の良い解釈で取り上げたりする。
澤口先生は、ゆとり教育は、危険と述べている。詰め込みなくして創造力が身につかないからとある。まだ脳の柔らかい頃の子供が、知識を詰め込むのは大人になってからよりも容易なので、ゆとり教育は子供の将来に暗い影を落とす。
「分かっていること」と、「行なうこと」は別物という一節を読んで、そうかと思った。危ない人は、両方が分離していて、抑制が効かないから、悪いことをしてしまう。脳とハサミの使い方には注意というところか。
この本には書かれていないが、ジャンクフードや人工着色料で厚化粧したケバイ炭酸ジュースをがぶ飲みして、栄養を考えた食事をしないのも原因になると思う。切れやすいミニモンスターやビッグモンスターが出現しているのも、食事のとり方とストレスの対処の仕方が上手に行なえないからと考えることもできる。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
近頃あぶない人が増えている。
大人も子どももすぐキレる。
羞恥心がない。
他人の迷惑を顧みない。
自分の正義が世界の正義だと勘違いしている。
しかし、われわれの脳は、本来かなりあぶないのである。
脳は働き者で精密だが、その分実に繊細で、構造も機能も、微妙なバランスの上に成り立っている。
ひとつ間違えば、取り返しのつかないことも起こる。
その一方で、適切に育み、うまく扱えば、人生を豊かにしてくれる(はずだ)。
身近な話題をもとに脳科学の知見を敷衍、「あぶない脳」から浮かび上がる、武器としての脳科学。
[ 目次 ]
第1章 精密にして危うい脳(まずは、ニューロンの話;脳を操る脳 ほか)
第2章 愛と性の脳進化(ケッコンは幸福剤;だから、もてたい!! ほか)
第3章 脳教育の必然(「心の無理論」が社会を滅ぼす;「条件付け」教育の危険 ほか)
第4章 理不尽な脳(犯罪に向かう脳;ちぐはぐな行為と脳損傷 ほか)
第5章 もっと深まる脳(ヒトはなぜ働くのか;脳が視る「死後の世界」 ほか)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
「人間に関わる現在の諸学問は、21世紀には社会生物学と神経科学(脳科学)の2大科学に統合されるだろう」(ウィルソン)、ということで、作者的にはこれがかなり強いメッセージなんだろうと思う。心理学を専攻した立場から言うと、心理学は新しい学問であるとともに過渡期的なものであるだろうな、とは思っていた。内部から脳がわかるようになれば、心理学のある部分は不要になるのも当然の流れだろう。ただ、まだ完全に不要になるわけでもないだろうが。