【感想・ネタバレ】貧乏サヴァランのレビュー

あらすじ

家事がまるきりダメな茉莉のたった一つの例外が料理。父森鴎外が留学先で覚えたドイツの下宿屋料理と生まれ育った東京の家庭料理を出自に、ブリア・サヴァランばりに食べ続ける。オムレット、ボルドオ風茸料理、白魚、独活、柱の清汁……。得意料理をとくとくと語る食いしん坊エッセイにして、精神の貴族の貴重さを述べ贅沢を愛する心を説いてやまぬ芸術談義という自在さ。江戸っ子らしい口とパリジェンヌの舌に奏でられ、どのページからも芳醇な香りがたちのぼるマリア流『美味礼賛』。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

友達に借りた。食べ物の描写があまりに上手で寝間に置けない。外来語の綴りや江戸っ子とパリ文化のこと、息子のジャックのこと、鴎外のこと…大変な目にも遭っているのに本当のこととは思えないロマンチックな表現。優れた随筆家は育ち方がユニークで料理がうまくて、その土地の生粋が多い気がする。向田邦子然り、田辺聖子然り…「江戸っ子が断たれた」のはたしかに残念だ。鴎外が茉莉氏を膝に乗せ、軽く背中を叩きながら「お茉莉は上等、お茉莉は上等」と言って育てた、というエピソードが好きだ。

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2012年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実際に会ったら相当大変な人だろうな、と思われる森茉莉。
その価値観には深く共感してしまう。食べ物への執着やこだわりや、毒舌が他人事と思えない。
森茉莉が現在も生きていたら、30過ぎて自分のことを女子とのたまう人々をばっさり一刀両断であろうな、とにやりとした。
自分のことを森茉莉とかいう変なばあさん、と自称するあたりに美意識を感じる。
作中に、父である鴎外や、室生犀星やその他交流のあった文豪の素顔が描かれていて読み物としてとても面白いのはもちろん、食べ物の描写が素晴らしい。
森鴎外の著作権がきれて、食うのに困って文筆家業を始めたというが、DNAというか才能なんだろうなあ。
食べ物の描写になるとひときわみずみずしく、鮮烈な印象を残す。すごい。

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2014年04月18日

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