【感想・ネタバレ】鬼頭莫宏短編集 残暑のレビュー

あらすじ

『ぼくらの』の俊英・鬼頭莫宏の軌跡がここに!幻のデビュー作『残暑』から短編『ポチの居場所』まで、珠玉の7編を収録!!妹思いの少年と、お兄ちゃんっ子の妹・あきこ。妹は先ごろ交通事故で死んでしまったが、彼女の部屋は、ただ机の上に一輪差しの花が飾られているほかは何も変わっていない。そんな折り、誰もいないはずの自室に帰ってきた少年は、思いがけずあきこの幽霊と出会ってしまう。「思い残すことがあって」帰ってきたあきこは、兄妹でデートに行こうとお願いして…。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

材質が悪いのか、この単行本、紙の臭いがキツいです。
そんな鬼頭先生の作品集です。
「パパの歌」に出てくるお父さんのキャラが素敵です。(のりりんに通じますね)
あとは「ポチの場所」のキメ細やかさなんかは、この方の作品の好きなところです。

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2012年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ


7作が収録されている短編集

はじめの数作は幽霊の少女を共通のモチーフとしており、女性(少女)を官能的かつ妖艶でミステリアスな理想的対象として客体化していくヘテロ男性(男子)のミソジニーな欲望がごろんと曝け出されている。
ヘキに素直すぎて笑ってしまいもするが、鬼頭莫宏の細い線で描かれる華奢な体躯と、緊迫感のある画面構成によって、どこかカラッとした質感のある物語に仕上がっている。とはいえ、その渇いた具合が余計に欲望の鋭さといやらしさを引き立てているようにも思える。

ヘテロ男性の独りよがりなヒロイズムという本質は一貫していながらも、後半からは物語のトーンが変わる。ラスト三編「AとR」「パパの歌」「ポチの場所」はなかなか好き。
「AとR」 カワサキのバイク(男のロマンの権化)を、同じくロマンの権化である学生時代の少女が引き継いで乗ってくれるという構造にはやはり気持ち悪さを覚えるものの、さすがに好きです。
「パパの歌」 妊娠した女性の実家まで車でゆく道行きの夫婦の会話が良い。男のロマン(良い車)要素は継続
「ポチの場所」 老いさらばえた男(牡犬)の生き様を若い男たちが継ぐ。クラスの真面目女子には分からないだろうけど……というヒロイズム


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2025年08月18日

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