あらすじ
こう考える医師が
多いのは、なぜか?
多くの人がのぞみそうなポックリ死・老衰死は、
がん死よりよほどつらいと思います――久坂部羊(『人はどう死ぬのか』著者)
がんだけは絶対に嫌だ、という人は多い。だが2人に1人がこの病気になり、3人に1人が亡くなる。
著者は長年、外科医としてがん拠点病院で活躍。
その後ホスピス医として3000人の末期がん患者と接した経験から医療の過剰な介入(幾度もの手術、抗がん剤)に疑いを持ち、むしろ「がん死」こそが人間に相応しいと考えるに到る。
がんでも穏やかに最期を迎えるには、何をどう準備すべきか。
がんで亡くなった愛妻の最期を告白し、「人ががんで死ぬ」25の実例を挙げ、死に方、終末医療のあり方を示す。名著、待望の復刊。序文・久坂部羊。
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Posted by ブクログ
ポックリ死(心筋梗塞、くも膜下出血)は、発症時の痛みがひどい。
老衰死はそこに至るまでが苦しい。
がんであれば、死ぬまでに時間があって、痛みさえコントロールできれば心置きなく死を迎えられる。
がんになっても、手術は受けず、抗癌剤治療を受けず、ホスピスに入院する。
日本のがん治療は手術至上主義。
湿潤性のがんは常にがん細胞が流れ出ている。転移するのは当然。
手術するより、緩和ケアのほうが長生きする可能性がある。
がん手術に名医はいない。再発はがんの性質や進行度で決まる。
抗癌剤は、白血病、睾丸がんなど一部。
ホスピスで亡くなるのはがん死の5%程度。在宅ホスピスも選択肢。
モルヒネは天の恵み。
がん末期は、痛みだけでなく呼吸苦、だるさ、身の起きどころがない、などがある。何が出るかはわからない。
点滴は効果がない。中心静脈栄養でも、腹水など影響が出る。
確率的には認知症のがん患者になる。認知症になる前に意思表明をする。
食事を低カロリー低タンパク質にする。胃瘻はしない。向精神薬、モルヒネを使う。寝たきりになったら鎮静をする。安楽死問題で不可能な場合もある。
声掛けに反応できなくても、耳は聞こえている。反応できる力がない。
呼吸苦に対して、緩和ケアが遅い。塩酸モルヒネやピレチアを投与する。
がんと闘いすぎない。
初期の肺がんは、CT検査が必要。
欧米では胃がんは少ない。
がん治療後の食生活で、再発は防げない。