あらすじ
デジタル社会を生きる子どもたちのウェルビーイング[身体的・精神的・社会的に良好な状態]を守るために大人ができることを具体的に説明します。
スマホを通してデジタル社会を生きる子どもたちは、さまざまな「事態」に遭遇しています。
――いじめ、嫌がらせ、さらし上げ、暴露、タグづけ合戦、マウント合戦、キャンセルカルチャー、プライバシーリスク、自己承認、自己嫌悪、自己欺瞞、不適切投稿、不適切写真……――
ソーシャルメディアなどのテクノロジーがこうした「事態」を悪化させる中、子どもたちはデジタル社会につながり続けることへのプレッシャーや義務化するメッセージのやりとり、過剰なスクリーンタイムといった「課題」を抱えながら、その対処法を求めています。
本書は、子どもたち(主に10代)がデジタルエージェンシー[個人がデジタル技術を主体的に使いこなす力]を身につけるために、親や先生といった大人が何ができるのかを具体的に示します。そこでは、以下の3つの姿勢が大切です。
・「決めつける」のではなく「問いかける」こと
・「呆れる」のではなく「共感」を優先すること
・「戒め」だけでなく「複雑さ」を受け入れること
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
実際の子どもの発言が多く書かれている。筆者のグループが3600名以上の子どもからインタビューした結果を分析したものであり、かなり一般性がある。子どもとスマホの関係を示す基本的な本となる。教員養成学生が読むべき本である。
Posted by ブクログ
大人たちだけで子どものスマホの使い方について議論をしている今の現状に、本当に必要なことが何かをしっかりとつきつけている。「デジタルだから」と区別してしまっている中、本来の思春期の子どもたちにどのように関与することが大切かを説いている。その上で、デジタルだからこその特性を理解し、子どもの声に耳を傾け、共に考えていく姿勢の大切さが書かれている。
Posted by ブクログ
2025年5月発売の本なので、概ね最新の状況下で書かれた本と言えると思う。我が子はまだまだティーン(は通常13歳〜19歳を指す)の年齢ではないものの、スマホやタブレットの取り扱い方を早めに一度知りたくて読んでみた本。前半は、大体これまでの自分の知識の中にあることで大きな学びはなかったが、後半、特にデジタル足跡の章のあたりから、なるほどね、こういう考え方で子どもに寄り添うと良いのね、という新しいインサイトを得られた。特に我が子の場合は男の子なのでセクスティングの章で書かれているアドバイスは、しっかりと時期が来たら子どもに伝えようと思った。不用意に人をオンライン上で傷つけたり軽い気持ちで知らぬ間に犯罪を犯したりしないように。スマホを持たせる子どもがいる親は、持たせる前にこの本を読んでおくと良いと思った。