あらすじ
デジタル社会を生きる子どもたちのウェルビーイング[身体的・精神的・社会的に良好な状態]を守るために大人ができることを具体的に説明します。
スマホを通してデジタル社会を生きる子どもたちは、さまざまな「事態」に遭遇しています。
――いじめ、嫌がらせ、さらし上げ、暴露、タグづけ合戦、マウント合戦、キャンセルカルチャー、プライバシーリスク、自己承認、自己嫌悪、自己欺瞞、不適切投稿、不適切写真……――
ソーシャルメディアなどのテクノロジーがこうした「事態」を悪化させる中、子どもたちはデジタル社会につながり続けることへのプレッシャーや義務化するメッセージのやりとり、過剰なスクリーンタイムといった「課題」を抱えながら、その対処法を求めています。
本書は、子どもたち(主に10代)がデジタルエージェンシー[個人がデジタル技術を主体的に使いこなす力]を身につけるために、親や先生といった大人が何ができるのかを具体的に示します。そこでは、以下の3つの姿勢が大切です。
・「決めつける」のではなく「問いかける」こと
・「呆れる」のではなく「共感」を優先すること
・「戒め」だけでなく「複雑さ」を受け入れること
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『ティーンエイジャーが「土曜の夜10時」に下す意思決定を支えるというものです。これは、たとえばヌードを求めてくる相手への返答用フレーズを持っておく、連絡が過剰になってきた友人にはやんわり(でもしっかり)境界線を引く、といった具体的な対処策の備えを意味します。』スマホのなかの子どもたち より
スマホ問題「いつかは子どもが1人でうまく付き合うしかない」「それにしてもリスクが大きすぎる」「ベネフィットがあまり見当たらない」かつ今の社会では子どもがティーンでスマホ持ってないとそれこそ不健全…自分が毒親になってしまう…という葛藤、これからの展望がずっと見えずにいくつか本を手に取ってみたのだが私にはダントツでこの本が響いた。正直なところ冒頭から60%近くが子どもとの対話、現状分析、そして大人が過剰反応している事実の説明に割かれているので結論から始めたい人は第8章結論から読み始めるとよい。私は冒頭から順に読んだが、言われてみればそうだよね、でも自分では意識できてなかったわ、ということの連続で、子どもが当然感じるであろうことをトレースできるのがよかった。人を動かすにはまずその人を理解しなければならない。かなり恐怖心が減り、娘とのスマホ、デジタルへの付き合い方に展望が持てた。
肝要なのは
・問題が起きてからでは遅い
・それまでの親子関係が大切
・積極的に話し合う
・ルールは親子で守る
・事前に色んな状況を想定、共有しておく
・リスク事例を扱っているコンテンツを一緒にながめて意見を出し合う
かなと思う。結局避けては通れない。
Posted by ブクログ
実際の子どもの発言が多く書かれている。筆者のグループが3600名以上の子どもからインタビューした結果を分析したものであり、かなり一般性がある。子どもとスマホの関係を示す基本的な本となる。教員養成学生が読むべき本である。
Posted by ブクログ
大人たちだけで子どものスマホの使い方について議論をしている今の現状に、本当に必要なことが何かをしっかりとつきつけている。「デジタルだから」と区別してしまっている中、本来の思春期の子どもたちにどのように関与することが大切かを説いている。その上で、デジタルだからこその特性を理解し、子どもの声に耳を傾け、共に考えていく姿勢の大切さが書かれている。
Posted by ブクログ
●スマホを単なる「悪」と見なさず、子どもの発達段階を理解した上で、デジタル社会を生き抜くための「主体性(エージェンシー)」を大人と子どもが共に育むための本。
●子どもとスマホに大人はどう向き合うかを学ぶ。→子どもの立場に立った上で、ともにデジタルと付き合っていくかを考えていくことが大事だと学んだ。
●「スマホが若者に悪影響を及ぼす」という単純な言説に、本書は脳科学と心理学の視点から一石を投じている。本書は、大人たちがスマホの是非を議論している間に、子どもたちが直面している「つながり続けなければならない重圧」や「デジタル上の追放」といった、より切実で複雑な問題を理解し損ねていると警告する。思春期の脳は、仲間からの承認に過敏であり、報酬を求める一方で衝動を抑える力が未発達である。その発達段階にある彼らにとって、ソーシャルメディアの「いいね!」などの機能は抗いがたい引力を持っている。本書は、単にスクリーンタイムを制限するのではなく、子ども自身がデジタル環境をコントロールする力「デジタルエージェンシー」をどう育てるかに焦点を当てる。「決めつけるのではなく、問いかける」「呆れるのではなく、共感する」。デジタルネイティブ世代が抱える特有のストレスに寄り添い、子供たちが自律的にテクノロジーと付き合えるようになるための、建設的な処方箋となる一冊。
Posted by ブクログ
2025年5月発売の本なので、概ね最新の状況下で書かれた本と言えると思う。我が子はまだまだティーン(は通常13歳〜19歳を指す)の年齢ではないものの、スマホやタブレットの取り扱い方を早めに一度知りたくて読んでみた本。前半は、大体これまでの自分の知識の中にあることで大きな学びはなかったが、後半、特にデジタル足跡の章のあたりから、なるほどね、こういう考え方で子どもに寄り添うと良いのね、という新しいインサイトを得られた。特に我が子の場合は男の子なのでセクスティングの章で書かれているアドバイスは、しっかりと時期が来たら子どもに伝えようと思った。不用意に人をオンライン上で傷つけたり軽い気持ちで知らぬ間に犯罪を犯したりしないように。スマホを持たせる子どもがいる親は、持たせる前にこの本を読んでおくと良いと思った。