【感想・ネタバレ】魔女裁判の弁護人のレビュー

あらすじ

裁判にかけられた少女を救うため
魔女の不在を証明せよ!

(あらすじ)
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の道中、ある村で魔女裁判に遭遇する。
水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが――。
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!

【著者について】
君野新汰
富山県生まれ。石川県金沢市在住。精神科医。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作でデビュー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

16世紀の神聖ローマ帝国。恋人をかつて魔女裁判で失った若き大学教授が、彼女の幼い義妹とともに旅先で魔女の疑惑をかけられた女性の弁護を請け負うことに。
情景描写と魔女絡みの蘊蓄が説明くさくなく流れるような文章がすごく好みだし、何度もひっくり返されて最後まで気の抜けないミステリ。

いくつもの真相が重ねられているせいで各登場人物の心情が見えにくいかなとか、真犯人の設定がちょっと後出しかなという感じもしつつ、でも丁寧に伏線は張り巡らされていました。
オカルト×ミステリとして本当に楽しかったおすすめ!

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者初読。

君野新汰『魔女裁判の弁護人』は、読後に深い余韻を残す歴史ミステリーの佳作である。

16世紀神聖ローマ帝国という、迷信と宗教的権威が人々を縛る時代を舞台に、理性の光を武器に立ち向かう弁護人の姿は、単なる事件解決の物語を超え、信念と理知の尊さを鮮やかに浮かび上がらせる。

物語の随所に散りばめられた小さな違和感は、読者を不穏に揺さぶりながらも、終盤に至って見事な必然へと収束し、論理の美を堪能させてくれる。

しかも、安堵を誘う一件落着の瞬間からさらに一歩踏み込み、真実の奥底に隠された衝撃を突きつけるどんでん返しは、単なる勝利や救済を拒むこの物語の本質を鋭く示す。

重厚な歴史の闇を背景に、人間の知と信仰、そして正義の揺らぎを描き切った本作は、知的興奮と深い感慨を同時に味わわせる稀有な読書体験であった。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アベールが犯人と判った、その推理がなんとなくピンとこなかった。なんだかつまんないと思いきや、どんでん返しがあったのですね。

私的にそれで辻褄が合って、ストンと腑に落ちました。

おもしろかったです。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中世ヨーロッパの独特な…宗教に対して敬虔で盲信的な空気はこんな感じだったのかな〜と思えたし、被疑者を“魔女ではない”と証明するくだりは実にロジカルだった。謎解きパートも最後に大どんでん返しがそう来たか…!って感じで面白い。
けど、主人公の(元)大学教授、最後に青年を一人冤罪にしてるんだけど…青年はどうなったの?!大丈夫?!てかイヤミスなんこれ?!あんまり“元・大学教授”って設定が生かされてないように感じた。結局推理も間違っていたわけだし…。てかこの裁判事件がこの教授の最初の事件簿というわけではないとこが怖い。今までこの青年と同じように冤罪になった人もいるかも知れないし、助けられなかった魔女容疑者が本当に魔女だった可能性もあるってことでしょ??火村英夫を見習って頑張って欲しい!

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

16世紀、悪名高い魔女裁判でたくさんの人が殺されて・・という時代に魔女疑惑をかけられた少女を助けるため元大学教授のローゼンは事件の捜査をはじめる。

後世の人間として魔女裁判がどういうものかわかってるので、それに立ち向かう無謀さというか絶望感がすごい。疑われたら即終了のあの魔女裁判。作中でもみんなで「あいつが魔女だから」の中、理論で立ち向かう。一応の解決を見ましたが「でもやっぱ魔女だろ」と誰かが言い出したら終わりそうな理不尽さもある。なんなら話を聞いてくれてるだけでなんかちょっと違和感があるくらい。

で、まあ最後にどんでん返し的なものがあるわけですが。。。あんまり好きじゃないかな。(不自然さはあるものの)理不尽に対して理論でという構図がよかったのに結局理論も無力であるならこの話の本題がぶれちゃうというか。ミステリと相性の悪い超自然的な物事をうまく物語に落とし込んで・・だと思ったんですけどねえ。

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事で疲れたので普段とは全く違う世界観の話が読みたくて積読からサルベージ。魔女裁判なんて論理の通らないところにどう切り込んでいくんだろうと思って購入してたやつ。
主役のロジックがいまいち頼りないのだけどキャラが良くて頑張っているのと読みやすい文章でなかなか面白かった。読後感は…後味よいのか悪いのか。
続編読みたい気もします。主役の師のエッグハルト・クーゲルシュタイン気になる…めっちゃキャラたってる。
西洋魔術の世界がいつも馴染んでる陰陽五行の世界観と違ってて興味深い。

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やっぱファンタジーとミステリは混ぜちゃダメなんですよ
結局悪魔の仕業!!それはないって!!!!

とはいえ、論理=悪魔という図式を最初に出しておいて、最終的に主人公側が悪魔、という構成は見事でした。「ちゃんと考えればわかったのに」というセリフまさにそのままで歯軋り。
文章自体がすごく読みにくかったのは、世界史に対する見識の無さのせいかなんなのか…。
どこまで主人公と知識を共有できてるのかもわからないから、それも読者の立ち位置を曖昧にさせて読みにくい原因かも?

あと魔女裁判恐ろしすぎるんよ

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者さんが知っている方(Xの相互さんなだけだが)でも商業本はありのままに感想を書くよシリーズ。

16世紀の神聖ローマ帝国(まじで世界史が分かってないので裏表紙を見るまでどこの国か忘れたまま読んでいた)、魔女の存在が信じられている時代に、被告人が魔女ではないとどうやって証明するのか? という斬新な切り口のミステリー。お知り合いだから買ったわけではなく、純粋にとても面白そうなので買った。

現代人の私からすると、「魔女なんかおるわけないやろがい」なのだが、当時は本気で信じられていたのだろうな。
神を信じ魔女を忌み嫌う村人たちのすがたはもちろん、探偵役のローゼンでさえ現代風の科学常識をふりかざすのではなく、魔女が存在する可能性を認めているのが時代の雰囲気があってよかった。
そんな古い時代を描きつつも、科学的に無根拠な情報に惑わされる人をどう説得できるのかとか、デマが拡散されてあらゆる人に敵意を向けられる怖さとか、きわめて現代的な要素を内包している。

個人的にはそういう部分がとても気に入っていただけに、最後のどんでん返しは面白さよりもああ、そっちにいっちゃうんですね……という残念さがやや勝ってしまったのだが、本格ミステリが追求するものとしてはたぶん真っ当なんだろうなと思う。

利己的ではあるけどかといって悪意の塊でもない、煮ても焼いても食えなさそうなエッグハルト氏が一番興味深いキャラだった。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どんでん返し系。

魔女裁判の弁護をする。結構へっぽこ弁護士。
夫婦が殺された事件の後で水舎小屋の屈強な男が殺された。どちらも自然死に見えたので魔女の仕業とされ、数年前に母親が魔女として焼き殺された娘が槍玉に上がった。

夫婦は薬が毒になって死んだので領主のせいと分かったが、水舎小屋のは遺体を掘り起こすと胸に刺し傷がありそこの上から灼かれていた。へっぽこ審問官のせいにしたら先端恐怖症で死ぬ。ちゃんちゃん。

だが、先端恐怖症なのにナイフで刺せねえだろ。となり。本当は本当に魔女でした!ついでに主人公の付き人も誰にも見えてない!それと話してた魔女。ってか主人公も知らないうちに魔女じゃん!という感じのどんでん返し。結構おおーとなるかな?

ただ、読み進めるうちになんとなく魔女っぽいなぁとは思える伏線の張られ方なので、結構ちょうど良い面白さかも。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言いたかった文句もどんでん返しのせいで
口を噤むしかなくなってしまった本。

少なくともどんでん返しについては鮮やかだった。

ただそこまでは、
あまりにも頼れない探偵役。
あまりにも必要性を感じない視点の転換。
明かしてもらえない世界観。
かなりストレスフルな読書体験で、
近年のどんでん返しこそが至高とでも言いたげな
よくない空気に当てられた作品とは言えそう。

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2025年06月29日

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