あらすじ
裁判にかけられた少女を救うため
魔女の不在を証明せよ!
(あらすじ)
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の道中、ある村で魔女裁判に遭遇する。
水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが――。
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
【著者について】
君野新汰
富山県生まれ。石川県金沢市在住。精神科医。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作でデビュー。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中世の魔女裁判で無罪にしようとするお話
「このミステリーがすごい!大賞」の「隠し玉」作品
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裁判にかけられた少女を救うため
魔女の不在を証明せよ!
(あらすじ)
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の道中、ある村で魔女裁判に遭遇する。
水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが――。
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
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16世紀の神聖ローマ帝国
魔女として告発された女性アンを救うため、旅の法学者ローゼンが相棒リリと共に、アンが魔女ではないことを証明しようとするお話
魔女裁判に当たっての前提条件として
・魔女は魔術を使う事ができる
・魔術の痕跡が残ることもあれば、残らない事もある
・魔術を使って動物や人を操ることができる
なので、魔術を使った痕跡がない事は潔白な証拠にはならないし
事件現場には立ち入っていないと証明しても、動物や人を操ったと反論を受ける
魔女は魔術を使うという認識をされている中で、「魔女ではない」「魔術は使われていない」という悪魔の証明をしなければいけない
何だこの横暴な裁判は?
無理ゲーじゃね?
と思ってしまう
必要なのは、犯人が魔女であると頑なに信じる村人たちの翻意
実際にどうだったか?ではなく、判断する者の「納得」が必要という構図は「虚構推理」に近しいものを感じる
一つの正しい論理よりも、多数の非論理の方が優勢になるのはいつの時代も同じようなものかもしれないなぁ
リリについては序盤から何かと引っかかるところがある
中盤で明かされる、ローゼンが旅に出るきっかけとなった出来事のあたりでの不自然さもある
なので「ローゼンの妄想?」と疑ったこともあったけど、話している人もいるし、物理的に存在している描写もあるので「違うかー」と思ってしまった
しかしまぁ、なるほどねぇ……
基本的に、物語の序盤で提示される、前提となる事柄を終盤でひっくり返される作品は納得できない場合が多い
(あの作品とか、あの作品とかね……)
ただ、この作品は明確にその前提を否定してないんだよね
可能性の一つとしてあるけれども、これは違うという証明をした上でのどんでん返しなので、完全にやられましたわ
細かいところだけど、作中の設定として現代の病気の症状を利用するあたり、著者が精神科医だけあるなぁと思った
途中で、この不自然さにも気づいたんだけど、「デビュー作故の筆力不足?」と思ったものの
後に、種明かしで説明されて、「そんな背景が……」と納得した
続編の構想もあるようだけど、主人公はこのままなんだろうか?
だとしたら、どんな立ち位置になるのでしょうね?
それとも、他の人視点に変わるか?
Posted by ブクログ
魔法がある世界での魔女裁判での無実を証明するリーガル×本格ミステリー!
魔術による魔女の犯罪、人による犯罪、これらの証明ってどう理論付けするの??そんな疑問に駆られて手に取った1冊でした。
魔法があり魔女が居る、そして、人々は神への信仰心を持って過ごし、魔法や儀式、魔女裁判で魔女と対峙している世界をローゼンとリリは旅している。そんな設定から物語は始まり旅先の小さな村で魔女だと捕らえられているアンに出会う!
しかも、彼女は魔女では無いと訴えるが誰も信じる者は居ないし、状況証拠も村の雰囲気もアンには不利な状況。
この状況下で繰り広げられる、捜査と推理、、、
物語が進むに連れ白熱していく思考、悪化する状況、全てが最後の最後まで楽しめる為のピースとなる物語展開!
途中から読む手が止まらず一気読みでした!
作品全体的には、文章や物語としては読みやすいですが、人物や設定、出てくる推理の為の情報や考察の記憶と少し情報量が盛りだくさんになるので覚えて整理しておくのが少し大変に感じる人も居るかもって感覚でした!
でも、途中ちゃんと整理や振り返りをしてくれるので僕は全然気にせず読み切る事が出来ました!
本作は特殊設定ミステリですが、謎解き後のお話である最後の展開までしっかりと楽しめるように物語が構築され、大満足のリーガル×本格ミステリを披露してくれてとても面白かったです!
僕は推理も世界観も登場人物も好きな作品でした!
ミステリ好きな方にはお勧めです!
Posted by ブクログ
16世紀の神聖ローマ帝国。恋人をかつて魔女裁判で失った若き大学教授が、彼女の幼い義妹とともに旅先で魔女の疑惑をかけられた女性の弁護を請け負うことに。
情景描写と魔女絡みの蘊蓄が説明くさくなく流れるような文章がすごく好みだし、何度もひっくり返されて最後まで気の抜けないミステリ。
いくつもの真相が重ねられているせいで各登場人物の心情が見えにくいかなとか、真犯人の設定がちょっと後出しかなという感じもしつつ、でも丁寧に伏線は張り巡らされていました。
オカルト×ミステリとして本当に楽しかったおすすめ!
Posted by ブクログ
時は中世、魔女裁判にかけられた少女を救うため元法学部教授ローゼンが調査を行う…
Xでも精力的に情報発信されている君野先生のデビュー作!
容疑者を一気に絞る論理も素晴らしく、隠し球の名に恥じないトリックプレイに感嘆!
Posted by ブクログ
16世紀の神聖ローマ帝国、法学の元大学教授ローゼンは旅の途中である村に立ち寄る。そこでは今まさにアンという少女が魔女の疑いで拘束されて魔女裁判のための尋問を受けているところだった。
魔女裁判に苦い思い出のあるローゼンはアンを救うため旅の友のリリと共に騒動のきっかけとなった変死事件の捜査をはじめる。
魔女裁判といえば、魔女として告発されてしまうと拷問の末ほぼ確実に処刑されてしまうもの。論理など関係なく、魔女を恐れる人々の感情で裁かれてしまう。
ローゼンが論理的に事件の真相を説明するだけでは魔女の仕業だと信じきっている村人達に魔女裁判を取り下げさせることは難しい。四面楚歌の状況からいかに村人達を納得させてアンに対する魔女の疑いを晴らすのか。まさに中世を舞台にしたリーガルミステリーだった。
裁判で明かされた事件の真相は随分アラがあるような…犯人とされた人物についての伏線が無視されてるような気もしたけど、まさか最後の最後にそうくるとは…
ほんのり絶望感のあるラストは嫌いじゃない。
次回作がもしできたら是非読みたい!ローゼンとリリの関係について今作とは全く違った見方になりそうだから。
Posted by ブクログ
著者初読。
君野新汰『魔女裁判の弁護人』は、読後に深い余韻を残す歴史ミステリーの佳作である。
16世紀神聖ローマ帝国という、迷信と宗教的権威が人々を縛る時代を舞台に、理性の光を武器に立ち向かう弁護人の姿は、単なる事件解決の物語を超え、信念と理知の尊さを鮮やかに浮かび上がらせる。
物語の随所に散りばめられた小さな違和感は、読者を不穏に揺さぶりながらも、終盤に至って見事な必然へと収束し、論理の美を堪能させてくれる。
しかも、安堵を誘う一件落着の瞬間からさらに一歩踏み込み、真実の奥底に隠された衝撃を突きつけるどんでん返しは、単なる勝利や救済を拒むこの物語の本質を鋭く示す。
重厚な歴史の闇を背景に、人間の知と信仰、そして正義の揺らぎを描き切った本作は、知的興奮と深い感慨を同時に味わわせる稀有な読書体験であった。
Posted by ブクログ
中世欧州の山村が舞台の魔女裁判
そもそも魔女裁判は疑われたら終わり、悪魔の証明のごとく無実を証明することは不可能
これを不可能犯罪よろしく理論で謎を解き明かすミステリー
…が、エピローグでどんでん返し(最近このパターンが多すぎて食傷気味だが)
中世、魔女、ミステリーと美味しいおかずばかりだった
Posted by ブクログ
この表紙に惹かれて購入!中世ヨーロッパを舞台にした、とある村の、ファンタジー色のある、魔女裁判のストーリーで好みの雰囲気でした!最後の最後でまさかの展開。途中、違和感はあったのですが、そうくるかぁーと騙されました。ライトな感じで読みやすくて良かったです。
Posted by ブクログ
魔女や魔術が存在する(と信じられている)世界で、証言や証拠から一つ一つ論理を組み立て、たった一人の犯人に辿り着く過程に、本格ミステリーものとしての強い説得力を感じた。
少しダークな読後感も好みだった。
Posted by ブクログ
アベールが犯人と判った、その推理がなんとなくピンとこなかった。なんだかつまんないと思いきや、どんでん返しがあったのですね。
私的にそれで辻褄が合って、ストンと腑に落ちました。
おもしろかったです。
Posted by ブクログ
冤罪をどう晴らしていくのかという物語。
「ある」ものを証明するのは可能だけど
「ない」ものを証明するのは、ほぼ不可能。
それをどうやって証明していくのか?
物的証拠は無理だから、状況証拠で固めていく
わけですが、苦労に苦労を重ねて
冤罪を晴らしていく展開は、とてもおもしろかったです。
途中でこの人怪しいな、と思いつつ読み進めたのですが
ああやっぱりと思いつつ、無事解決したなと思ったら!
最後の最後に大どんでん返しが待っていました。
これは全く予想し得なかったのでビックリしました。
ミステリーだけでなく、復讐ものが好きな人も
楽しめると思います。
余談ですが、初めて出来た彼氏は既婚者でした。
電話に出たのが奥様で、そこで初めて知りました。
でも、知らなかったという証拠がない!
メールでのやり取りで、結婚してないですよね?という
やり取りなんてもちろんない。
既婚者だなんて微塵も思わず付き合ったのですから。
そんなことを思い出しました。
星4にしたのは、理由は分かりませんが
冒頭が読みづらいなと感じて、一度挫折しました。
読み続けているうちに、だんだんおもしろくなって
きたのですが、また挫折。でも気になるから再開。
再開したあとは、夢中で読み進められました。
Posted by ブクログ
中世ヨーロッパの独特な…宗教に対して敬虔で盲信的な空気はこんな感じだったのかな〜と思えたし、被疑者を“魔女ではない”と証明するくだりは実にロジカルだった。謎解きパートも最後に大どんでん返しがそう来たか…!って感じで面白い。
けど、主人公の(元)大学教授、最後に青年を一人冤罪にしてるんだけど…青年はどうなったの?!大丈夫?!てかイヤミスなんこれ?!あんまり“元・大学教授”って設定が生かされてないように感じた。結局推理も間違っていたわけだし…。てかこの裁判事件がこの教授の最初の事件簿というわけではないとこが怖い。今までこの青年と同じように冤罪になった人もいるかも知れないし、助けられなかった魔女容疑者が本当に魔女だった可能性もあるってことでしょ??火村英夫を見習って頑張って欲しい!
Posted by ブクログ
16世紀、悪名高い魔女裁判でたくさんの人が殺されて・・という時代に魔女疑惑をかけられた少女を助けるため元大学教授のローゼンは事件の捜査をはじめる。
後世の人間として魔女裁判がどういうものかわかってるので、それに立ち向かう無謀さというか絶望感がすごい。疑われたら即終了のあの魔女裁判。作中でもみんなで「あいつが魔女だから」の中、理論で立ち向かう。一応の解決を見ましたが「でもやっぱ魔女だろ」と誰かが言い出したら終わりそうな理不尽さもある。なんなら話を聞いてくれてるだけでなんかちょっと違和感があるくらい。
で、まあ最後にどんでん返し的なものがあるわけですが。。。あんまり好きじゃないかな。(不自然さはあるものの)理不尽に対して理論でという構図がよかったのに結局理論も無力であるならこの話の本題がぶれちゃうというか。ミステリと相性の悪い超自然的な物事をうまく物語に落とし込んで・・だと思ったんですけどねえ。
Posted by ブクログ
仕事で疲れたので普段とは全く違う世界観の話が読みたくて積読からサルベージ。魔女裁判なんて論理の通らないところにどう切り込んでいくんだろうと思って購入してたやつ。
主役のロジックがいまいち頼りないのだけどキャラが良くて頑張っているのと読みやすい文章でなかなか面白かった。読後感は…後味よいのか悪いのか。
続編読みたい気もします。主役の師のエッグハルト・クーゲルシュタイン気になる…めっちゃキャラたってる。
西洋魔術の世界がいつも馴染んでる陰陽五行の世界観と違ってて興味深い。
Posted by ブクログ
やっぱファンタジーとミステリは混ぜちゃダメなんですよ
結局悪魔の仕業!!それはないって!!!!
とはいえ、論理=悪魔という図式を最初に出しておいて、最終的に主人公側が悪魔、という構成は見事でした。「ちゃんと考えればわかったのに」というセリフまさにそのままで歯軋り。
文章自体がすごく読みにくかったのは、世界史に対する見識の無さのせいかなんなのか…。
どこまで主人公と知識を共有できてるのかもわからないから、それも読者の立ち位置を曖昧にさせて読みにくい原因かも?
あと魔女裁判恐ろしすぎるんよ
Posted by ブクログ
リリの描き方が最初から違和感しかないです
露骨に最後の締めに持っていくための仕掛けなんだろうけど、もう少し上品に設定して欲しかった
魔女裁判全盛の時代だからこそ、描ける世界があると思うので、次作では折角掴んだ世界観全開て物語を展開して欲しいです
Posted by ブクログ
「中性ヨーロッパ×魔女裁判×リーガルミステリー」新たなる組み合わせです。
軽いノリの会話から始まり、軽く読めるかと思ったら、とっても頭を使いました‼️
Posted by ブクログ
展開が何個もあって、飽きずに読めた。魔女狩りの裁判を論理的に弁護してみせるのは相当難しいことを思い知らされ、当時の絶望感が感じられる。次作にも期待。
Posted by ブクログ
魔女裁判にかけられた少女を救う
作中で「魔女は女性だけではなく、男女ともを表す」という書かれていたが、男性は魔男ではないし。。。と思っていたが、そうだったのか
"ある"ことを証明するより、"ない"ことを証明する方が遥かに難しい
ローゼンとリリの旅はまだ続くのだろうか?
Posted by ブクログ
中世、魔女、魔術…世界観がとても好き!
ミステリーと絡めると、事件の真相だけではなく
魔女でないことの証明も考えなきゃいけない。
「うみねこのなく頃に」に似ているのかな、、
トリックとか、心情とか、話のひっくり返り方とかよかったんだけど、なぜかそこまで感動しなかった。多分話に上手く入り込めなかったから?
Posted by ブクログ
魔女裁判は本当に行われていた時代があった かつて恋人を失ったローゼンはリリと旅をしている そんな時魔女裁判にかけられるアンに出会う かつて恋人を助けられなかったローゼンは無実を晴らそうと奔走する アンも又母を火刑で失っている事で不利な状況なのだが毅然とした態度を崩さない リリも諦めずローゼンをフォローするのだが 最後まで気が抜けない
Posted by ブクログ
16世紀……神聖ローマ帝国。法学の元大学教授が小さな村で魔女裁判に遭遇し告発された少女の弁護をする事になりそうさを始めるが……最後に思いもよらない真実が明らかに!
Posted by ブクログ
作者さんが知っている方(Xの相互さんなだけだが)でも商業本はありのままに感想を書くよシリーズ。
16世紀の神聖ローマ帝国(まじで世界史が分かってないので裏表紙を見るまでどこの国か忘れたまま読んでいた)、魔女の存在が信じられている時代に、被告人が魔女ではないとどうやって証明するのか? という斬新な切り口のミステリー。お知り合いだから買ったわけではなく、純粋にとても面白そうなので買った。
現代人の私からすると、「魔女なんかおるわけないやろがい」なのだが、当時は本気で信じられていたのだろうな。
神を信じ魔女を忌み嫌う村人たちのすがたはもちろん、探偵役のローゼンでさえ現代風の科学常識をふりかざすのではなく、魔女が存在する可能性を認めているのが時代の雰囲気があってよかった。
そんな古い時代を描きつつも、科学的に無根拠な情報に惑わされる人をどう説得できるのかとか、デマが拡散されてあらゆる人に敵意を向けられる怖さとか、きわめて現代的な要素を内包している。
個人的にはそういう部分がとても気に入っていただけに、最後のどんでん返しは面白さよりもああ、そっちにいっちゃうんですね……という残念さがやや勝ってしまったのだが、本格ミステリが追求するものとしてはたぶん真っ当なんだろうなと思う。
利己的ではあるけどかといって悪意の塊でもない、煮ても焼いても食えなさそうなエッグハルト氏が一番興味深いキャラだった。
Posted by ブクログ
うおーい。そう来るのかーい。衝撃的。 最初、ファンタジーを掛け合わせたミステリーだと思ったけど実は中世ヨーロッパで行われてたような魔女裁判が題材。不可能を可能にするというロジカル的な流れが好きだった。ただラストはなかなかのアンフェア。やはりそっち方面か!って感じ。
Posted by ブクログ
魔女狩りと魔女裁判!!!
中世ヨーロッパの汚点!!
魔女と嫌疑をかけられた女性たちは拷問を受け、自分が魔女だと自白させられ、魔女でない事を証明する事が出来ず、多くの人々が処刑されてしまいました。
宗教の力が強すぎる場合の弊害・・・
本来であれば宗教や思想は人々の心に安らぎを【もたらす物】でなければならない筈なのに、人々に疑心暗鬼を生み出して、密告と迫害により多くの人々の命を奪ってしまった・・・
本作はその歴史を題材とした【リーガルミステリ】となっております!
法学の元大学教授のローゼンは旅の途中のとある村で魔女裁判に遭遇する!!?
魔女と疑われた女性は3人の村人を殺したと告発されており、村人から迫害を受けていた・・・
ローゼンはアンの無実を信じて、村の領主に申し立て、アンの無実を証明する為に動き出す・・・
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に法学者の青年が論理を持って魔女裁判に挑む!!!
最後に、当時の魔女狩はキリスト教以外の宗教、特に原始宗教を根絶やしにするための宗教政策であったのではないかと個人的には思います。
Posted by ブクログ
どんでん返し系。
魔女裁判の弁護をする。結構へっぽこ弁護士。
夫婦が殺された事件の後で水舎小屋の屈強な男が殺された。どちらも自然死に見えたので魔女の仕業とされ、数年前に母親が魔女として焼き殺された娘が槍玉に上がった。
夫婦は薬が毒になって死んだので領主のせいと分かったが、水舎小屋のは遺体を掘り起こすと胸に刺し傷がありそこの上から灼かれていた。へっぽこ審問官のせいにしたら先端恐怖症で死ぬ。ちゃんちゃん。
だが、先端恐怖症なのにナイフで刺せねえだろ。となり。本当は本当に魔女でした!ついでに主人公の付き人も誰にも見えてない!それと話してた魔女。ってか主人公も知らないうちに魔女じゃん!という感じのどんでん返し。結構おおーとなるかな?
ただ、読み進めるうちになんとなく魔女っぽいなぁとは思える伏線の張られ方なので、結構ちょうど良い面白さかも。
Posted by ブクログ
言いたかった文句もどんでん返しのせいで
口を噤むしかなくなってしまった本。
少なくともどんでん返しについては鮮やかだった。
ただそこまでは、
あまりにも頼れない探偵役。
あまりにも必要性を感じない視点の転換。
明かしてもらえない世界観。
かなりストレスフルな読書体験で、
近年のどんでん返しこそが至高とでも言いたげな
よくない空気に当てられた作品とは言えそう。
Posted by ブクログ
16世紀の神聖ローマ帝国、聖人信仰が根強い村を舞台に、まさに魔女裁判にかけられんとする少女を救うため、元法学部教授の青年が彼女の無実を立証しようと連続殺人の謎に挑む。
魔女や魔術、まじないを信じる村人たちを相手に、「魔女でないこと」「魔術が行使されていないこと」と、いわば"悪魔の証明"をそれらの超常の要素を抜きに論理の力のみによって示さんとする。昨今流行の特殊設定ミステリをひっくり返したような謎解きがなんとも刺激的。
ただでは終わらないのだろうなという終盤の展開も丁寧に伏線が張り巡らされており感服。これがデビュー作というから驚き。続編を読みたくもあるし、別な切り口の作品も読んでみたくもある。