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Posted by ブクログ
猫の目から見たら、ひとが背負う苦労はどんな風に見えるんでしょう。七匹のブランケットキャットが登場する短編集。
全話を通じてハッピーエンド的な話は出てきませんが、この先の未来に希望を抱かせる終わり方。好きなのが「身代わりのブランケットキャット」と「嫌われもののブランケットキャット」
お婆ちゃんのまるい優しさと、お爺さんの厳しい優しさ。うるっときました。
Posted by ブクログ
家に居つくと言われる猫が、様々な家を渡り歩くなんてことが可能なのか、そのストレスは如何許りか、傾げた首が戻らない。少なくとも、うちの猫たちにその適性がないことは確かである。
が、この本の中の猫たち(ブランケット・キャッツ)は賢い。「生きていればいろいろある」酒に酔った人がよく吐くセリフだけど、その「いろいろ」に含まれている全部をまるっと分かっているかのように、借主に寄り添う。
当然ながら、3日間猫と暮らしてみたところで、悩みの解決にも哀しみの癒しにもならない。嫌な人が嫌じゃなくなるわけでも、子どもができるわけでも、仕事が見つかるわけでも、はたまた幸せになれるわけでもない。
でも、小さな「異物」が家に入り込むことで、心に小さな化学反応が起こる。下手な慰めや励ましの言葉は、人を余計落ち込ませることがある。「にゃあ」と鳴くだけの猫のほうが、人に一筋の光をあたえてくれるのかもしれない。