【感想・ネタバレ】エグゼクティブのための 正しいゴルフの習い方のレビュー

あらすじ

ラリー・ネルソンは21歳からゴルフを始めました。

他の多くのプロゴルファーは子供の頃から身体にゴルフを染みこませていってプロのレベルに到達するわけですが、ラリーの場合は頭でゴルフを覚えていきました。
フィーリングやセンスではなく、理論的に。それは、我々アマチュアゴルファーがゴルフを覚えて上達していく過程と似ています。
だからラリーは本書でも、アマチュアが陥りがちな練習方法の間違いを的確に指摘します。練習場で45分以上打ってはいけない、
ターゲットに向かって打つことを意識してはいけない、体幹部を使って打たなければならない。また視線の重要性、スイング作りは筋肉作りから始めなければならない、などなど。
一見、逆説的に見えるテーマも、フィーリングではなく、理論的にしっかり説明をしてくれます。

本書は対談形式。その対談相手である伊藤 守は、ラリーへの質問を重ねながら、ラリーの理論をコーチングの立場から補強していきます。
コーチについてゴルフを習っても、アドバイスを受け入れられる「リセプター」を持っていなければ上達には結びつかない。
そのためには「優位感覚」が必要になる。

また、アドレス時に何を考えるべきなのか? それによってどのように結果が変わってくるのか?
こういう考え方はビジネスの現場でも、例えば、部下への指示、会議での意志決定などで用いられるものばかり。
つまり、ビジネスマンにはビジネスマンの、普段の仕事のやり方を生かしたゴルフの習得法があるということ。
それは今までのゴルフの教則本では得られなかった、エグゼクティブ専用のゴルフ上達法です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

著者:ラリーネルソン、21歳でゴルフをはじめる。ベン・ホーガンの著書でゴルフを学びすぐに才能が開花した。2006年世界ゴルフ殿堂入りを果たし、現在もゴルフコース等のデザインなどで精力的に活動している。

伊藤守:日本における最初の国際コーチ連盟マスター認定コーチ。地方公共団体、教育機関、経営者団体などを対象とする講演多数。経営者のエグゼクティブ・コーチ自ら手掛ける。

21歳でゴルフを始め、24歳でプロ入り、31歳で米ツアー初優勝と、遅いスタートながら、もっとも短時間で上達したゴルファーであるラリーネルソン。

「自分の信念を信じ、いつから始めても遅くないと言い聞かせてきた」

本書はそんな特殊であり、偉大であるゴルファーとコーチングの第一人者である伊藤氏によりゴルフの教則本ではなく、効果的にゴルフを学んだり練習するのに必要な心構えや準備についてのガイド本として記された特殊な一冊。

本書の構成は以下の10から成る。
①自分のスイングを開発する
②緊張をコントロールする
③学習の仕方を学習する
④イメージをつくる
⑤主体的に習う
⑥スイングのメカニズムと筋肉を理解する
⑦目標に近づく
⑧自分のスイングを開発するための基本
⑨筋肉を鍛える
⑩コントロールする

DVDがついていたり、写真たっぷりでスイングをいろんな角度から紹介するという基本的な教科書的な一冊ではないものの、今私自身一番必要な違った教科書的な一冊であったかもしれない。

著者が主眼に置いている「自分のスイングを開発すること」迷った時でも戻れるところのあるベースステーションを持つことについては、学ぶところも多く、そして初心者である今出会うべくして出会った一冊でもある。

どうしても、まずクラブを振る。そして振りまくる。
そうしてしまっている現状。それはそれで全てが間違いではないものの、効率や長期的目線から見れば全てが正解というわけでもない。

時にはじっくり自分のスイングの理想を見てそして思いを馳せながら一回一回スイングを行うことも必要である。

簡単ではないゴルフ。
楽しむのが一番であるもののやはり、そこそこうまくなってはじめてその域に達するのも確か。

遠回りではあるかもしれないが、気づけばそれが一番の最短のルートと振り返って思えるようなゴルフライフを満喫したい。

0
2014年09月23日

Posted by ブクログ

「ゴルフの調子が悪いんですよ」などとうっかり呟くと、教えてくれる人は巨万といる。それでなくてもゴルフの上達法に関する情報は、周囲に溢れかえっている。しかし、よくよく聞いてみると、いろんな人がいろんなことを言っている。よく分からなくなって自分の思う通りにやってみる。そもそもそれで上手くいってなかったから悩んでいたのだということを思い出す。そんな経験を持つ人、多いのではないだろうか。

本書はそんな教える側と習う側の溝を埋めるために書かれた一冊。著者はプロゴルファーのラリー&ネルソンとコーチングのプロ・伊藤 守氏。つまり、ゴルフのプロと教えるとプロのやり取りで導かれた画期的なゴルフ本である。

◆本書の目次
第一章 理解する
1 自分のスイングを開発する
2 緊張をコントロールする
3 学習の仕方を学習する
4 イメージを作る
5 主体的に習う
6 スイングのメカニズムと筋肉を理解する
7 目標に近づく

第二章 鍛える
1 自分のスイングを開発するための基本
2 筋肉を鍛える
3 コントロールする

ゴルフの考え方にもいくつかの争点があると思うが、その一つにターゲットを重視するのか、自分のスイングを重視するのかという点が挙げられる。本書では、「ターゲットに向かって打とうとしてはいけない。それよりも自分のスイングを開発することだ。」と断言している。再現性を重視しているのである。

また興味深いのは、解説の大半が「いかに手を使わないか」という点に注力していることにある。「手はグリップと身体を連結されている、締め付け金具だからです。どこへ行くかは、腕と肩がコントロールしています。」と書かれている。しかし、多くの人が経験を持つと思われるが、手を使うななどと言われ、力を抜くとボールは本当に飛ばない。その点に関しては、下半身の力の入れ方が詳細に説明されている。本書には、分解写真の類はほとんど掲載されていないが、イメージの湧かせ方がとにかく抜群である。

最も大切なことは、スイングの軸より習い方の軸であるというのが、本書に隠されたメッセージであるだろう。「人は言葉にそのものに反応しているのではなく、言葉に対する自分なりの意味や解釈に反応するのです。」とある。つまり、自分なりの意味や解釈がずれていたら、誰にどう教わっても意味がないのである。まずは学習の仕方を学習することから始めなければならない。そこに着目した点が本書の新しさである。

本書はゴルフの本としてだけでなく、コーチングの本として読んでも面白い。そして、読むだけでとてつもなくゴルフがうまくなった気にもなる。しかし実際ラウンドしてみると、そうは問屋がおろさないのはいつものことだ。まだまだ学習の余地は残されているようだ。だから、ゴルフは面白い!

0
2011年04月24日

「スポーツ・アウトドア」ランキング