あらすじ
外国人窃盗団に雇われ、通帳から現金をおろす出し子の男が最後に打った手は(「ラストドロー」)。住宅ローンに押し潰されそうな主婦が選んだ最後の仕事とは(「ラストジョブ」)。リアルで凶暴な世界に、ぎりぎりまで追い詰められた者たちが、最後に反撃する一瞬の閃光を描く。明日への予感に震える新境地の連作集。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
10年近く前に出会って何度も読んでる作品。
自分が落ちてる時に何故か読んでしまう。
安心もしないし、むしろ更に落ちる気がするが
読まされてしまう。
なんだろうこの魅力は。
石田衣良さんのクサさも◯
Posted by ブクログ
何かに追い込まれた(多くはお金であるが)人々が人生のラストで見せる行動は時には自分をとことん追い詰めたり人生の一発逆転へと導くこともある。本書はそんな人々を描いた短編集。人が追い込まれる状況やそれまでの社会に起こる原因は実際に起こっているもので現実離れしていないシチュエーションなので一つ一つの話に引き込まれてしまった。
Posted by ブクログ
どの作品もラストは続きが気になる終わり方。「この後の主人公の行動や人生はどうなるんだ!?」と想像を掻き立てられた。
主人公たちに共通してるのは、多額の借金を抱えていること。人間どん底まで追い込まれたら、なんでも出来るのだと勇気を与えてくれる。
売春、テレクラ、障害者の性、ホームレスなど、ふつうに生活してたらなかなか接触することのない人間の生活を見れたのも新鮮だった。
印象に残った作品は、『ラストジョブ』『ラストシュート』『ラストバトル』の3つだ。
【ラストジョブ】
官能小説みたいでドキドキした。歳上女性好きの私からしたらたまりませんなぁ。歳下男歳上女性の人妻ってシチュエーションだけで燃える。
援交をラストジョブって言うだけでカッコよく聞こえる不思議。よくよく考えたら、援交=仕事って認識も間違ってないもんね。身体売ってキモい男とヤるわけだから、ある意味ふつうの仕事よりもキツいかも。
【ラストシュート】
とにかく不快で気持ち悪い。不快さで言えば今まで読んできた小説の中でも上位に入るレベル。
おっさんと幼女が交わるだけでもキツいのに、5歳の男の子の穴に指出し入れするシーンでトドメを刺してくる。
最後グッドボーイ君が反撃してくれずに終わってたらトラウマになってたかも。
【ラストバトル】
看板持ちを主人公にした着眼点がすごい。底辺のおっさん同士の交流にほっこりする。トントロと酎ハイで1杯やりたくなった。
ナカさんの息子が最後助けに来たのが熱かった。口ではボロクソ言うけど、やっぱクズ親父でも血の繋がった親子なんだね。全編の中で唯一決着がつくスッキリした終わり方。この話をラストに持って来たのは良かった。