あらすじ
一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。※本電子書籍は、『朝からブルマンの男』(ミステリ・フロンティア 2025年6月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】朝からブルマンの男/学生寮の幽霊/ウミガメのごはん/受験の朝のドッペルゲンガー/きみはリービッヒ
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Posted by ブクログ
小学生でも高学年なら読めそうだし、幅広い年齢に愛されそうな日常の謎小説。最後まで読むと青春小説的な要素もありさわやかでした。
それゆえ、謎や推理にあまり尖った部分が感じられず、今一つだったかなあ。
しかし推理小説初読みさんにもオススメできる、癖のなさは素晴らしい。
Posted by ブクログ
いまいちな助手系のミステリだけどちょっと観点が違う。
助手はほぼ正解を伝えるのだけどその根拠を先輩の探偵が解き明かす。
という組み立て。
ドッペルゲンガーの話は先が読めたと思って飛ばしてしまおうか、と思ったけれど妙に章立てが長いのでちゃんと読んでみたら自分の推理は全然的外れでした。
是非ご一読ください。
ラストの先輩のくだりも良かった。
Posted by ブクログ
バイト先の喫茶店に朝一番に来ては、2000円もするコーヒー、ブルマンを頼む男…
しかもそのブルマンを飲む時辛そうにし、残していくこともあるという。
大掛かりなミステリではなく、日常に仕掛けられた謎を解き明かす感じの短編ミステリ集。
金曜日だけまずいご飯の謎、幽霊の出る寮、受験の日に現れたドッペルゲンガー、盗まれたダイヤ…
ミステリ好きなのと探偵役の緑里先輩と主人公の志亜ちゃんの関係性が可愛くて楽しく読めた!
面白かったです!!
Posted by ブクログ
相沢沙呼のマツリカシリーズのような、女王様とポチ的な関係だけど、女子同士だとほんわか和やか。ただ、人物造形はほわほわ定まりきらない。ボク属性なのか、ほんのりお色気路線なのか、ギャップ萌えなのか…。
ワトソンとホームズのような関係で、日常の謎をさらりと解決&図解が入る本格ミステリは好き。論理立てはなるほどだけど、頭がついていかずそのあたりは斜め読み。
表題作、朝からブルマンの男が一番面白かった。
あと、列車のミステリは銀河鉄道999の情景を彷彿させられ雰囲気よし。うろ覚えだが、恩田作品でも夜行列車で語らう男女の話好きだったな。三月は深き紅の淵をのどこかだったかな?
Posted by ブクログ
ゆるーいコージーミステリかなと思ったら全然違ってて、嬉しい収穫。第1回創元ミステリ短編賞受賞作。
大学ミステリ研究会の2人組が出会った謎を解くと言うもの。よくある設定だが、登場人物の会話にも無駄がなく、いかに推理を優先して纏めているかと工夫されているのがよくわかる。短編なのですぐ読めるが完成度が高いので得した気分。
Posted by ブクログ
連作短編集ということで、全体を貫く縦軸の大きな謎とかがあった方が一冊としての満足感は出ると思います。が、表題作の「朝からブルマンの男」は完成度が高くこれを読むためだけに買う価値はあります。
Posted by ブクログ
【収録作品】
朝からブルマンの男
学生寮の幽霊
ウミガメのごはん
受験の朝のドッペルゲンガー
きみはリービッヒ
非公認のミステリ研究会の会長・大学二年の葉山緑里と一年の冬木志亜が関わる日常の謎(表題作を除く)を描く。
デビュー短編集とのこと。
大学生コンビ(ボクっ子探偵×ポンコツアグレッシブ後輩助手)の造形に若干の古さと居心地の悪さを感じてしまったのは、当方の世代故か。
表題作はなかなか不穏な真相で、素人女子二人が首を突っ込んでいいものではないが、あんな暗号は警察で説明しづらいだろうとも思う。思いついちゃったら書きたいよなという感があるトリック先行型作品集という印象を受けた。
Posted by ブクログ
2025年。第1回創元ミステリ短編賞受賞。
殺されないミステリ。ミステリ好きの女子大生2人が探偵なんだが、一人称ボクって今もあるの?
「朝からブルマンの男」おお。。こんなトリックが。ぽんと膝を打ったのであった。ちなみに子供の頃ブルマン飲んでたけど、そんな高価格ではなかったと思う。
「学生寮の幽霊」江戸川乱歩のその話、知ってる
「ウミガメのごはん」ウミガメ言うても、おいしいのとおいしくないのあるんだ。っておそらくカメを食べたことない。
「受験の朝のドッペルゲンガー」友情がもどることを期待。
「きみはリービッヒ」
この賞の行く末を見よう、忘れなければ。
Posted by ブクログ
大学のミステリ研究会の二人・葉山緑里先輩と冬木志亜が日常にある謎を推理する。
5篇の短編集。
蓋を開ければなるほどそうだったのかと気づくのだが、そこまでに辿り着く過程も飽きさせない。
次はどんな謎が…と楽しみながら読めた。
○朝からブルマンの男〜週3日、必ずブルマンを頼む男は決まって五千円を出す。
○学生寮の幽霊〜何故、空室に幽霊を仕掛けたのか。
○ウミガメのごはん〜おかんが作るご飯が、金曜日だけまずいのは…。
○受験の朝のドッペルゲンガー〜高校入試に遅刻しそうだった友人が…。
○きみはリービッヒ〜誰がダイヤを盗んだのか?
けっして難解ではないはずだが、気づけないのは自分が老化しているのか、上手くまとまっている良質な短編だからか。
Posted by ブクログ
「朝からブルマンの男」
「学生寮の幽霊」
「ウミガメのごはん」
「受験の朝のドッペルゲンガー」
「きみはリービッヒ」
メンバーが2人のみなのになぜか部室まである(英都大メンバーが羨ましがりそう)大学ミス研の部長と部員が、2人で日常の謎を解く短編集という、私が大好物な形式の作品。設定がド王道なので他作品との差別化は…といういらぬ心配(本当にね)は正に杞憂に終わりました。
表題作、なぜブルマンを頼むのか、は割とすぐ理由の推察がつくけれどそこからの展開が面白かった。
「ウミガメのごはん」はミステリ的には謎そのものよりも依頼人の明かす真相が一番のよみどころと思う。ちゃんと伏線もあるし。
そして「きみはリービッヒ」、こういう作品読みたくて学校を舞台にしたミステリを読むんだよなぁ〜と甘酸っぱい気持ちになりました。
当然続編出ますよね。楽しみに待ちます(^^)
やっぱり探偵相棒とも女性だと、読んでて嬉しくなっちゃう。(「地雷グリコ」はそこも好きだった。あれは主人公と相棒に加えてラスボスまで女子高生)
今作の探偵は時代柄か、ちょっとルーズなくらいでマイルドな個性のキャラクターだなぁ。
Posted by ブクログ
表題作のみ。ブランチの紹介から気になっていて予約してました。2千円のブルマンを飲むのに、どんな理由があるのかと期待して読み進めました。うーん、とへぇーが両方出る感じでしたが、結末が気になり読みやすかったです。その先は、まだ読めていません。
Posted by ブクログ
日常の謎を解き明かすのはミス研所属の二人組。
クールな緑里とそそっかしい志亜のやり取りが微笑ましい。
基本、人が死なないので安心して謎解きを楽しめる。
ドッペルゲンガーとリービッヒの話は、不意に切なくなる瞬間があって良かった。
ウミガメの話は、提示された謎よりも志亜の話の方が興味深いんだよなあ。
Posted by ブクログ
私には、スムーズに読み進められなかったけど、受験の話しは心打たれた。優しさのウソと、ちゃんと聞かなかった、確かめなかったことでのわだかまりとすれ違い。
これは、10代の自分たち、みんなに思い当たるのでは?と思った。
Posted by ブクログ
大学のミステリ研究会の二人(しかいないのだけれど)が、身近に起こる謎を解決してゆく連絡短編集。
設定はライトながらも、昔ながらの推理小説のテイストもある。
こういった短編集は割と多く、各作家さんたちはキャラで差別化を図っているように思え、この作品では、一人称が「僕」の、謎多きミス研部長がそれにあたるのでしょうか。
今後も期待したい作家さんです。
Posted by ブクログ
感想すぐかかなかったせいで内容ど忘れした。
表題の謎も読んだ直後はふーんと思ったような、
すごい驚いた記憶はない。
全体的に読みやすかったような気がする。
文庫化したら読んだの忘れて買ってしまう予感がする、
Posted by ブクログ
最近のミステリーは日常系とフード系ばかり
人気のあるジャンルなのは理解してるし、僕も大好きです
しかし、本作は普通(すぎる)
特徴や驚きが薄い
期待外れでした
Posted by ブクログ
面白かったです。表題の「朝からブルマン」。日常の気づきからの謎が大事になりまさかの事件にでびっくり。もっと日常的なほのぼの路線かと思っていたので。闇バイトに巻き込まれるなんてことはもしかしたら日常的なのかと怖くなる。
特に気に入ったのが「ウミガメのごはん」あの有名なウミガメスープが題材。人の数だけ解釈はあると思うがこの思考はすごくよかった。どの物語でもトンデモ思考を披露して縛られないってすごいと思っていたがこの解釈はすごい好きだなと。
全体的にどの謎物語も読後感がよかったです。
Posted by ブクログ
まず、タイトルがいい。このタイトルだけで、読んでみたくなった。
電子書籍でこの短編のみの販売があったので、まずはこれだけを購入して読んでみた。
主人公、志亜のバイト先に不思議な客が来る。そこは喫茶店なのだが、定期的にやって来ては朝一番に二千円もするブルマンを頼み、必ず残す。
いったい彼は何のためにそんなことをしているのか。
日常の謎としてかなり惹かれる。序盤の説明がきちんとされて、不自然がないように補足もしてくれて、読者が追いつくまで待ってくれるので、ちゃんとこちらも謎に没入できる。
終盤は、すわ大事件に発展するのではと思わせて鮮やかにひとひねり、日常の中に着地させるのが、この手の話の上手い決着だと思うんだが、そのまま大事件になってしまったのでがっかりした。
キャラクターについては、最近とんと見なかった、自分のことを「ぼく」と呼ぶ女子大生が探偵役で、これも唖然とした。そんなにマンガ的な造形にしなくてもいいのにな。
大人っぽい洒落たミステリにまとめて欲しかった。
あとは全体的にとっても好きな話だった。