あらすじ
人類の歴史で、長らく「人間(man)」の代表とされてきた「男性(man)」。歴史、文学、医療、スポーツ。あらゆる領域で「標準」とされてきた男性像は、他方で、必ずしも男性一人ひとりの実際と重なるものではない。等しく強いわけでも自律的で自立しているわけでもない男性たちは、いかにして「男性」として存在させられてきたのか? 男らしさとは、そもそも性別とは何なのか? そんな「当たり前」を考え直すための最初の一冊。
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Posted by ブクログ
ジェンダーの勉強をするために読んだ。男性とは何かのなかに、特権についての記述がたくさん。
自分の特権についても考えさせられた。特権はある集団に属しているというだけで自動的に付与される利益。そして、誰かが犠牲になっていること。
自分の特権にもう少し思慮深くなるべきだろうなぁ。
以下、勉強になったことメモ
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男性を俯瞰する三つの視点
①男性の制度的特権
集団としての男性が、集団としての女性の犠牲によって、制度上の特権を享受している。
フェミニストは「家父長制」と呼んで批判してきた。
男性は社会のスタンダードだと思って、性差別を他人事だと思っている。
→男性が主体的に脱ぎ捨てるべき下駄。「優越思考」「権力思考」「所有思考」
男性を優位に位置付ける法律や戸籍なども含まれる。強制的な夫婦同姓、父系を重視した戸籍制度、女性だけに設けられていた再婚禁止期間など。
②男らしさのコスト
男なら強くあれ、泣き言を言うな、必死で働けなどと強制される男らしさ。下駄を履かされている感じ。
本人が望むかどうかに関係なく、女性を踏みつけたり、見下したりするよう、社会から要請される。
→男性ならこうあるべきとしめつけることは脱ぎ捨てるべき下駄。
③男性内の差異と不平等
男性内のインターセクショナリティ。男性にも一般的な男性像には合致しない人もいる。
→人権は履いておくべき、守るべき下駄。
※男らしさの鎧を脱ぎたいとおもっても、脱げない男性もいる。他者が求める男らしさに応えなければ自分の存在が脅かされるから。
※達成か、逸脱か
鎧と呼ぶべき男らしさを証明するには、二つの方法。一つ目は、もちろん活躍して達成すること。
それはごく一部に限られるので、「逸脱」というあえてルールを破ってみせることによって自分のすごさを認めさせようとする。この逸脱にもヒエラルキーがあり、ヤンキー、不良のピラミッドができる。
メンズクライシス→剥奪感の男性化
①経済的剥奪
②社会的剥奪
③有機体的剥奪
④倫理的剥奪
⑤精神的剥奪
⑥性的剥奪
フェミニズムを理解しているはずの男性が、実のところ「自分は女性にとって危険な男性ではない」とアピールしたいだけで、社会構造に対する問題意識は全く変わっていない、それどころか拒んでいるケースがある。
女性の立場に寄り添い、フェミニズムに理解があるような姿勢をとって、相手から「キモい」と思われないことを重視している。
本当の意味で、相手の女性や、女性差別の問題と真摯に向き合っているのではない(p.212)
<↑これ、いるなぁ。理解者の顔して近づいてくる男性。だんだんキモくなってくる。>
Posted by ブクログ
男性の特権だけでなく、男性が背負わされてきたコストや、トランス男性・男性への性暴力といった見落とされがちな不平等にも触れた良書。
男性学は男性批判ではなく、社会構造を理解するためのレンズだと実感した。フェミニズムに関心のある人にもおすすめ。