【感想・ネタバレ】まんぞく まんぞくのレビュー

あらすじ

深夜、覆面をして、酒に酔った侍に喧嘩をしかけては、髷を切ったり川に投げ込んだりして楽しんでいる男装の女剣士。それは、十六歳の時、浪人者に犯されそうになり、家来を殺された堀真琴の、九年後の姿であった。真琴は、敵討ちを心に誓って剣術の稽古に励んだ結果、剣を使うことが面白くて仕方なくなったのだが……。女剣士の成長の様を、絶妙の筋立てで描く長編時代小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ちょっとした出来事が、波を呼び、それが大波になって押し寄せてきて逃げられなくなる。さらにその余波がまた繋がりあって翻弄される。この先どうなってしまうのだろうと楽しく読ませてもらった。
直接的ではないけれど自分が原因で、父のように慕っていた人を暴漢から殺された真琴。仇を打とうと始めた剣術が、めきめきと頭角を表していき、次第に剣術そのものに魅了される。旗本の後継ぎという自分に与えられた立場も省みず、我が儘に暮らす。無礼な侍との出会い、信頼する恩人からの優しい説教のお陰で心境に変化が。
主人公がいい人ではなく、壊れている。お鳥見女房の「主要人物がみんないい人」を読んだ直後なのでそれがまた良い。
女々しい女と男らしい男たちが出てくるのも珍しいなあ。
最後の急展開で「?」となってしまったけれど、落ち着くところに落ち着いたので読後感はさっぱりしている。この作家の別の作品も読んでみたい。

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2015年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

強姦されそうになった真琴が、男を見下すようになったのは仕方がないことでしょう。
でも、憂さ晴らしに、髷狩りをする真琴の成長した姿には感情移入できなかった。酷い目にあっても、自分を律した行動が取れる人物こそ、本当に強い人物の筈。理想論かも知れませんが、そんな格好いい人間でいて欲しかった。

0
2012年10月17日

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