【感想・ネタバレ】逆転正義のレビュー

あらすじ

教室である日突然始まったいじめ。「僕は見て見ぬふりなんかできない!」。職員室へ密告に行くが、先生は何故か見て見ぬふり。たまらず先輩に相談すると、加害者たちを実名で晒し始めあっという間に大炎上。「自分は正しいことをした」と思っていたが――。日常で暴走する〝正義〞を題材に、常識がひっくり返る全篇大どんでん返しミステリ短編集!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

どんでん返しの短編集。中山七里らしい巧妙な仕掛けをギュッと詰め、どの話も満足のいく騙され方をする。本当に無駄のない文章で、これだけ密度の高い短編を作れるのは流石だと思う。読書初心者におすすめしやすい一冊!

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どんでん返しモノが好きなので、レビュー見て購入。短編だと難しいのでは?と思ったが、無駄のない情報と読みやすい文体、そしてどんでん返しに楽しく読むことができた(といっても重めの話も多いのだが)。

全体を通して
・一見加害者にも背景がある
・過去に罪を犯したからと言って第三者が『正義』を振りかざして攻撃していい理由にはならない
・その自称『正義』が加害になることもある
・加害者と思いきや被害者、被害者と思いきや加害者という可能性もある
・正義とは?罪とは?

といったテーマが感じられた。

どんでん返しを楽しむのはもちろん、いろいろ考えさせられる内容だ。
自分の価値観もひっくり返される、という意味で『どんでん返し』なのかもしれない。

どの話も面白かったが、一番最後の『死は朝〜』は展開の予測がつかず、衝撃と真相にいろんな気持ちがこみ上げてきて泣いてしまった。
スカッとジャパン(懐かしい)的な後味の良さもある(笑)
この話が最後でよかったな…

読めなかった、という点では『保護』も面白かった。
小説ならではだなぁ。
頭の中に浮かんでいた映像が見事にガラガラと崩れ落ち、再編成される。
どんでん返しモノの好きな瞬間は、読み返して「ああーーー!確かにそう書いてる!!(あるいは書いてない!!)」と衝撃を受ける瞬間。たまらないですね。

この作品で作者さんを知ったのですが、他の作品も面白そうなので読んでみようと思う。


唯一『ストーカー』に関してはいろいろツッコミどころがあった…(笑)
あと読んでてしんどい(笑)

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下村さんのどんでん返し短編集!
•「みてみぬふり」…教室では、同級生の三ツ谷が、古島達3人に毎日弁当を捨てられたり暴力を振るわれていたりと、いじめが止まらなかった。
冬樹は、いじめの状況を担任の石澤に相談するも、石澤は状況を目の当たりにしながら何も行動しない…
みかねた冬樹は先輩に相談すると、捨てアカウントでいじめの事実をSNSで#拡散希望と付けて名前付きで投稿してしまう。
あっという間に投稿は広まり、三ツ谷へといじめはなくなったので、冬樹は内心清々していたが、古島が自殺未遂を起こしてしまう…
2年前に三ツ谷の兄がいじめられていた時、担任は石澤であったのだ。
三ツ谷は敢えて古島達お願いして、いじめられているふりをして、石澤先生が助けてくれるか試していたのだ。
しかし2年前石澤は何もしなかったわけではなく、彼なりに働きかけていたのだ…
第三者視点で、世間一般的な「悪人」を、正義感だけを理由に、相手を叩きのめしたいという感情に任せて徹底的にバッシングできる世の中。
まるで中世ヨーロッパで行われてきた魔女狩りのようで、魔女側になるのもおそろしいが、自分が魔女狩りをする側にならないように、正義を振りかざすことで悲劇につながることのないように気をつけようと思いました。
•「保護」…コンビニの前で雨の中、傘もささずに立ち尽くしている制服姿の春子を放って置けず、アパートの自室へ匿う事にした満雄。
40歳と17歳、2人の歳の差をしっかりと意識しながらも、満雄は女性と付き合った事がないなりに、春子と少しずつ距離が縮まり、いずれ2人は結ばれるが…
いや〜〜〜やられた!!!
まさか春子が40歳の引きこもりで、満雄が17際の中卒サラリーマンだったとは…
最初に春子の顔を見た時に驚いたり(女子高生だと思っていたため)、28歳の上司に怒られていたり、女性経験がなかったり、そりゃ17歳なら普通だわな!と伏線にも納得できました…
と同時に、40歳でいまだに職につかず、養われていながらも親の介護に疲れたもいう理由で家出をして、挙げ句の果て17歳の少年に匿ってもらう春子の、常識の無さに鳥肌が立ちました…

ここから短くします。
「完黙」…麻薬の密売人の話。逮捕されても、背後にいる組織の存在は決して明かさない。その理由は、裏の世界で信用を得るためである。
だがまさか、その先再逮捕された時に全てを麻取にバラし、組織の幹部達もろともぶっ潰すためだったとは(薬により亡くなった奥さんと娘の復讐を果たすため)全くよそうできませんでした。
アングラ的スリルもあり、読んでいてドキドキしました。
•「ストーカー」…風呂場にて、ある「殺人」を犯した直後に彼氏が急に家に!現場を見られるわけにはいかないので早く帰って欲しいのに中々帰らない彼…どうする?!
まさかストーカーが、その「彼」で、殺人というのは、身籠った子供を体内から掻き出してトイレに落としたことだったとは…しかもその赤ちゃんは助かり、殴り殺したはずの彼までなんと生きていたという、お先真っ暗エンド…
•「罪の相続」…祖父が、戦時中に食料の代わりに身体を差し出してきた女性と関係を持ったことにより、女性の孫にあたる人物に”罪の相続”として息子を殺された主人公の話。
まさか犯人が子供で、家で祖父が”罪は相続されるもの”という教えに沿って起こしてしまった事件であったとは…息子の罪を隠すために、父親が罪を被ろうとしていたのだ…
•「死は朝、羽ばたく」…刑務所を出ると、少年3人達にカツアゲの脅しをかけられ続ける主人公。
まさか主人公が、前科者の出所者ではなく、刑務官だったとは…
彼は死刑のスイッチを押す役割を担い、精神的負担の重さに耐えきれずに辞職した直後だったのだ。
死刑囚からの手紙に書いてある、「死にたくないと思いながら死んでいくことこそが罪を償うためには必要だ」という言葉が、あまりに重くて恐ろしさすら感じた。

六つの話全てがどんでん返しで、どの話もどんでん返しの火力がとてつもなく高かった!
どんでん返し選抜!!!

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編にも関わらず緻密なミスリードによるどんでん返しを楽しめる。
それぞれ社会問題に一石を投じるような構成も上手い。
限りなく星5に近いクオリティ(個人的に本格物が好きなので、リアル系の作品はそこまで高評価できないだけ)。

特に2章目の叙述トリックは鮮やかで、油断して読んだら久々に度肝を抜かれた。
すぐさま読み返してしまうほど。
全体に考えさせられるというか後味の悪いストーリーが多いが、最終話が救いのある展開で読後感は良し。
手軽に読めるので是非読んでいただきたい。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終盤に前提をひっくり返してくれる系の短編集
「死は朝〜」は大学で死刑制度を研究していたから考えさせられた。
1番好きなのは「保護」
人間、性差とか人種とかよりなによりも年齢のバイアスが1番強い気がする

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みやすかったけど違和感が多々。

いじめを見てみぬふりしてたんじゃなくて、
様子を見てたんだ、っていやなんか早く行動しろって思うし
まさかのお願いしていじめられるというのは自分の身を削りすぎだし、
40歳でJKおばさんやってる人と同棲生活しちゃう17歳はちょっと頭弱すぎだし、
先祖代々で人を恨むって意味わかんないしきたりだし、しかも結局勘違いだし、
死刑執行人=殺人者という見せ方をするために
死刑囚の家族に「人殺し!」と言われるとか
いやあんたの家の子が死刑になるようなことしたからですよ、って感じだし
ミスリードに無理矢理感があって種明かしされても、うぅ〜ん?という感想。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出張のお供で購入。各章ごとに読み切りなのでさくっと読み切れました。
読み手が想像する結末をひっくり返す(えっそれ?)というオチが多く、どんでん返し好きならハマるかも。

鬱ぽい展開、結末が多いのですこし覚悟はいる。

あくまで短編もののどんでん返しなので、衝撃は少ないです。しかし複数の話が詰め込まれているので、その分味わうことができる。

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2025年09月04日

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