あらすじ
『愛の不時着』『梨泰院クラス』『私の解放日誌』etc.コロナ禍をきっかけに韓国ドラマにハマった作家が、その多様な面白さを作家ならではの視点で綴る。
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Posted by ブクログ
小説家・角田光代による韓国ドラマ談。なんでこんなに韓流ドラマにハマる人が多いのか、その疑問解明のために読んでみた。
角田氏によると、韓国ドラマは本気度が違う。本気で美しいものを描こうとし、純粋なもの、いのちは救えなくてもたましいを救うなにかを信じている。
韓国ドラマは、激しく感情を表出させるのが自然であり、えげつなく過酷で悲惨な物語も多い。設定も財閥令嬢とか、どこまでも悪の権化みたいな完璧な悪役とか、運命のいたずらが過剰だったり、とにかく盛り盛りらしい……
そういう特徴はこの本を読む前から聞いていて、だからこそ韓国ドラマは見る気がしなかったのだけど、角田氏の話っぷりからちょっと興味が湧いてきた。
物語がぬるくなく、想像のはるか上をいく展開で、そんなに好きじゃないと思いつつ引き込まれて見続けてしまうというあたり、体験してみたくなった。
そりゃ作りすぎだろうあり得ない、という設定、まっすぐにテーマを突き詰めていく作り手の熱量。溢れるばかりの感情で揺り動かしにくる演技。見るものにカタルシスを与えるのが韓国ドラマなのかなと想像した。
また、韓国ドラマは最新の社会批判を含んでいたり、シビアな政治・歴史が織り込まれた物語が多いのも見どころらしいので、見てみたいと思う。