あらすじ
「この本を書くことは、一経営者としては正しい判断ではないかもしれない。だが、書かずにはいられない」。いまだにほとんどの日本人は「この国は豊か」と思っているだろう。それがいかに「現実」とかけ離れた思い違いか、本書を読めばわかるはずだ。勃興するアジア経済から目を背け、「未来からの借金」で身の丈の2倍の生活をする日本人。借金を返すどころか「増税」という愚策しか打ち出せない日本政治。なぜ国民も、政治家も、「稼ぐ」ことを忘れて「貰う」ばかりになったのか。松下幸之助や本田宗一郎が体現した「資本主義の精神」はどこへいったのか。「グローバル化の尖兵」を自負するファーストリテイリングの経営トップが見詰める世界と日本の「現実」とは。「成功法則」のない時代に企業と個人がもつべき「視点」とは。「あなたが変われば、未来も変わる」。本書はこの国を愛する企業家が身を賭して著した警醒の書であり、希望の書である。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
<備忘録>
Whatever is , is reasonable
起こっていることは、すべて正しい
自分にとって不都合なものであっても、目の前の事実を躊躇なく受け入れること。
言葉を換えれば、「世間は正しい」と常に思え、ということ。
「いいモノ」とは何かを決めるのは、あくまでも世間であって、自社のエンジニアやマーケターではない。
現在の日本に必要なこと。
だからこそ、「理想をもて」と言いたい。
苦しいときほど、理想をもつことが大切。こうなりたいという理想があれば、いろいろなものが見えてくる。三年後は海外で活躍するビジネスパーソンになる、という理想を描けば、英語力をつけるために勉強する。資金を集める、グローバルに展開している企業に転職する、と、やらなければならないことが、たちまち具体的になる。
逆に理想なくして日々を平凡に生きていれば、目の前にとてつもないチャンスがあっても、気付かず、通り過ぎてしまうかもしれない。
そして、願わくば、その理想はできるだけ大きいほうがよい。
理想は小さいから実現するものではない。大きければ大きいほど、頑張れるし、エネルギーも出る。
心の底から、「こうなりたい」と思う姿を、誰に遠慮することなく思いきり、描けばいい。
誰にとっても人生は一度だけ。それなのに、たった一度の人生を他人任せにして、びくびくしながら生きるのは、じつにもったいない。
人生の主役は自分自身。自分の中にどれほどの可能性が詰まっているか、試してみないと分からない。
昔に比べてどうかとか、そんな話はどうでもいい。
あなたの可能性は、あなたが見つけ出すしかない。
もし、それがいまの日本で見つからないというなら、どこかの国で探せばよい。活路は世界にある。
誰かが変えてくれるだろう。そう思っているうちはいつまで経っても変わらない。国の主役は国民である。日本を衰退させてなるものか、という意識をみんながもって、あるべき未来のために、自分は何ができるかを考える。当事者になる。そして実行する。
そうなったとき、この国は変わる。
Posted by ブクログ
若いころから、寝る前につづけてきた作業がある。自分の考えをノートにまとめること。自分の仕事を通じて、将来、どういう人物になっていきたいのか。自分の会社を通じて、この世にどのようなことを実現していきたいのか。自分の生きてきた証をいかに世に残すのか。どれだけ社会貢献できるのか。ノートに書くのは、自分の夢や理想だけでなく、時に不安や悩みのこともあった。 それらを文字にまとめることで、不思議と自分のモヤモヤが晴れていく気がした。 血を吐くような不安におそわれても、私はこうすることで、なんとかひと筋の坂道を登ってくることができた
Posted by ブクログ
中野郁次郎:失敗の本質 目の前の現実を視ないで、過去の成功体験にとらわれて変化を嫌う。論理よりも情緒を優先し、観念論に走るといった徳性は、時に取り返しのつかない結果を招く 起こっていることはすべて正しい 心の底から勝ちたいという情熱がなければ、大名でも野武士に寝首を掻かれてしまう 司馬遼太郎:日本人は商人としてのリアリズムをもち、お得意さん大事の感覚と、世界中に喜ばれる存在になる以外、生きて行く道はない
Posted by ブクログ
現状維持でいい。そう思った途端、進歩は止まる。外の世界では、絶え間ない進化と発展が続いている。何もせずに同じところにとどまっているのは、じつは最大のリスクなのである。この国にもう、安全、安心、安定はない。自分は人生をどうしたいのか、会社をどう変えたいのか、この国をどうすべきか、、、一人ひとりが日本の置かれた現実を直視しながら、志高く毎日を真剣に生きないかぎり、未来も変わらない。
上記は、本書で一番私が響いた箇所である。特に、ユニクロは社会貢献というキーワードがよく出てくるが、そのための『変革』は必要不可決であるとのこと。2011年の全社スローガンが「change or die」と掲げており、ドラッガーが掲げている言葉をそのまま引用している。自身に通ずるところもあり、心に残っている言葉です。