あらすじ
「愛されるだけの上司は、もういらない」「休暇をとらない上司は解雇する」「徹底して結果を求めよ!」トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長時代に、19年連続増収増益という偉業を達成した伝説のリーダーが、その極意を語り尽くす。著者は、「報連相」や「部下へのアメとムチ」を、「三流のやること」と断じてはばからない。最高の報酬とは仕事の達成感であり、その勝利の味を知らしめるためにデッドラインを駆使してチームを動かすことだけがリーダーの仕事だとする。超・厳しいのに部下からは「あんなに面白く働けたことはない」と言われてしまう、その極意とは? これからの時代に活躍できる、爽快で斬新なリーダー論!
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Posted by ブクログ
明快なリーダー論。実例も豊富、特に欧米と比較して日本人の弱点に対する指摘が数多く含まれている。自分も企業人として、部下を持つ身として、著書の主張のほとんどに共感し、ほぼその通りと思う。もちろん自分の立場など著者のそれとは比べ物にならないくらい小さなものであるが。ただ、従って、共感する著者の論に対して、実際に自分がどこまで出来ているか、そう考え、行動するにはどうするか?など、振り返りながら読むことになった。
日本の企業の競争力低下には、著者言う通り危機感を強く持つが、今後それがよい方に変わって行く道はあるのだろうか?
正直、難しいと思っている。その点だけは、モヤモヤとしてどこにも行きようがない、なんとも言えない気持ちが残ってしまっている。良本です。お薦め。
Posted by ブクログ
プロセスを大切にする日本風な考え方とは全くことなる,斬新なリーダー論。
僕も仕事をした気になっているケースがあるので,注意したい。
部下には厳しくデットラインを設けるべし!
想定外を英訳すると
I do not see is what I do not want to see.
<2016年6月アップデート>
人事評価(目標設定)のために読み直してみたが,二度目でもおもしろかった(★5個にグレードアップ)。
吉越節満載で,ひたすらアウトプットを意識すというぶれない姿勢は見習うべきであると思う一方で,日本企業でここまで貫けるかどうかが課題と感じた。
日本式の騒がしいオフィスにいるとなんとなく仕事をしている気になり、実際自分の仕事と真剣に取り組んでいるのは短い時間だけ。実はものすごく非効率。やってみたらわかるが、個室で集中して仕事をするほうが圧倒的に能率があがり、残業するよりも多くの成果をあげることができる。
私たちは現在パラダイムシフトのまっただ中にいる。あらゆる事が史上かつてないスピードで変化しておりノウハウ書にかかれているような知識はあっという間に廃れて使えなくなってしまう。つまり、仕事においても上司に正解を教えてもらうという姿勢はもはや通用しない。特に常に判断を下すことを求められるリーダーは答えを自分で考え出せる人間でなければならない。
計画を完璧に立てるのではなく、これが正しいと60%確信がもてたらすぐに走り出して25%のところで一度立ち止まって見直すという作業を繰り返すのがよい。最初から完璧な青写真を描くのはなく走りながら徐々にコースを修正していけばよい。
経営するに当たって常に最高の条件が用意されているとはない。むしろ生涯や逆風があるのが当然である。そういう状況の中でいかに結果を出すのかが経営である。
ジャックウェルチの4E(仕事を成し遂げる情熱、組織を活性化させる、厳しさを持ち困難な決断、実行力)。これらはすべて暗黙知だから自ら学ぼうと思わなければ絶対に身につかない能力である。下から好かれることはリーダーシップではない。
360度評価なんて不要である。部下からの評判を気にしていたら判断軸がぶれてしまう。
リーダーはなによりも徹底度が必要である(誰よりも考え抜く)。徹底的にやれるかどうかに実力が現れる。会社に安らぎや和気あいあいという感じを求めているとしたら,それは間違いである。
他人の真似だろうが,いいところは自分にも取り入れた方がいい。
リーダーシップを身につけるためには,自分に対しても厳しくすることが必要であり,甘えを排除しなければならない。
プロセスを重視すべきではない。本当に正しいプロセスで進んでいるのであれば,結果は出るはずである。プロセスがよかったのに結果が出なかったという事などない。
前例に倣うのは,リーダーではない。マニュアルに解を求めるのはリーダーの役目を放棄している。
リーダーには周りを明るくするユーモアも必要。怒ったあとにはジョークを言うなどして,和ませる。
うまくいかないのは,たいていの場合,才能・能力ではなく自分に対する厳しさが足りない。考え抜いて,決して雰囲気や感覚では決断しない。裏付けに必要な事実情報を用意する。
ウエストポイントの士官候補生は全員格闘技が必修。危機に陥っても冷静な判断が下せるようにするため。
成長したければ、自分で学ぶしかない。そういう学習の機会を与えるのが、上司の役目。
リーダーが情報をオープンにしているのに部下と結論があわないのであれば、情報の出し方が足りないと疑ってみるべき。情報共有ができていれば、結論は一致するはずである。
リーダーになるためには,うまくいかなくても強い意志をもって何度も何度も挑戦する。試行錯誤せずに成長することなどできない。ひたすら自分を磨く。
成功するまでやれば,必ず成功する!
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勇気の湧く本!自分のリーダーシップに対する価値観が間違いでないことを確認出来た。無責任な立場の無責任な発言や能力のない無責任なリーダーシップは、やはり論外であり、自分に対して徹底的に厳しくなれない限りは本物のリーダーになれないことが著者が言及してくれている。
教育によって育てられる部分はわずかな形式知の部分であり、残りは暗黙知。言語化できない暗黙知を体得していくしかないとわかっただけで、この本は自分にとって価値がある。つまり、リーダーシップは教えられず、経験からたどり着いて結果、身につけるもの。これからは、もっと挫折をしていこうと思う。
Posted by ブクログ
トリンプ・インターナショナル・ジャパン元社長、吉越浩一郎氏の最新作。吉越氏の本は何冊も読ませて頂いているが、今回の本は、今までの著書以上に、吉越氏は怒っているように感じた。それは日本に対する最終通告かのようだ。それぐらい危機的な状況だというのを僕たちは理解し、行動していかないといけない。
その危機的状況の原因を作っているのは、日本にリーダーが不在だから。吉越氏が提唱するリーダー論は、昨今のリーダー論とは正反対だ。厳しい。とにかく厳しい。結果がすべてと吉越氏は言う。この本を読んで厳しいと感じた自分もそうだが、これを読んで厳しいと感じている時点でダメなんだと思う。世界ではこれぐらい厳しくてあたりまえ。日本だけぬるま湯に浸かった、平和ボケしている国だというのを痛いくらいに理解させてくれた。
日本の大企業が軒並み赤字続き。それも世界に羽ばたいていた、時代の先端技術を持つ企業が大赤字。その理由がこの本を読むと分かるはず。スピードが足りない、何をやるにしても中途半端で、責任を取りたくないから、すべてのことが曖昧。日本人らしさは、こと働くということに関していうと、まったく役に立たないのかもしれない。
本の中に、とても具体的に日本のダメな点が多数書いてある。例えばその中のひとつが、エスカレーターひとつとっても、日本のエスカレーターには、注意書きが七項目も書かれているが、海外ではまったく書かれていない。要は、言われたままに生きていれば、そこそこ生きられてしまうように作られているのが日本という国なのだ。そういう社会ではリーダーは育たない。想定外の状況でも、自分の頭で正解を考え、瞬時に判断していけるのが、リーダーの本来の資質だ。自己責任で物事を判断し生きていかないと、世界レベルの仕事ができない。そういった世界レベルの仕事をさせる為にも、上に立つ人には、絶対的に強制させる力が必要なのだ。
最後に、「成功するまでやれば、必ず成功する」この言葉をすべてのリーダーに贈ろうと締めている。そういうことなのだ。成功するまでやらないから、成功していない。赤字だったらどうして赤字なのか。徹底的に原因を追及する。追求し、対策を立てる。そして即実行。ぬるま湯に使った日本人は、ヘラヘラ笑って仕事をしている。その間に世界の企業は必死に前へ進む。もう猶予はない。企業のトップが読むのは勿論のこと(悲しいけどダメな企業のトップは、こういった本を絶対読まないだろう)リーダーの指示を受けて働く僕らも。これから社会に出て働く学生達も。日本人全員が読まないといけない。
なぜなら自分の人生のリーダーは自分だから。
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私にとっては,2つの理由から重要なテーマでした.
1つ目は,研究室スタッフとして学生や同僚を引っ張るべき役割を担っているという点,2つ目は,日本人学生に対して,よい意味で社会の現状や厳しさを伝えるべき役割を担っている点からです.
読み終えて,考えさせられることが本当にたくさんありました.私はこの著者を「残業ゼロ」という経営手法を採用した経営者として以前から知っていたのですが,残業を暗に認める勤務習慣が如何に日本に非効率をもたらしているのかを強く実感できました.
自戒するべき部分も含め,参考になる部分が本当にたくさんあります.
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外資的なリーダーシップ論。
リーダーの気概と覚悟が大事である。
早朝会議、デッドライン、残業ゼロ。
このようなリーダー論もたまに読むと元気になる。
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リーダーは自分自身で経験を積みながら育っていくもので、研修などで育てることはできない。しかし、リーダーシップを手に入れたいと考えている人に道標やヒントを示すことはできるという著者のリーダーとはかくあるべき論。
著者の実体験を元に書かれている部分が多く説得力がある一方、トップでなければそこまでできないというものも少なくない。著者の主張の本質を掴んで、自分の立場に置き換えて適用することが求められる。そこがまさに著者のいうリーダーシップは教えられないということなのだろう。
プロセスでなく結果がすべて、プロセスが正しければ結果も出るはずと、世の中のリーダーシップ論に苦言を呈してしるところもある。そこで否定されているリーダーの姿は、まさに自分のことのようでもあり、喝を入れられた気分だ。
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トリンプ日本社長の本。外資畑が長いせいか、外資万歳の感はあるが、日本企業特有の伝統へのバッシングもたしかに納得の部分あり。
残業しすぎ、会議が多すぎ等々。。。
またデッドラインにて部下をコントロールする手法はすぐ試してみようと思った。
Posted by ブクログ
元トリンプ社長の吉越氏のリーダー論。
ありきたりのHowTo本じゃなく、あくまでも現場での体験に基づき、ビジネスリーダーとはどうあるべきか、プロフェッショナルとしての姿勢を示す内容であった。
経験則の中でしか得られないスキル。またそれらはマニュアル化出来ない事を示す。
部下を持つ立場の方にオススメ出来る1冊であった。
Posted by ブクログ
概ね賛同、一部はうちにははまらない感じ。部下に任せて、やらせることで成長を促す。明らかに大きく方向が違うときは修正するが、都度報告や口出しはできる限り控える。そうでないと、上司の枠を越える部下は育たない。
Posted by ブクログ
【読書その117】今の職場に異動して2か月と少し。職場を今まで以上にまとめて結果を出す立場になり、その難しさと自分自身の力不足を痛感する日々。そんな中で手に取った本。やはり、ひたすら自分自身を磨くことが大事。自分に厳しく成長していけば、おのずと結果もついてくるだろう。毎日日々試行錯誤だけど、自分自身を信じて覚悟を決めてやらないといけない。あとは少し心に余裕をもって、毎日を楽しんで仕事をしたいと思っている。
Posted by ブクログ
キーワードは自立、徹底、結果、デッドライン、日本人。
単語でみればなんてことないが、組み合わせにより出来上がる意味とその背景にはリーダーになるということは口でいうほど簡単ではないことをよく分からせてくれる。
Posted by ブクログ
吉越氏の著作は以前読んだが、自分が経営者となった今読むと、書いている事の多くは、全てある意味あたり前の事と感じる。リーダーシップとは暗黙知であり、マニュアルや研修でこうすればリーダーになれるというような類のものではないという事だが、その通りである。自分自身が学び育つ人間であればリーダーになる素質はあり、教えてもらえうという姿勢では絶対にリーダーとはなれない、という。
ラジオが5000万人のユーザーを獲得するのに38年かかった。テレビは13年。インターネットは4年。iPodは3年、Facebookは2年である。
現代は、歴史上かつてないほどのスピードでパラダイムシフトが起きており、ノウハウ書に書かれている知識はあっという間に廃れて使えなくなる。上司に正解を教えてもらえる姿勢はもはや通用しない、という。常に判断を下すことを求められるリーダーは、答えを自分で考え出す事が求められている。
報連相を否定し、部下を褒めることすら否定する。部下の報酬は、成功による達成感であり、結果が全てであると。全ての仕事に厳しいデッドラインを設定し、それを徹底する。
経営において、最高の条件が用意されている、などという事はありえない。障害や逆風があるのが自然であり、そうした与件の中で結果を出す事が経営である。
Posted by ブクログ
さらっと読める本が読みたくて、家にあったので読んだ。
トリンプインターナショナルで敏腕社長として活躍した有名ビジネスマンの吉越さんという人が書いている、リーダー論(というか、社会人として、日本人として、ビジネスマンとしての指南書のような感じ)
ワークライフバランス社の小室さんが気になる今日この頃なので、すぐに吉越さんの言っていることと同じだと思った。
この二人は結局、同じような仕事の仕方をする強力なリーダーシップがあるのだろう。
残業なし、デッドライン引く、情報をオープンに。
吉越さんはリーダー論として書かれているので、
●決めた事を徹底出来るかどうか
●部下に嫌われようが関係ない
●仕事の報酬は、もっと面白い仕事
●利益を出せ、費用対効果を意識しろ
、、というまったく異論はないものの、どうにも旧来の出来るビジネスマン口調の親近感を持ちにくいアプローチだったのに対して、
小室さんは口当たりよく
●ライフの充実
●子育て、介護との両立
●日本が抱える問題を税金を使わずに解決できる
今まで福祉による解決のアプローチだったようなものが並ぶ。
より新鮮で注意を引かれた。
でも結局、やり方は同じ。
吉越さんがいう、適正な仕事の与え方が結局ミソだと思う。
本人の能力よりちょっと難易度の高い要求をし続ける。
的確に能力を捉える力も必要だし、どこに無理を持ってくるか常に微妙な采配が必要だと思う。
今まさにうちの会社で取り組むワークライフシナジーがどうなっていくか楽しみ。
社員一人ひとりがリーダーとして活躍できるような人材になった時に初めて生産性の高い残業なし状態を実現出来る事なのかもしれない。