あらすじ
クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。
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Posted by ブクログ
面白すぎます。
絶対面白いだろうから、取っておこうと思った自分を叱りたい。いつもすごい分厚いのに、この本の薄さにびっくり!
スラムドックミリオネアみたいやなと思ってたら解説にもバッチリ書いてましたね。
これを読むまでクイズというものを誤解してました。確定ポイントや読む人の口の動きや押したときに出る次の1文字まで解答に使うこと。
これから早押しクイズ見る時ぜったい楽しくなるー!
中盤に三島が出題者に関係する問題が出ていると気づいてからも良かった。彼がいう「クイズに正解したということが、今までの人生を肯定されたことになる」ってとこがすごい良かったです。
なぜこれをするのかって理由が出てくる小説は大好きなんでこの作品を読めてほんと良かった。
Posted by ブクログ
テレビクイズ番組『Q-1グランプリ』
主人公三島玲央は、本庄絆と対峙する。
その最終問題、問い読みが問題文を読み上げようとしたまさにその瞬間、本庄の早押しボタンが押され、彼は正解し、賞金1000万が渡された。
なぜ、彼は『ゼロ文字押し』で正解することができたのか?
競技クイズについての物語を超えて、人生とは?という壮大なスケールまで話が進む。
物語に出てくる『熊の場所』
それはその人の人生にとって、あらゆる恐怖の源となっている原因のこと。
『熊の場所』から運良く逃げだせたとしても、それは心の中に残り続ける。
『熊の場所』を取り除くためには、『熊の場所』に戻って、自分の手で熊を退治しなければならない…
ここはぐっときた。
自分にとってトラウマになっていること、もの、場所
それを考えないように忘れるのか
あるいはあえて乗り越えるのか…
私自身にも最近あったことだったから…
運命って、与えられるものではなくて
何を選択し選び取るのか
決めるのはやっぱり自分だと思う。
その選択があっているのか、間違っていたのかは後にならないとわからないのだけど…
そんなすごく深い話まで及んでいて凄く良かった。
クイズプレイヤーがクイズを内側から見ていること、観戦者は外側から見ているから、クイズプレイヤーが魔法をかけているかのように見えること…
どれだけの知識をどれだけの努力で自分のものにしているのか…
これはぜひ、あなたの目で実際に読んで欲しい。結論はそれぞれ違うと思うから。
僕のクイズを問うている
僕の頭は藤川球児のストレートくらい回転している。
最序盤のこの文章から俄然引き込まれた。
すごく筋の通った展開で、タイトルとラストもリンクしていて読後感の良い作品。
Posted by ブクログ
QuizKnockをよく見ていて、クイズを題材にした小説がどんなものか気になって読んだ。
謝辞にQuizKnockのことも書いてあり、作者と自分の世界が少し重なっていることに親近感を覚えた。
結末が腑に落ちきらない感じもあるが、それは、僕にとって本庄が理解の外側にいることと重なっているのだと解釈した。
一人称視点のみの小説の味わい方なのかなと思うなど。
主人公の頭の中で、終始連想ゲームが起こっていて、忙しない感じが、クイズプレイヤーの頭の中という感じがして、なんか好きだった。
Posted by ブクログ
題材から想像する話とはだいぶ違っていて好みだった。頭がいい人はこんなふうに物事を関連づけながら覚えているのか、と勉強が苦手なわたしはただただ関心した。クイズはじぶんの生きてきた足跡。「ピンポン」と正解の音が人生を肯定してくれる。なにげなく、でも夢中で生きてきた過去に意味を見出す感覚。(なぜかオセロをひっくり返していく感覚に感じた。)失恋後の話で人間味のある三島を好きになった。じぶん歩んだ道を肯定していくためにこれからも三島は一途にクイズを続けていく。最後の本庄との会話で「え?」と三島が反応したとき、わたしも「え?」と狐につままれたようになり…この感覚こそ著者の目論み通りなのだろう。面白かったので、他の作品も読みたい。
Posted by ブクログ
物語を貫く問いが魅力的過ぎる
それゆえに真相がイマイチと感じてしまう
クイズという競技とクイズプレイヤーの生態を詳しく書いていて面白かった
ガッツリ勉強して仕入れた知識じゃなくても回答に使えるのは面白い
OTPPのくだりとか自分も同じような経験がある
クイズプレイヤーは人生の全てを使ってクイズに回答してるんだな
Posted by ブクログ
物語のインパクトとしては弱いかなという気持ち。
場外の情報によって正解は分かったが、まさか番組プロデューサーの坂田だけじゃ無く出演者の傾向まで調べてるのは少し予想外だった。
ただ、これでそうだったのか!面白い!と思えるかどうかで評価変わりそう、終わり方は確かにアッサリだなと思うけど、人には殆どの場合行動には意図と動機があって、それを読み取るには相手の背景を知るとより理解に繋がるという事を改めて考えれたのは大きい。
Posted by ブクログ
クイズを極めるとはどういうことなのか、自分の知らないクイズの世界を見ることができたのが良かった。
三島が自分の過去の思い出を辿ってクイズの答えを導き出すのは「スラムドッグ$ミリオネア」を彷彿とさせた。
本庄の0文字回答もそういうことなのかなと思っていたけど、「知名度を上げるためにクイズを使った」という真相は意外とあっさりとしていて、少し拍子抜けした部分もあった。
「なぜクイズをするのか」という問いに対する答えが違うことから来る拍子抜けみたいなものを、三島も感じたのだろうと思った。
Posted by ブクログ
クイズで同小説を?と思っていたけど、普通に面白かった。が、少し期待値が高すぎたかなぁとも。
主人公の視点で、0文字押しをしたクイズの相手が何故押せたのかを読み解いていく、一応ミステリ。
地の文が主人公の思考で、確かに飛躍するよなぁと、言葉の背景、似た音の言葉など思考が飛ぶのは共感と文章になると面白くもある。
クイズの内容は普通に難しく、知らん話もあるが主人公の解説(思考)があるので読みづらいことはない。
対戦相手について調べ、自分のクイズ歴について思い返して。何故解けたのかは過去にどちらかが解いたことのあるような問題が出ているという、まあ読み進めればそうだよなぁという結論に辿り着く。ラストはすっきりとはしないが、普通に面白く読めた。