あらすじ
正しい論点で、問題解決力が劇的に向上する!
ロングセラー『仮説思考』の著者が明かすコンサルタントの暗黙知を解説。
ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。企業は数え切れないほど多くの問題を抱えていて、それらをすべて解決しようと思っても、時間もなければ人も足りない。仕事には期限がある。こなすことのできる工数も限られている。その中で解くべき問題を設定し、選択し、それに取り組み、成果をあげなければならない。成果をあげるには真の問題を選びとることが大切だ。
この真の問題を著者が25年間勤めたボストンコンサルティンググループでは「論点」と呼ぶ。そして、論点を設定するという、問題解決の最上流に当たるプロセスが「論点思考」である。論点を設定することにより、考えるべきことが絞られ、問題解決のスピードは上がり、解決策を実行したときの効果も高くなる。成果を出すには、「正しい答え」でなく、「正しい問い」「解くべき問題」=論点が重要となる。「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという。
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Posted by ブクログ
★問題解決=成果を上げる重要なもの⇒「正しい問題」を解いていることが前提。
*重大な過ち=間違った問を答えること。意見の対立や判断にかかわる問題を明確にすること。
・与えられた問題を疑う。論点設定は間違っていないか。今現在行っている仕事の成果物、プロセスは正しいか、そもそも論点(大論点)は間違っていないか。論点設定したものによって成否が決まる。
★現象⇒何が問題??⇒論点=解決する目的は何か
目的達成のために解決するべき問題を見つけ出す。現象が引き起こす問題はないかを徹底的に洗い出す。
★今起きている問題のように思えることは本当に自分の会社にとっての問題なのか?致命的な問題(真の問題)は何なのかを「なぜ?」を繰り返し、深堀して、論点を具体化する。課題の真因を見極める。
★設定した論点は解決できるか?否か?解決できるとしたら、実行可能性はあるか?難易度は?(手持ちのリソースで実行可能か?時間は?)どれだけの効果があるか?解ける確率の低い論点は捨てる。溶ける問題から解いていくほうがうまくいく可能性がある。
★時間軸とパフォーマンスのに軸で考えて、短時間で一番効果のあるものを論点にする。どの論点を捨て、どの論点を実行するか?絞り込むためには場数を踏む、向き合う積極性が重要。
★論点の仮説を立てるアプローチ
1 質問して相手の話を聞く
2 仮説をぶつけて反応を見る
3 現場を見る
論点が納得できるかどうか?あやふやな場合は、言語化や仮説をぶつけた利して、上司が解きたいと思っている問題を明確にする。
・仮説検証のために、現場ブロービング(実証)を行う。ただし現場の声を鵜呑みにするのではなく、起きている事象に目を向け論点を正しく設定する。
★相手が望んでいることと、そうでないことが論点設定の軸となる。基本は相手の思考パターンで考えること。”まともな”上司であったらどう考えるか?という視点を持つ。その視点にプラスして、ユニークな打ち手を考え、実行者の気持ちを動かしていく。
★上位概念の論点を考える。相手の望んいていること、解決したいテーマは何かを考え、違った打ち手をひらめく。
★大論点を意識する姿勢を常に持ち続ける。その中で自分が解決しなくてはならない仕事が何かを考える。(誰もやらない・できない仕事)全体像から自分のポジションを見つける。問題の仮説設定⇒検証⇒全体像をい振り返り確認(論点の構造化)
・起きている事象と解決策を考えるときはアナロジー思考(類推)を用い、他の業界でも類似した事象や解決策の実行が行われていないかを考える(置き換え)。業界全体の問題と会社個別の問題を整理する。
★アウトプットの効率化=情報収集を手抜きする(集めいない・整理しない・覚えない)問題意識のアンテナだけは高くする。特に気になった事象だけ「☑」をするだけにする。おもしろい!変だ!と思うことにのみ注視する。
・反論せず、聞きに徹する。(質問を考える)
★メンバーに課題を与えるときはある程度抽象化し、オープンな論点を提示する。絞り込むのではなく、複数の可能性もあることを前提とした論点設定を行う。(シャチは魚類か?哺乳類か?)。論点提示をする際は、中・小論点にする。
★問題解決のプロセス
1 論点設定(仮説)
2 論点整理・確定
3 解決策(仮説)⇒1or3へ
4 解決策検証
5 解決策
6 実行
行ったり来たりすることが通例として起きることを念頭に論点設定⇒解決策検討を繰り返す。
Posted by ブクログ
休暇中に読んでおきたかった一冊
✓自分の職階の2つ上の視点でビジネスに取り組む
✓目の前の課題は本当に解くべきものか立ち止まって考える。上司が言ったとしても考える
✓事象と論点は違う。事象をみて、だから何?じゃあどうしたらいい?を考えるのが論点思考
✓論点の筋の良し悪しは解決できるか、実行できるか、実行したら効果あるのかの3つのふるいにかける。つまり解かなくていいものはとことん切り捨てる
自分の備忘録用に学びをメモです
Posted by ブクログ
1.論点思考とは
「論点」とは「真の問題」「解くべき問題」、「論点思考」とは論点を設定するプロセスを指す。
学校の勉強とは異なり、ビジネスでは誰も「真の問題」「解くべき問題」を教えてくれない(顧客や上司から教えてもらったとしても正しいとは限らない)。そのため、自分自身で問題を発見・定義する必要がある。いくら問題解決力が高くても、その前段階である問題設定を間違えていては元も子もない。
2.論点思考の4つのプロセス
論点思考は以下4つのプロセスに分けれられる。
①論点候補を拾い出す
②論点を絞り込む
③論点を確定する
④全体像で確認する
■①論点候補を拾い出す
まずどんな論点がありそうかリストアップする。
一般的に論点と言われるものの多くは、現象や事実であって、論点でないことが多い。現象や事実を論点と捉えると問題解決に至らない場合が多いため、論点と現象・事実は見極めなければならない。
論点は人・環境・段階によって変化するため、「本当にそれが論点か」と常に疑問を持ち、「これが論点だ」と言われて納得しても、「でもなぜなのか」となぜを繰り返し、真の論点を見つけることが重要である。
■②論点を絞り込む
論点を絞り込むにあたり、当たりを付け、「筋の善し悪し」を見極める。
当たりを付けるには「仮説思考」を使う。仮説の構築・検証を繰り返すため、当然失敗することもあるが、当たりを付けるという意識を持って経験を積むことで、自然と当たりを付けられるようになる。
「筋の善し悪し」を見極めるには、以下3つの観点を使う。
①解決できるか、できないか
②解決できるとして実行可能(容易)か
③解決したらどれだけの効果があるか
解けない論点、解ける確率の低い論点、費用対効果が小さい論点(=筋の悪い論点)は捨て、論点を再設定する。
■③論点を確定する
絞り込んだ論点を確定するために、論点の仮説を立てる。
・①プロービング(探針)を行う
・②相手の発言の真意、意図、バックグラウンドを考える
・③引き出しを参照する
■①プロービング(探針)を行う
プロービングには、以下3つの方法がある。
・①質問して相手の話を聞く
・②仮説をぶつけて反応を見る
・③現場を見る
■②相手の発言の真意、意図、バックグラウンドを考える
仕事は論理的に考えなくてはならないと思いがちだが、私生活と同様に、直感を重視したり、相手の立場になって考えることが必要である。
■③引き出しを参照する
相手の話を聞きつつも、自分の頭の中にある過去の経験や類似事例を参照することで、聞こえ方が変わってくる。引き出しの活用例は以下の通り。
・①類似事例、他社事例
・②顧客視点で見る
・③鳥の眼・虫の眼で考える
・④過去の経験を参照する
■④全体像で確認する
構造化には、イシュー・ツリーなどフレームワークを用いる。
一般的には課題を構造化して全体像を把握してからから論点を設定するが、本書では、論点に当たりを付けて検証し、最後に念のため間違いがないかを確認するために構造化を図る方法を紹介している。
3.論点思考力のトレーニング方法
■問題意識を持って仕事をする
日頃から「本当の課題はなにか」と考えて続ける姿勢で経験を積む必要がある。この姿勢を意識することで、仕事に対する責任感や視野、視座は変化し、中長期的には大きな違いとなる。また、日々の仕事の質やスピードを高めるためにも、経験の浅いうちから論点を意識する姿勢が重要である。
■視点を変える
視点を変えることも有効である。
視点を変えるには、普段あまり気にしていない方向に目を向ける(視野を広げる)、上のポジションに就いているつもりで仕事をする(視座を上げる)、切り口を変えてみる(視点を変える)がある。切り口を変えるには、以下10個の方法がある。
・逆から考える
・業界最下位だったらどうするか
・両極端に振って考える
・ロングレンジで考える
・自然界からの発想
・日常生活からの発想
・アナロジーからの発想
・顧客視点で見る
・鳥の眼・虫の眼で見る
■複数の論点を考える
まず、同じレベルで別の論点がないかを考える。次に、その論点を包含する上位概念の論点がないかを考える。
物事を主張する際は、自分がなぜそれを主張しようとした理由を突き詰める。そうすることで、異なる論点や上位概念の論点に気づくことができる。
反対しそうな人の立場に立って、自分の意見を批判的に見る。
■引き出しを増やす
様々なことに興味や関心を持つことで、自動的にアンテナに引っかかる。引き出しをたくさん持っておくことで、論点を見つけられる場合もある。
4. 論点と仮説の関係
論点思考は「解くべき問題の設定」プロセス、仮説思考は「仮の答え」をもとに思考するアプローチ。論点思考は問題発見プロセスそのもので、仮説思考は解決策の構築・検証する際だけでなく、論点の当たりを付ける際にも用いられる。
5. TODO
論点思考は苦手であり、特にできていないと感じた「論点候補の拾い出し」「論点を確定する」について、以下を実践したい。
■事象や事実と論点を分けて考える
■論点は人・環境・立場によって変化することを念頭におく
■「本当にそれが論点か」と常に疑問を持つとともに、「なぜ」を繰り返す
■引き出しを参照する(まず増やすところから)
→自身が関わっていないテーマや案件についても関心を持ち、そのテーマや案件の論点・解決方法を学ぶ。
Posted by ブクログ
顧客の問いに対する解像度が低い。ヒアリングが下手。論点が浅い。と上司に言われ、何を言ってるのかよくわからないのでそれに近い本を読むようにしていますシリーズ①
響いたこと
「論点とは」
・論点と現象を見極める
→「現象」「観察事実」から一段踏み込んで、これだけ解決すればインパクトがあるという「へそ」を導き出すことが大事
→誰にとっての、を考えることがポイント
→論点は動く(作業や議論で別の論点が見ることもある)
例えば、、、「売上が横這い、利益率が低下」
⭐︎業界が成長しているにも関わらずg社だけが売上横這いで利益率が低い
⭐︎過去においては本業が鈍化する段階で必ず新規事業がタイミングよく出てきたが、最近は全く出てこない。
⭐︎今は売上が低く利益率が低いものに注力しているから〜
なのか、背景事情により、だいぶ論点が変わる
一般的な問題は論点にならないことも多い
なので、なるほど〜で止めない(重要)
本当にそれが論点なのか?と必ず考えよう
「論点の見つけ方」
〜あたりをつける〜
⭐︎比較的白黒つけやれそうなところから考える
例えば売上横這い利益率低下
・それは長期か短期さ
・部門で起きてる問題なのか。全体の問題なのか
・業界全体なのか、固有の問題なのか
⭐︎なぜ、を五回繰り返す
〜スジの善し悪しを見極める〜
⭐︎インパクト、実現可能性
ターゲットセグメント、ターゲットミックスなど、企業の施策により変わる
⭐︎全体像を見極め、論点を確定する
・質問を見つけて反応を見る→仮説をぶつけて反応を見る→現場(私なら顧客)を見る
論点が明確かどうかは直感であり客観的に深めることが大切
⭐︎依頼主の真意を探る
発言の真意、意図、バックグラウンドを考える
〜論点を構造化する〜
・拾い出した論点を整理する
ロングリストで書き出す→グルーピングする
その後に上位概念の論点を考える
簡単に考えられないときは虫食いのツリーを作る
→そうすれば大論点中論点見えてくる
Posted by ブクログ
解ける問題に取り組む、ここがとても重要と感じた。ともすると会社では網羅的に問題に取り組み、すぐに解けない問題、今のリソースでは解けない問題に直面する。結局解けないものに時間をかけても無駄なので、論点を明確にして見極めたいと思う。