【感想・ネタバレ】デンデラ(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた。姥捨ての風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが。そこはデンデラ。『村』に棄てられた五十人以上の女により、三十年の歳月をかけて秘かに作りあげられた共同体だった。やがて老婆たちは、猛り狂った巨大な雌羆との対決を迫られる――。生と死が絡み合い、螺旋を描く。あなたが未だ見たことのないアナザーワールド。(解説・法月綸太郎)

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Posted by ブクログ

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老婆たちのフィクション性を飲み込めればハマれると思う。
私は大好き。

少年少女の物語と言われても違和感のない口調や立ち振る舞いは、村に生まれ村の外を知らず村のために働き、産み、育て、老い、捨てられた後のユートピア(デストピア)で、老婆が初めて自分の考え、アイデンティティを獲得しようともがくから青臭く見えるんだと思う。

しかし、
vs熊!
vs疫病!!
vs内乱!!!

老婆のアイデンティティ探しも楽じゃねえ!!!

70歳になっても熊に追われながら山の斜面を駆け下りられる体でいたいものです。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

70歳で小娘扱いの婆シスターフッド熊バトル小説。好きです。これを映画化しよう……8割方、熊と闘っていよう。。
デンデラ創立者の、村への復讐に燃えるメイちゃん(唯一の年齢三桁)を筆頭にタフな婆様がたくさん。口調が丁寧語(ホノちゃん)・ほぼ現代語(マルちゃん)・男前(この2人以外)なので、百合目線が一切無い学園ものみたいに思えてきます。「私」「お前」「貴様」「貴女」だからな…でも婆らしく体力が無かったりするので混乱してくる。
やっぱりマサリちゃんとヒカリちゃん格好良いなぁ。映画版もこのふたりが好きでした。眼帯倍賞美津子さまウットリ。
ソウちゃんが檻の中のカユちゃんと話しに来るシーンとか、イツルちゃんとキュウちゃんが道で言い合ってた後の展開でホノちゃんへの「殺してやる!」とか、ちょいちょい良いシーン挟んできてグッときます。良いシーンか?
カユちゃん70年間ものを考えずに生きてきてて周りにびっくりされてて本人もびっくりしてたけど、これがあるのでちょっと達観してるのかなと思ったりしました。人とか獣とかそういう垣根すらなく思考していく…最期には人を超えていく。
本当に、これを映像化しましょう。2時間じゃ足りないしグロいし女優さんたちを熊と闘わせるの危ないから、アニメで良いからさ。これ羆っぽいので尚更大きくて危ない。
「やはり、私がいなければ駄目だったな」…ヒカリちゃん。。
登場人物たちをちゃん呼びしても全く違和感ない。

そうした怠慢をつづけていては下品な恥知らずになってしまうと斎藤カユは思っていました。生者が面白くないという理由だけで死者について考えるのは逃避だと、それでは下品な恥知らずと同じことをしていると思い至りまして、自分自身への失望を高めるのでした。
…等々、この調子の地の文も好きでした。

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2023年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

童話調の地の文で、進む姥捨て山の共同体の話。
主人公は死を受け入れていたが、姥捨て山の老婆だけの隠れ里に拾われる。主人公は隠れ里に疑問を持ちながら、里の方針、熊の襲撃、病気の蔓延に翻弄されつつ、終わったはずの人生の目標を考え直す。最後には、死を受け入れ熊を倒すため、命を懸けて熊を村に誘導する。
童話調な感じや無茶な設定で、ファンタジー感が強い。

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2015年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

≪あらすじ≫
斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた
姥捨ての風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが
そこはデンデラという『村』に棄てられた五十人以上の女により
三十年の歳月をかけて秘かに作りあげられた共同体だった

そんなある日、凶暴な熊にデンデラの住民が食い殺される
老婆達は熊との戦いに挑み、小熊をやっつけた
そして宴でその熊を食べまくった

すると住民に疫病が襲い掛かる
その原因は小熊を食べたことだとされたが
斎藤カユは、過去にも同じ疫病が村で発生したことを知る
しかもそのときは、感染拡大を防ぐために患者が皆殺しにされたらしい

度重なる熊の襲撃・・・更に発生する疫病・・・

そして斎藤カユは疫病の真相を看破し、熊との最終決戦に挑む!


≪感想≫
純文学を装いながらのミステリー小説。著者は今後この路線で行くのかな~
巻末の法月綸太郎氏の解説がとても解りやすく、読書後の補完にもなって良かった

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2011年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

異性の老人をかくのってむずかしいんだろうなーという印象。
でも、じじ萌えの女性作家ならそうでもないかもしれない。けど男性読者からしたらねーよっておもうかも。どうなの。
よみながら、どうしても登場人物が老女におもえなくて地味にストレスたまった。
解説でそのへんが言及されてたけど、ええーみたいなかんじ。そんな大層なものかなあ…たんにかけないだけなんj(ry
あと「です・ます」調が抗ってもラノベくさい…

ラストシーンはすきだった。ぽこぽこ自己犠牲な人がでてくるんだけど、そういうのにむねあつ…ってなる日本人です。
ユヤタンのかく男女はすきだよ!

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2011年09月25日

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