【感想・ネタバレ】ケアと編集のレビュー

あらすじ

もはやこれまでと諦めてうなだれたとき,足元にまったく違うモノサシが落ちている.与えられた問いの外に出てみれば,あらふしぎ,あなたの弱さは克服すべきものじゃなく,存在の「傾き」として不意に輝きだす──.〈ケアをひらく〉の名編集者がみんなの弱さをグッと後押し.自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書.

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Posted by ブクログ

ノンフィクションであり、エッセイであり「ケアをひらく」シリーズのブックガイドのようにも感じた。
自らの、そしてその事物そのものの位相や環境を変えることで世界が変わる。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

身内の介護経験と、傾聴ボランティアから始まり福祉業界の片隅にいたことから、〈ケアをひらく〉シリーズは『驚きの介護民俗学』に始まり、10冊以上読んで来た。そのすべての編集に携わってきた白石正明さんが定年退職するにあたり書き下ろした本書が、おもしろくないわけがなく。あとがきに紹介されている熊谷晋一郎さんのエピソードもさすが!まだまだ読むべき本を発見したのも嬉しい。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

「ケアをひらく」シリーズを世に送り出した編集者白石さんの編集の先生はべてるの家の向谷地さんなのだそうだ。

あのシリーズがどうしてああいう本たちなのか(漠然としているが)、なんとなく分かってくる本。


「ケア」とはー
「何がむずかしいのか。一つは今の世の中の基本的な価値観と逆のことをやっているからだ。自分の身は自分で守るという「自立/自律志向」とか、最小のインプットで最大のアウトカムを得ようとする「効率志向」にまずは反している。それだけではない。この“志向”という言葉が前提としていること、つまり「未来の目標のために現在を手段にする」という姿勢そのものから、ケアはかけ離れているからだ。
むしろケアは「現在志向」だと思う。今を少しでも楽にする。痛いことはしない。この場にある不快をとにかく除去する。そこに居られる「現在」をつくる。
将来のために現在を犠牲にしたりしないのだから、言葉のイメージは別にして、ケアに対して「刹那的」という表現を当てるのは正解だと思う。もちろん現在の状態を楽にすることで、結果的によいことがやってくるかもしれないが、それは副産物である。やってくるかもしれないし、やってこないかもしれない。それはどうでもいい」p.4

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

編集それ自体とケアの関係性という表題の問題についてはそれほど納得に至らなかったが、ケアをひらくシリーズの編集者としての功績や繋がりを得た人々についての語りを通して、筆者自身の個人的な部分が見え、学ぶところもあり好感を持てた。

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2025年07月27日

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人間とは関係であり、場である。これは倫理観とも呼べるものであり、あらゆることに通じると思う。一気に通読できるテンポのよさもある。

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2025年07月04日

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自己啓発書的な紹介文だけど、障がいのある方や精神疾患のある方など、様々な病気を持つ人のケアと、ケアを扱う本の作り方についての本だった。
日頃読まない分野の本で、ちょっと思ったのと違うか?と一瞬思ったが、もう一回読み直したいほど興味深い話がたくさんあった。
「それ自身には改変を加えず、その人の持って生まれた〈傾き〉のままで生きられるように、背景(言葉、人間関係、環境)を変えること」というのは、病気以外の様々なケアにも応用が効きそうだ。
治療としての対話を、「手段ではなく目的として楽しむ」というのも含蓄がある。

作中で紹介されていた、ALSという難病を発症した実母を介護した娘の記録という『逝かない身体』は、ちょっとの引用だけで泣きそうになった。
植物人間となった母に、「植物としてその人を慈しめばいいじゃないか」というのは、経験者でなくては辿り着けないような結論。絶対に読みたい。

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2025年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

また、読みたい本が増えてしまった。
困ったなーw

・・・・
勉強会で紹介された本。
すごく興味を引く題名・内容だが、
今の積読本の多さから、今回は見送らせていただこうと思っていた。
しかし、
行く先々で、旅先でも、表向きで本棚に飾られており、
こちらに視線を送ってくる。
いや、こちらが出向いているのかもしれない。
かくして、自分の手元に。
(あの時の決意はどこにいったのか)

手元に来てから
他の積読本の前に「少しだけ・・」と読み始め、ほぼ一気読み。
「ケアとは何か?」の視点が、また増えた。
こんなにクリアに言語化してもらえる体験が待っていたとは!

好きな部分は、
本筋からずれるのかもしれないが、
”わたしの隣の席に座った援助職の人がおそらくいつもの仕事のように、額に傾聴&共感マークを張り付けて首がちぎれんばかりに傾く「援助者しぐさ」をしていたのがおかしかった。”
の部分。
おかしかった。
援助者が「自然なしぐさ」ではなく「援助者しぐさ」で対応していることは、周囲や相手はわかったうえでそれに乗ってくれている、
と、援助者は理解しておいた方がよさそうだ。

ふー、
本書のもととなっている<ケアをひらく>シリーズ。
もう・・・、読むしかない、じゃないですか。
また、読みたい本が増えてしまった。
困ったなーw

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ケアをひらくシリーズを編集された方の著書。このシリーズがいかに産まれたかを述べられる舞台裏を見る楽しさ満載の書である。本書はそれぞれのケアをテーマにした作品を、編集作業でケアをしていく、ケアの重層的な内容で語られている。新書であっという間に読めるが、行間にもケアが溢れており、繰り返し読むことで味が更に出ると思われる。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

 「ケアをひらく」シリーズは好きで、何冊も読んでいて、その編集をしていた方が著者で、読んだ本がどのようにできてきたのか、各本の著者が個性的なのも伝わってきました。
 マジョリティからではなく当事者から見た世界観、つまりモノサシを変えれば、今まで見えていた世界がガラリと変化するのは、ケアをひらくシリーズの特徴で、読む度に目から鱗がポロポロおちるのですが、そうしたモノサシの転換が困難なケアの世界を生き抜くヒントでもあると、著者の体験から綴られていて、納得でした。
 これからも、目から鱗の体験をケアをひらくシリーズから、たくさんしていきたいです。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

「ケア」と「編集」には類似性がある。
それを述べていく本だとのことだが…

著者の白石さんについてはまったく知らなかった。
福祉系の出版社から医学系の出版社に転職。
雑誌「精神看護」、ケアをひらく〉のシリーズを立ち上げた、とある。
〈ケアをひらく〉といえば、東畑開人『居るのはつらいよ』、国分功一郎『中動態の世界』、伊藤亜紗『どもる体』…。
えっ?この本にも、この本にも関わってるの?と、何度も驚いた。
カリスマ編集者じゃないか。
しかし、文体は軽く、読みやすい。

医学とケアは方向性が違う。
原因を取り除き、将来の治癒、改善のために現在に(時に苦痛を与えて)介入するのが医療。
一方、ケアは現在志向。
患者が今を乗り切ることに注力する。
医学系出版社で、看護(医療領域だけど、ケアを担う)や、介護の本を企画するという特異な立ち位置にいる人は、こういう違いに敏感になれるのだろう。

「編集的思考」は、たとえば図と地のずらし(編集はこういうことをしばしばする。松岡正剛さんの編集術でもこれにふれていた)によって、ある問題に別の角度から光をあてる。
本書でもこのような見方の転換により、ある心の病に苦しむ人に対し、病巣を取り除くことより、その病があなたを成り立たせているのだから、あなたと環境の組み合わせを変えればいい、と考えることになる。
筆者にこういう気づきを与えたのは、統合失調症の人たちの作業所、浦川べてるの家の実践にあるということだった。
驚きの思考方法。
一瞬、それは問題を弥縫しているのではないか、と思うのは、やはり自分が一般人でありながらいつのまにか「医療的編集」に取り込まれているからなのだろう、か。
が、老化のように、原則として治ることが期待できない症状には、この考え方は必要だと理解できる。

もうひとつ、新たな視点を与えてくれたところがあった。
依存の話だ。
本書でも出てくる熊谷信一郎さんが「自立とは依存先を増やすこと」と書いているのを、以前どこかで読んだことがある。
本書では、その話を延長して、「依存症は依存が足りない」という。
つまり、依存できる先が一つしかないのが依存症だというのだ。
しかし、これを「弱さを克服する」物語に当てはめていくのではなく、視点を変えて弱いことを肯定すると、周りを巻き込む力を見つけ出していけたりする。

現場を知らず、本を通してしか知らない自分にとっては、実感を持った理解がどこまでできているか心もとないが、視点の転換が世界を変えることの可能性を信じてみたい気持ちになる。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

「ケアをひらく」シリーズ編集者白石正明さんの新書。そこまで多く読んでいる訳ではないが大好きなシリーズで、語りたくなったり、人がどう語るのかを知りたくなる書籍も多いので他の方の書評やレビューなどを読むのも楽しいのですが、著者でもなく、読者でもない、編集者という特殊な立場から語られる「ケアをひらく」はまた新鮮でとても面白かった。ケアと編集という本書の主題自体よりも紹介される本が「ケアをひらく」のものもそれ以外のものも、どんどん読みたくなる読書でした。特に前々から気になっていた「弱いロボット」の読みたさがググッと増して楽しみになりました。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

タイトルと岩波新書のイメージから固そうだが大学の先生の雑談のような不思議な本

系統立てた論考が読めるわけではないが少し世界を見る目が変わるというか

自己啓発本ではないが何かが啓発されるような
俺はすでにして完全(坂口恭平)とか

全体を通して見ると図を変えないで地を変える、ものさしを変えるということか

ケアを開くシリーズの編集されている方の本
なのでこのシリーズが読みたくなるし、このシリーズのブックガイドみたいだ

全くケアの世界に興味がないのにケアの世界の(学術的に?)面白いところが読める本

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

 「ケア」と「編集」、不思議なタイトルだなと思い手に取ってみました。著者の白石さんは、医学書院で、シリーズケアをひらく、の編集長をしていた方です。
あとがきをパラパラと読むと、「ケアと編集は近い」という感覚を、言語化して示すために、「それを探すために」書いたとあり、更に面白そうだなと感じて読み進めることにしました。

 ケアについては、私は幾度も医療や福祉にお世話になっているので、その関わりのある人たちの感覚に近いものがあるのかもしれないと思っていました。
本書を読んでみて納得したのは、ケアは現在志向であり、世の中の逆ベクトルで展開される手法のようなものだと知りました。

 今の世の中は、未来志向で、どちらかといえば、効率とかを重視するのですが、ケアはイマココを大切にして、刹那的な対処をすることを重視しているという説明に膝を打ちました。なるほど、医療福祉の人たちがあのようなスタンスでいるわけがそういうことだったのかと合点がいきました。

 では、「編集」のほうはどうなんだろうと思い、話も興味深いのでどんどんと読み進めていくと、編集の手法である、地と図の話をケアと結びつけていました。べてるの家という事業所がありますが、そこでの体験を、図(形、姿)は変えず、地(環境など)を変える話に書かれていたりしてケアと編集の近さを説明されていたので、面白いなと思いました。

 そのほか、シリーズケアをひらく、で出版された本たち(それらは統合失調症や双極性障害や発達障害、ALSの当事者や周囲が書いた本が多いのですが、)を紹介しつつ、編集の持つ魅力を現在志向から読み解く内容でした。

 「一人ひとりの弱さをグッと後押し」して、「自分を変えずに生きやすく」するための、「逆説の自他啓発書」とカバーにあるように、啓ける可能性がありますし、ケアとは何か?ということもバシッと最後に書かれているので、ケアの現場の方にもオススメできると思います。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

上梓時から気にはなっていたんだけど、本の雑誌・上半期ベスト結果を受け、やはり読んどかんと、ってことで。雑誌・精神看護の著者の特集号を、もっと膨らませて一冊の本にしました、みたいな内容。ケアをひらくシリーズで得た知見を基に、著者の感性がいかに振られたか。その来し方を追体験した気になれるのが良い。依存症は寧ろ依存先が足りないからだとか、まさに目から鱗。機会があれば、シリーズ作品ももっと読んでみたいな、と。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

とてもよかった。精神科看護に携わる者として、読まねばならぬ本だった。文字で見ると本当にありえない酷いことだと思うけれど、つい人を変えようとしてしまいがち。幸せであってほしい、が社会に適応できたら幸せなはず、になり、社会適応できるようにと相手を変えようとしてしまう。摂食障害を否定はしないけれど、どこか自分の中でも悪いこと、修正させなければ、との思いが湧いてきてしまう。向谷地さん、発想がすごいな、包容力が桁違いだなと思う。べてるの家のことは知っていたけど、実に表面的にしか知らずにいた。この本を読んで、読まねばならない本が増えた。あとで、リストアップしなければ。
本の評価は星5つなのだが、自分への反省も込めて4つにした。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

“同じ“〝質〟の上にあるけれど、〝量〟が違うからこそ大変なのに、そこは軽くとらえられて 「自分にもある」で終わってしまう。質的に近いと、量の問題が無視されてしまう。しかし当事者の日常生活の困難は、なによりその「量の違い」に大きく左右されているのだから、結果として具体的な困難がうまく伝わらないことになる。
「わかるからこそ、わからない」――発達障害者の「わかられにくさ」には、単純にわからないという問題と、「共感されるけれど正しく理解されない」というこの問題のように、いくつかのレベルがあるように思う。”(p.154)



“成長という言葉も、教育という言葉も〝善きもの〟とされているが、「現在のままでは不足である」「今のままではよくない」という前提が共有されている。”(p.190)

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

面白かったー!まだまだ読んだことないシリーズケアをひらく本はあるので、少しずつ手に取りたい気持ち…。
自分は現在を刹那を大切にしたいと思っているし、進歩観的な価値観・時間に対して疑義を持つようにしているけれど、それでもそういったものに縛られているのも事実で、それに限界も感じたし、自分がドツボにハマっていることも気づいてはいたけれど、どうしようかと思っていた。友人に何を言われても素直に受け取れなかったのに、本という媒体を通して受け取れてうれしい。良かったです、今このタイミングで読めて。

「信じる」問題は扱いがむずかしい。普通は「信じる/信じない」の二項対立となって埒が明かない。ふしぎなのは、信じる要素をいくら挙げても、信じない要素を一つでも挙げられると、なぜか議論の勝負は信じない側に傾く。そして信じないほうが賢く見える。…具体的な対人関係において、「先に」「ちょっと」信じる。この最初の一歩によってお互いのあいだに、信じるがやってくる。それが勘違いだったらあっさり引っ込めればいい。だけど最初のカードは「信(仮)」以外にない。こう考えれば、上目遣いに相手の「真意」を探ったり、相手の微妙な口ぶりから「隠された真の欲望」なんてものを推し量る必要もなくなる。
このように向谷地さんの話は、先に自分の中の「信」の確かさを探索してから行動に移るという近代人的厄介さから解放してくれたのだ。同時に、真面目な人であればあるほど自らの信に潜む不信に気づき、誠実であればあるほど「不信を隠す自分」に不信感を感じてしまい、不信の人になったほうが楽だし偉そうにできるという、SNS界隈によくいる中二病的やさぐれに落ち込むことを防いでくれた(p.84)

…中井久夫さんは、「信じられなければ「念じる」だけでよい」と別の言い方でさらにハードルを下げてくれる。(p.121)

…十全な、今ここでの満足。(p.108)
…「俺はさあ、ひとっつも変わろうと思ってないよ。治ろうとか成長しようとか。もう今で完全なんだよね」と。(坂口恭平)…その人の傾きは傾きとして、傾きを正す方向じゃなくて、むしろその傾きを強調することによって、逆に魅力してしまうような方法。こうして「そのものが魅力になるような背景をどう整えるか」という向谷地さんの仕事が模範になってくるわけだ(p.126)

蘭の花を育てるように大事に守ればいいのである(p.180)
読みたいー!

「内面」という無間地獄に落ちる前に
…人はなにより環境とのインターフェイスによって行動するのだから、行動の根拠を個人の内面にだけ求める必要はないのではないか。…なんでそんなに個人の内面にこだわるんだろう。なんで「最後は個人」なのだろう。外部(環境)の支配に抵抗するのが「真の人間」だという物語に、なんでこんなに依存しているのだろう(p.198)

…個別性というのはつねに受動性や偶然性という自分がコントロールできない契機をはらんでいるから、次の機会にそのまま使えるわけではない。つまりきく側の役に立たない。「方法」というのは結局、周囲の環境から影響を受けてしまう受動性や偶然性を排して、「どんな状況でも使える」やり方を指した言葉なのだ。それだと、肝心なポイントを取り逃してしまう。(p.208)

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ケアに関する書籍は多いが、そういった書籍を手掛けてきた有名編集者が過去の担当書籍をふりかえりながら、ケアと編集を記した内容。朝日新聞などメディアで知った方も多いかもしれない。

個人が前面に出ることも多い、ビジネス書などの編集者のノウハウ書が多いが、専門書の編集者のものは貴重だと思う。

編集も、文章の編集だけではなく、いろいろな仕事やプライベートのアレンジにも応用できることと思うが、ケアを類書と違った視点で読みたい人にはマッチするかもしれない。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

看護・介護の本をたくさん手がけてきた
編集者さんが書いた本です。

べてるの家の話が興味深かった。
前に読んだことのある
『弱いロボット』のことも書かれていて
そこから派生した話の中の
「依存症の人は依存が足りない」という
部分が興味深い。

うーん、なるほど確かに…。
あれもやりたい、これもやりたいで
ひとつにのめりこまないようにすれば
広く浅く、依存症までいかなくてすむ?

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

ノンフィクションでおすすめされていた記事を読んで。
ケアをひらくのシリーズの編集者さんだったのか。なんで岩波新書?と思っていたが、あとがきを読んで納得。むしろ、ずっと残るだろうから単行本よりも正解かもしれない。

様々な価値観のあるジャンルで、自分なりに都度咀嚼して見解を綴れる人がそもそもすごいと思う。
本も映画も飲食店ですら、口コミを見て、引っ張られてしまうことも多い。すごくいいなと思った本でも、酷評されていたら、モゴモゴと仲間内にしか勧められないこともある。

とりあえず、ケアをひらくで読めていなかった「逝かない身体」を読んでみたいと思った。ALSの方の話がこわくて辛そうでこれまで読めなかったので。

あと、本作では、パニック障害の方などのフラッシュバックの時間軸の話がとても参考になった。
友人から体験を聞いたことはあったけど、まさに「過去に水平移動」しているイメージだった。
日常的な時間の流れの下層に、トラウマ的時間も同時に流れていて、レイヤー(層)が異なるように、穴に落ちるように垂直的な一瞬の変化なのではないか、という。
それで、いつレイヤーがひっくり返るかと思っていたら日常生活もおぼつかないだろう、というところで、ようやく友人の話がクリアになった気がした。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

弱いロボット

弱いからこそ、なめらかに足をすべらせることができる。

心を開くということがどういうことか、自立とは、依存先を増やすこと、という言葉が感覚的に掴めるような内容でとてもよかった。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

文章が少々冗長に感じた。が、ケアをひらくシリーズの各本の解説は面白く、『逝かない身体』は絶対買ってみようと思った。『あらゆることは今起こる』も読みたい。

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2025年06月08日

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