あらすじ
犬を拾ってから、本業の造園事業が好調になったという歴史研究家・花崎。その話がまるで「花咲爺」のようだと感じた宗像は、その話の元になったという中国の「狗耕田」という民話を思い出す。しかしふたつを比べてみると、「花咲爺」は登場する主人公たちが赤の他人であるのに対し、「狗耕田」は兄弟の話。このすり替わりがなぜ起きたか不思議に思った宗像の脳裏には、古代日本で起きたある事象がよぎり…
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邪馬台国は何処か、七夕の織姫と彦星の関係とは見方によってはいろんな説が考えられとても面白かったです。
卑弥呼からアドリアネまで
まさに快刀乱麻のごとく教授が古代の謎を解いていきます。
歴史の蘊蓄は、すごいですがお話自体はスッキリ判りやすいです。星野さんのSF作品よりは、取っつきやすいかも。
Posted by ブクログ
花咲爺の犬/『ビッグコミック』 2005年3月10日号、3月25日号
割られた鏡/『ビッグコミック』 2005年4月10日号、4月25日号、5月10日号
織女と牽牛/『ビッグコミック』 2005年7月10日号、7月25日号、8月10日号、8月25日号
Posted by ブクログ
1年ぶりの宗像教授新シリーズの新刊ですよん♪ 「花咲爺の犬」「割られた鏡」「織女と牽牛」の3話収録。 「花咲爺の犬」では花咲爺伝説を、「割られた鏡」では邪馬台国、そして「織女と牽牛」では七夕を考察し、神話・伝承の裏側に隠された歴史的真実に迫るのはいつもどおりなんですが、「花咲爺の犬」での宗像教授は、まったくの傍観者ですな。作中披露される「正直爺・欲張爺説」にはなるほどと思ったけれど、宗像教授自身の説も知りたかったし、この最期は…腑に落ちません。ぶすぶすぶす。 「割られた鏡」では邪馬台国の真の所在に迫ります。地名を根拠にした宗像教授の説、ものすご〜くもっともらしくて、ものすご〜く説得力があるんですが…どこまで信じていいものなのか(汗)。 最新の邪馬台国論議では、どこが有力なのか、とても知りたく思いました(宗像教授が称える邪馬台国東遷説って、どっかで読んだ記憶がある。『ヤマタイカ』だっけ?諸星大二郎『海神記』だっけ?) 第2集で一番読み応えがあったのが、「織女と牽牛」でしょうか。織姫と彦星伝説という中国由来の日本の伝説と、あの有名なギリシアの伝説が繋がる驚き。織姫の遠い源流があの女性にあっただなんて!!そう懇切丁寧に比較しながら指摘されると、今の今まで結びつけて考えもしなかったことが、不思議でたまらなくなってくる。 そして作品では、現代のもう一つのロマンスが絡めて描かれていて、悲恋の恋人同士をなぞるかのようなロマンスの行方が、ちょっぴり切なかったりします(涙)。 押掛け助手である宗像教授の姪瀧は、今後レギュラー化するんでしょうかね?