あらすじ
行動経済学に科学的根拠はない? 徹底検証で解き明かす真実!
「実践的」「ビジネスに役立つ」と喧伝され、世間で注目を集めてきた行動経済学だが、いまその有効性に疑惑の目が向けられている。行動経済学会会長が、歴史的経緯を振り返りながら、理論を基礎から紐解き、その批判を徹底検証。学問的な意義を明らかにする。
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Posted by ブクログ
利己的で合理的な人間を前提とした経済学
経済活動の場における人間行動に関する研究の行動経済学
経済学の中に行動経済学が組み込まれてきた歴史は、既に行動経済学の死だと筆者は考えてきた。
必ずしも人間は合理的な行動をしないことで、以下の行動経済学の理論は崩れるとか。統計学の知識があると、もっと理解しやすかったのかな。
損失回避性
プラスペクト理論
ナッジの政策効果
現在バイアス
再現性問題
出版バイアス
Posted by ブクログ
著者のバックグラウンドから結論は見えていたと言うべきか。
私もご多分に漏れず行動経済学の存在を知った時に「こんな面白い学問があるのか!」と興奮を隠せなかった。すぐにでも社会に還元できる実用的な考え方に見えたし、当然そうなることを期待した。
コロナの専門家会議に阪大の大竹先生が入っているのを見て、いよいよ行動経済学の成果がこの目で見られるのかと思ったが、結果は期待外れと言わざるを得ない。もちろん政府の発表の仕方に何らかの影響を与えたとは思うが、感染者の推移はそんなものとは全く無関係に見える。
仮に伝統的経済学との統一理論で学会内の対立が解消しても、そもそも「ナッジなんて大して効果ないんじゃないの?」と言う批判には本書をもってしても答えられていない。すべての学問が実用的である必要はないが、少なくとも経済学においては社会の役に立たない研究は意味がないと思う。
Posted by ブクログ
行動経済学自体には目新しい発見が見出される一方で効能はどこまでかという疑問はあるものの、それを検証するとなるといよいよ複雑な問題に踏み入れることになる。読んだ感想としては新書にしては高いと感じる。