あらすじ
地震、津波、台風、豪雨、噴火など、毎年のように日本列島を襲う大規模災害。なぜ国、自治体の対応は遅いのか。どうして被災者に救助の手が届かないのか。東日本大震災を経たいま、災害に関する複雑な法制度をわかり易く解説した上で、その限界を明らかにし、改善策を探る。被災者のために、法は何をなし得るのか。
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Posted by ブクログ
よみやすかった!
こういう俯瞰図大事!災害関係の法律が一望できる。
たまにコミュニティ万歳系のイデオロギー強いので☆4!
<感想>
人権保護色がとてもつよくて「人間の復興」というものを標語に掲げているけれど、結局のところ全ての人の人権を保護しようとするとその相互作用から新たな問題が起こる。よく議論が起こるように「公共の福祉」と「基本的人権の尊重」のバランスだ。
極力できることはしたいし、困っている人も助けたいけれどそれによって依存心を引き起こしてしまうとそれが今度は「公共の福祉」に反すると「傷ついた」被災者を責め立てることにもなるというダブルバインド状態が生まれる。または他の人の不公平感を引き起こすことにもなる。
本書でも触れられていたようにそういった(役所の)公平感を帰した対応が、対策の遅延にも繋がるけれど、結局のところそこもまたメタ位置でのダブルバインドが起こる。こういった批判と改善の繰り返しによって四角いモデルが丸に近づいて来たんだろうな、と思いつつ。丸に近づいてきたモデルは「批判」という四角い改善法では強い副作用を起こしつつある。あまりに強い人格否定を含む批判は現代では状況を逆に悪化させることさえもある。つまり、手段と目的がねじているようにも見受けられる。その改善法さえも近代から現代的なものに改良する必要性を感じる。