あらすじ
世界最短の詩文学・俳句は同時に世界最恐の文芸形式でもあります。日常を侵犯・異化するなにか、未知なるものとの遭遇、人間性そのもの……作品の中心にある怖さはそれぞれですが、どれも短いがゆえに言葉が心の深く暗い部分にまで響きます。一句二句、暗唱して秘められた世界に浸ってみてください。不思議なことに、そこはかとない恐怖がやがてある種の感動へと変わるはずです。数々のホラー小説を手がけ、また俳人でもある著者が、芭蕉から現代までたどった傑作アンソロジー。
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Posted by ブクログ
「ぼんぼん彩句」のあとがきで、
宮部みゆきがこの本を読んで俳句の世界に魅せられたと書いてあったので。
面白かった。
俳句と言えば学校で習った有名どころしか知らなかったので、
こんな俳句もあるんだ、というのが正直な感想。
だが、紹介されている俳句の数が多く、
怖くて不気味で意味不明なこともあって、かなりの消化不良。
それと、著者がたとえにちょくちょく絵画を出してきて、
それを調べるのに忙しい。
私が怖かったのは、
稲妻に道きく女はだしかな 泉鏡花
夕焼けや
みな殺されて
歩きだす
岩片仁次
実際に溺れた同僚を助けて水死した河本緑石の俳句も怖かった。
死んで俺が水の中にすんでる夢だつた
あと面白かったのは、
府中の猫はこれは嘘だがぜんぶ片目 前島篤志