【感想・ネタバレ】情報敗戦 ――日本近現代史を問いなおすのレビュー

あらすじ

この国において、政府やメディアなど権力の「大本営発表」への批判精神が皆無なのは八十年前と同じ。知識人も庶民もしっかりとした歴史を見る眼を持たず、歴史に無関心なため、いま再び「情報敗戦」に直面しているのだ。正しい歴史観を持たない限り、日本は今後も新たな敗戦への道をひた走るだけだろう。松本清張や辺見庸、アレントやサイード等々、内外の知識人たちの遺してきた貴重な史論や思想を手掛かりに、日本社会に隠された「情報のカラクリ」を暴き、歴史の虚実を検証する。 【目次】はじめに――「情報のカラクリ」/序章 問題の発見/第1章 史観で眺める日本/第2章 「昭和維新」と満洲/第3章 清張史観の遺したもの/第4章 戦後日本とは何か/第5章 世界史的大転換/第6章 人間とは何か/第7章 「民主主義は暗闇の中で死ぬ」(Democracy Dies in Darkness)/結章 絶望に抗う/あとがき――なき妻へ

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Posted by ブクログ

辺見庸、加治康男、関曠野、松本清張、カレル・ヴァン・ウォルフレン、エドワード・サイード、ハンナ・アレント、ターガート・マーフィー、チャルマーズ・ジョンソンらのコメントを適宜挟んで、「大本営発表」だけを信じて路頭に迷った我が日本人が未だに同様な情報欠如の状態に置かれていることを、様々な事例を挙げて論評している楽しめる著作だ.「ニチベイ」の現状を客観視できない政治家や官僚を罵倒しているが、情報を公平に開示しないマスコミの姿勢も問題だ.解説の中で司馬遼太郎の史観を徹底的に貶めているのに拍手.「結章」に出てきたブラウンとカズンズの話も良かった.

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

最初は軽い印象で始まったが、徐々に本質的
「情報→歴史」は権力者により、常に改ざんされる
事実を知るとともに、権力者の意図を探ることが大事
批判の視点は「反権力」「反権威」が不可欠

1.昭和2・26事件への昭和天皇の対応
①重臣を殺されたことへの怒り→青年将校
②廃位の懸念 大正皇后は三笠宮を推す
2.日本型ファシズム=神道
家父長制と天皇制が結びついて
独伊と異なるファシズム
3.松本清張の歴史観・昭和史観
司馬遼太郎とは全く異なる歴史観がある

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2025年08月03日

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