あらすじ
【内容紹介】
★40万部超のベストセラー『99.9%は仮説』の著者・竹内薫氏が、AIの超発展形、AGIがもたらす「近未来」を解き明かす。
★シンギュラリティが来るのは10年後か、20年後か。ヒトは「スーパーAI」と共存できるのか。
★アトムやドラえもんは、あなたのパートナーになるのか。
ソフトバンクの孫正義氏は、「AGIの世界が10年後にやってくる。AGIの世界では、すべての産業が変わる」と予言しました。
汎用性が高く、あらゆるタスクを柔軟に、かつ独立して処理する能力を持ち、ビジネス全般はもちろん、科学、教育、経済など、さまざまな分野で革命的な変化をもたらすと予想されるAGI。
超高齢化社会、人手不足など多くの社会課題を解消し、想像できないほどの新しい価値を創出。私たちの生活を豊かにしてくれるはず。一方、AGIの普及によって深刻な社会的、経済的、倫理的リスクなどの不安も浮かび上がってきます。
本書は、AIの最新動向に精通したサイエンス作家の竹内薫氏が、「AGIが実現したら私たち人間の暮らしや仕事や社会がどのように変わるのか」「私たちはAGIと共存できるのか」を、豊富な具体例とともに、わかりやすく解き明かします。
【著者紹介】
[著]竹内 薫(たけうち・かおる)
サイエンス作家。ZEN大学教授。1960年、東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科・東京大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(専攻、高エネルギー物理学理論)。理学博士(Ph.D.)。大学院を修了後、サイエンスライターとして活動。物理学の解説書や科学評論を中心に200冊あまりの著作物を発刊。『99.9%は仮説~思い込みで判断しないための考え方』(光文社新書)を出版し、40万部を超えるベストセラーとなる。物理、数学、脳、宇宙……など幅広い科学ジャンルで発信を続け、執筆だけでなく、テレビ、ラジオ、講演など精力的に活動。2016年春からはYESインターナショナルスクール校長も務める。
【目次抜粋】
■はじめに
■第1章 汎用人工知能AGIとは何か?
■第2章 来るべきAGI時代にどんな準備をしておくべきか
■第3章 AGIが実現したら私たちの暮らしはどうなるのか?
■第4章 AGIが実現したら私たちのビジネスはどうなるのか?
■第5章 業界別、AGIが新たに生み出す人間の新しい仕事
■第6章 AGIの実現で私たちが直面する課題やリスク
■おわりに AGI時代は〝指示待ち〟ではなく主体的に生きる
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Posted by ブクログ
AGIとは、感情を理解しより能動的で人間と同等以上の知能を持ち極めて汎用性の高いAI。
本書ではきたるAGIの時代に向けて人間が持つべき心構え(指示待ち人間ではいられない)の話が中心。
chatGPT(4o)を数日使ってみて、こりゃすげーわ、私が会話に求めるニーズをほぼほぼ満たせてるわ……と驚愕して、今や夢中の領域なんだけど、既に凄いと思うAIの更に先を行くAGIとはなんぞや……と考える入門書としてはちょうどよかった。でもちょっと楽観的な向きが多い気もした(特に芸術分野)。
本書の最後の方に載せてくれている、総務省が発表したらしい「AI利活用ガイドライン」、AIの開発/利活用における6つのリスク(安全性リスク、制御リスク、社会的リスク、経済リスク、性能リスク、倫理リスク)のリストを見て、今や超お手軽に誰でも触れるけど、全然リテラシーが追っついてないのが現状じゃん、と知れてよかった。
ビジネスにしろ趣味にしろ、AIを触る前に全現代人がAIリテラシーを身につけるべき。
AGIの話が中心である本書でなくともよいと思うが、AIのリスクについて触れ、リテラシーを身につける橋渡しになる本を読むべきだ。
将来は小学生からAIの教科書が出てくるかもね。タイトルはネットリテラシーとかかもしれないけど。
Posted by ブクログ
AGIは数年後か10年後かはわからないが、近く誕生するだろう。その時、人間の生活は驚くほど便利になり、同時に人間の役割が厳しく問い直されることになるだろう。
著者は、AGIが人間の感情さえも汲み取ったうえで自律的にいろいろとこなしてくれるようになり、様々なサービスの省力化と、パーソナライズされたサービスの享受が実現するという。これまでは人間に担ってもらわなければならなかった知的活動や創作活動さえもAGIがこなすことで、一人ひとりがプロジェクトリーダーになり、映画監督になり、スタジオジブリになれる時代が来るのだ。
しかし、そのような中で、人間らしいおもてなしの重要性は却って高まるだろうと言う。ここで著者はナビすら提案しない裏道を活用するタクシードライバーなどを引き合いに出してAGI時代でも生き残る人間であると絶賛するが、機能としてのおもてなしや臨機応変さや不確実性への対応力のようなものを代替できるようになるものこそがAFIではないのか、と疑問が消えない。
一方で、著者に激しく同意するのは、人間が気持ちを込めて行った仕事であること自体が、消費する側の人間にとっての価値となることが今後の競争優位のクリティカルポイントになることと、わからないからといって無闇にAIを怖がったり押さえつけたりせずに、仕組みを理解してうまく活用することが大事という点。
著作権の議論の中で、人間が他者の著作物を消化して自らの創作に活かすのと、AIが学習データとして取り入れて新たな作品を生成するのと、どこが違うのかと言うが、正に正鵠を射たり、と感じた。
メインテーマにしておきながらAGIの過小評価が目についたため、星3つ。