【感想・ネタバレ】バートラム・ホテルにてのレビュー

あらすじ

古き良きエドワード朝時代の面影を今なお残すバートラム・ホテル。ミス・マープルも淡い過去の思い出を求めて訪れた客のひとりだった。だが、その優雅な雰囲気の陰に彼女が見たのは、巧妙にしくまれた大陰謀……はたして巻き起こった驚愕すべき犯罪とは? 香り高き本格ミステリの逸品!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

マープルシリーズ10冊目?甥のレイモンドから旅行をプレゼントされたっマープル、ロンドンのバートラムホテルに滞在中。そこで牧師失踪事件が勃発、しかしマープルは牧師が失踪した日の深夜に牧師の後ろ姿を見かけていた!ロンドンでは銀行強盗など悪組織による犯罪が多発していたが、警察の捜査が難航。そこで起きた牧師の失踪事件だった。登場人物の冒険家・ベス、彼女の娘・エルヴィラ、レーサー・マリノスキーが中心に話しは進むが真相はわからない。珍しく犯人は当たったが動機などはハズレ。でも久しぶりに楽しいクリスティ作品だった。⑤

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 反則級の真相かもしれないが、それを予想させた上で上回ってくるからこそ成立する話。序盤から何かホテルに秘密がある(従業員は悪人?)ことを匂わせておいて、その真相は従業員はおろか宿泊客、その他大勢が皆強盗団というどこのオーシャンズ11やというお話。そんなんあり!?と言いたくなるけど、結末が予想外過ぎるから面白い!!そして、ドアマン殺しの真相は、ホテルとは別に二転三転するから楽しい。全く異なる思惑が入り込み、事件を起こし、最後には黒幕の人生すら左右してしまう。一人の女の金への妄執から一つの特大の強盗団が潰れることになるなんて。
 事件の内容とは別に、何だかノスタルジーを感じさせてくれるお話。シードケーキとかマフィンとかもそうだけど、ノスタルジーを感じさせるホテル。何も懐かしき良き思い出と変わってないように見えて、裏では全く変わったものとなっている。これは人に対してもそう言えるんだろうな。変わらないものなんてない。ノスタルジーってのは、やっぱりただの幻想なんだ。

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2024年01月22日

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ネタバレ

ロンドンのバートラムホテルに滞在するミス・マープル。スイスでの会議に出席する為にホテルに泊まるペニファザー牧師。忘れっぽくなり会議の日程を間違えて夜中にホテルに引き返してきたペニファザー牧師。何者かの襲撃。多額の遺産を相続しているエルヴァイラ。彼女の後見人ラスコム大佐。エルヴァイラに近づくレーサーのマリノスキー。記憶を失い田舎で発見されたペニファザー牧師。ホテルの支配人ハンフリーズ。エルヴァイラの産みの母親セジウィック。アイルランドへ出掛けたエルヴァイラの目的。霧の朝、何者かに銃撃されたエルヴァイラ。盾になって撃たれたドアマンのゴーマン。捜査を担当するデイビー警部。

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2015年05月27日

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ネタバレ

なぜ私が、このアガサ・クリスティーをこよなく愛する私が、☆3評価にしたか。それは簡単な話である。

マープルさんがほとんど出てこないんだもの!!

マープルシリーズでなければ良いんですよ、気にならないし寧ろ面白いと思う。でもマープルさん出てきてるじゃん! マープルさんの活躍見たかったんだけど!!
いうファン心理である。

とはいえ話自体はそれなりに面白かった。
犯人を考えながら読み進め、バートラム・ホテルの意外な素顔に「なるほど?」となり、まぁ途中で女流冒険家ベス・セジウィックとエルヴァイラが母娘であることはすぐにわかったのだけれども。
元軍人のドアマン、マイケル・ゴーマンとエルヴァイラの関係も結構最初の方で勘付いてたかな。ゴーマンはエルヴァイラのことを知ってたから最後、彼女を守ったんだと思ったんだけど、まさかの犯人そっち? ってなったのである。
これは予想外。
斜め読みしちゃったので私の理解が間違っている可能性もあるのだが、エルヴァイラ、耳を怪我したんじゃなかった? 怪我してたなら自分で撃つの無理ではないの、むしろレーサーのラジスロース・マリノスキーの方が、エルヴァイラをベスと見誤って撃った、つまりエルヴァイラとの結婚の障壁となりそうな人を消す(遺産金目当ての)ための犯行ってなもんで納得しやすいんだが、などと思ったんだが、最後の方を確認したら、弾はエルヴァイラが「掠った」と言っているだけで怪我の描写はなかった。さすがに警察も掠ったかどうか、分かると思うんだがな…。

ストーリーとしては面白い方ではあるが、クリスティ作品にしてはちょっとツッコミどころ、というか何となく釈然としない気持ちが残った作品ではあった。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犯人がそこそこカスな上に捕まっていないので、読後感がスッキリしない。ホテルの対応にホクホクしながらも、裏にある邪悪さを感じ取って少しづつテンションが下がっているマープルが可愛い。牧師さん生きてて良かった。

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2024年02月03日

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ネタバレ

クリスティの長編ミステリー。探偵役は(一応)マープル。
 推理小説の探偵物でよくある光景が警察官が無能であり、探偵の足を引っ張る構図だ。探偵を邪険に扱い(場合が場合なので仕方ない部分もあるが)、的外れな推理をしてんで真実に辿り着けない様な人物や事柄を重宝し、しまいには探偵が解き明かした真実を受け入れ犯人を我が物顔で逮捕し、探偵に笑顔を振り撒いて一件落着する。ある種のお約束だ。さて、では、もし探偵がいる中で警察官がとても優秀だったらどうなるのか。答えは「面白味に欠ける」だった。
 今作に出てくるオヤジさんこと主任警部のフレッドは優秀であり、完全にマープルが脇役になっている。読者は当然、探偵の活躍を見たい訳で、勿論、今まで上記の様な不平不満を言ってきた訳だがあくまで探偵役、真実を解き明かすのはマープルであり、警察官は彼女の推理に感嘆するというのが大好きだった事に気付いた。今回はバトル警視の様な形が良かったのではと感じてしまう。マープルの存在感が余りにも小さかった。
 事件発生までバックボーンにある強盗事件などが取り上げられ、どうやら登場人物達に関係がありそうだという事がわかる。更には昔の様式を現代に受け継いでいるバートラムホテルが舞台となり、マープルは子供の頃訪れたこのホテルを姪からのプレゼントで訪れる事になる。
 美しい秩序あるホテルが舞台であり楽しい印象を得る。荘厳ではありながらも何処か現実的ではない何かを感じるホテル。従業員達は一流であり、滞在客は昔の時代からやってきた様な年寄りと外国人達。そこで始まっていく事件。序盤中々何事もおきず、中盤からようやく物語が進行していく。
 今作の母娘は印象的で、娘についてはリドルストーリー的な雰囲気で幕を閉じる。後見人など、彼女の幸せん願っている事に間違いはないが、最後は何とも悲劇的な幕切れだった。改めてマープルの関わり方が不明。
 作中でマープルがロンドンを満喫している様子は滅多に見られない描写で嬉しく思った。しかし彼女は何処に行っても殺人と巡り遭う運命なのだろう。
 余りにも広範囲の事件になる為、やはりノンタイトルで整理されたら一級品だった様に思う。ドンデン返しの犯人は想像を超え、最終章だけならクリスティ作品の上位に挙げても良いくらいだ。

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2023年10月01日

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ネタバレ

これまで読んだアガサクリスティーの小説とは少し違った。人が死ぬのもかなり後半の方だし、牧師さんは生きてたし。でも比較的人物関係も整理しやすくはあったから理解はしやすかった。強盗事件が物語の軸ならもっとそこを深く掘り下げて書いて欲しかったかも。

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2023年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

英国式の古式ゆかしいホテルであえるバートラムホテルという舞台設定が魅力的です。
表面上は昔のままに見えていたホテルの裏側が明かされていき
後味のよい物語ではありません。
明らかになった真相がかなり大きくリアリティに欠けるようにも感じます。
ミス・マープルの活躍も本作ではそこまで大きなものではなかったのは残念でした。

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2019年05月28日

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