あらすじ
本書は、日本の組織変革の第一人者である著者が「会社とは、いったい何か」「組織は、どうあるべきか」という“本質”を主軸に、経営やマネジメントの在り方を解説するものです。
近年、企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化を続けており、今後の予測が極めて困難なため、「経営の中長期的な見通しがつかない」と言われるようになっています。その影響で、「各企業は世の中の潮流に乗るためにバズワードに飛びつくものの、いつの間にかその本質を見失い、『手段』が『目的化』してしまっているケースが多発している」と、著者は警鐘を鳴らしています。
「人的資本経営」「パーパス経営」「ジョブ型雇用」「自律分散型組織」「働き方改革」「女性管理職比率」「ダイバーシティ」……。実に多様なキーワードが広まり、国や社会からの要請も増えています。しかしながら、それらの本質を見抜くことなく、当面の対応をしがちになり、従業員の時間と労力は会社の見えないコストとして生産性を押し下げ、また対応した人間の仕事への効力感や誇りを奪っているケースが散見されると、著者は分析。
本書は、統計的なファクトデータやコンサルティングの豊富な実例を交えながら、トレンドワードの本質に迫り、組織変革のあるべき姿を描き出します。
経営者や管理職のみならず、人事・経営企画・IR・広報担当者などのコーポレート部門、さらには次世代を担うビジネスパーソンにとっても企業変革のための示唆に富む一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
モチベーションに特化した組織改革、経営コンサルティングファームを創業、経営している小笹芳央氏が著者です。
人的資本経営の1丁目1番地はエンゲージメント。従業員を簡単に解雇できない日本の労働法にも問題がある。働く個人は投資家であり、企業は選ばれる必要がある、など。共感、納得する内容が多かったです。中でも多くの事象を振り子で例える考えは素晴らしいなと。ご自身の経験だけでなく、他の方の意見ならびに参考書籍やイラストが多く、さらには経営層、マネージャー、働く人とそれぞれに向けた内容で章分けされている構成も秀逸だなと。多くの人に読んでほしい一冊だと思いました。
Posted by ブクログ
一度は耳にしたことがあるワードについて丁寧に解説をしてくださっているのでどんどん読み進めることができた。そもそもの前提から教えてくださるので、「そういえばこの言葉ってどんなことを指しているんだっけ」という方にも理解しやすい内容です。
会社の成り立ちから説明をしてくださっていたので深い理解の上にトレンドワードを考えることができました。
Posted by ブクログ
AとBの問題をではなくAとBの関係性の問題に着目する。AはBを良くすることを考える。
感情報酬 事業部内チャレンジ制度
振り子の打ち手
女性活躍を前提とした組織設計
価値を生まない人的資本との入れ替え
2400時間 1600時間 1800時間
動機づけ要因
ワークライフバランスを動的にとらえる
プランドハップンスタンス
事業部長としての直接メッセージ
パーパスの置き換え
成長の結果としての多様性
Posted by ブクログ
読んで良かったです。
中間管理職に身を置く者として、ここ数年モヤモヤしてたものがスッキリしました。
中間管理職ってホントに自信を無くしそうになる場面が多いんですよね(私だけ?)
マネージャーは重要って言い切ってくれてるので、勝手に背中を押されたような気分になりました。
(あまり具体に書くとネタばれかしら)
あと、文章が読みやすいので、サクサク読めました。
星5個か迷いましたが、一旦4にさせて頂きました。
Posted by ブクログ
知的好奇心をくすぐられる面白い本だった。
つい最近転職した自分にとって、「仕事には金銭的な報酬だけでなく、感情的な報酬も必要」という本書の考え方は合点のいくものがあった。
会社を経営する上で最も重要なものは社員のエンゲージメントであり、エンゲージメントを高めるための手段としてパーパスを浸透させる必要があるのであり、パーパスを設定することが目的となってはならない。
目的と手段の逆転による本末転倒な状況は本書内でも頻繁に触れられているのだが、無意識のうちに手段と目的の逆転は起こしてしまっている気がする。当初の目的を紙に書いて貼っておくなど、常に目的を見失わないようにする工夫をしようと思った。
Posted by ブクログ
パーパス、女性管理職など、最近流行りの取り組みの意図がよく分かった。
また、程よく著者の考えが入っているのが良かった。
一方、本人も言っているが急に飛躍的になるのは頂けない。
自身で飛躍的だが、と前置きするのは、言語化することをサボっている感が否めない。
Posted by ブクログ
働いている会社は組織再編や方針変更が多い。
その都度、理由を説明してくれるが、表面的なものばかりで腹落ちした記憶がない。
ただ、それに反論することなく、流れに身を任せて、会社生活を送っていた。
しかし、組織への不満が募ることが最近多くなり、組織の方針の上位概念を知りたいと思い、本書を読み始めました。
本著には、健全な会社とした、組織、管理職、個人のあるべき姿が書かれています。
特に、管理職に対する悪いイメージが払拭され、面白そうなポジションだなと感じられるようになった。
管理職になりたがらない人が多いと昨今聞きますが、そんな方々にも一度読んで欲しいです。
Posted by ブクログ
One for all all for one.
組織と働き方の本質は、この精神を基に判断して行動すれば、誤った決断をしないのではないかと考えさせられた。任務を全うして組織に寄与しよう、個人を尊重し、協働精神の元、個人の幸福に貢献しよう。